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29 最高ですよ

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ほのぼのと続きます

 無事?入学式を終え、クラス分けの紙を貰い講堂から出て自身のクラスに移動するクリスティーヌ。その背後から1人の少女が声をかけてきた。


「クリスティーヌ様、お久しぶりですわ」


 ニッコリと笑う素敵な令嬢の笑顔の見た目とは違い、中身は毒舌、そしてクリスティーヌの心友であるレイラス・サーモス侯爵令嬢であった。以前の王都の事件から多大なる功績を認められ伯爵位から爵位が上がったのだ。


「レイラス!久しぶりですわ!元気だったかしら?」


「ふふふ。クリスも元気そうで良かったですわ。先程の講堂でのひと悶着は笑い堪えるのに必死でしたわ。それにしても、その瓶底眼鏡もう取ったらどうですの?」


 レイラスは呆れた顔付きで瓶底眼鏡のクリスティーヌを見ながら、ここまで変わるなんてある意味詐欺ですわね、と呟いている。


「良いのよ。楽しいし、面倒臭い事嫌いですし。それよりレイラスは何クラスになりましたの?」


「私はAクラスですわ。クリスは?」


「あら、離れましたわね。Cクラスよ」


「アレクシス様はBクラスみたいね。残念じゃないの?」


「んー、どうかしら?私にはわからないわ。だけど関わったら面倒臭い事になりそうだし、今はいいわ。やりたい事が沢山ありますしね」


「ふふふ。クリスティーヌらしいわね」


 クリスティーヌがCクラスに着くと、レイラスはじゃぁお昼に、と言いそのままAクラスに向かっていった。この扉を開ければ、私の学園生活が始まる。踊る胸を落ち着かせながら、扉に手をかけた。


 そこには、クリスティーヌと同じような眼鏡をかけた人物や、女子と男子共に垢抜けていない原石のままの生徒もいる。勿論、見た目がレイラスのような生徒もいる。殆どが平民で締めているクラスである。


 クリスティーヌは大変喜んだ。

 王立学園には遊びがてらに学ぶ貴族が多い中、勉強のみを目的にしている生徒もいる。クリスティーヌは後者だ。それに、平民が多いクラスと言っても爵位がないだけで裕福なのだ。オホホホと笑ってるだけの貴族達と学ぶより、勉学を目的としている人達と学ぶ方が何倍も良いと思っている。


 クリスティーヌは辺りを見渡すが知り合いもいないので鞄から調合薬ー極みーを取り出し、読破する事に徹するのである。


 暫くすると、誰かが話かけてきた。


「す、す、すみません。それは入手困難である()()ではございませんか?」


 クリスティーヌは本から目を離し、声をかけてきた人物を見上げる。話かけてきたのは、黒髪を後ろに束ねた、目の大きな可愛らしい女生徒だった。おずおずと尋ねる姿は怯えた兎のようにも見えた。


「あぁ!そうよ。貴方、コレに興味があるの?」


「あ、ハ、ハイ」


 クリスティーヌが答えると黒髪の少女は緊張しながら返事をし、びくびくしながら話を続ける。話をするうちにクリスティーヌと打ち解けていく。


 黒髪の少女は貴重な本の生産を担っている商家の娘、メリッサ・ルアーフ。生粋の本好きであり、クリスティーヌが公爵家の令嬢と知っていたが、極みの本を見て思わず声をかけてしまったようだ。


 身分の低い者が身分の高い者へと話かけることはタブーとされている世界。クリスティーヌは笑いながら、別になんともないわ、と言い更に、どの調合薬に興味があるかを聞き討議を始めたのだ。

 周りの生徒も1人また1人と徐々に討議に加わり、最終クラス全体で討議がされていた。教師が来ても討議が終わる気配がなく、教師が無理やり中断させたのだ。


 Cクラスの担任となるのは、焦げ茶の髪色をした渋いお顔のコダック先生だ。魔法学を教えるらしい。女生徒から人気があると聞くが、このクラスの生徒は正直そんな事は興味ないのだ。


「さて、早速だが今から魔力測定をする。午後からはどのような魔法が使えるか調べるぞー。皆動きやすい服装に着替えて準備するように。集合場所は〜…」


 伝える事を伝えるとコダック先生は教室を出て行った。生徒はそれぞれ更衣室に行き、動きやすい服に着替える。クリスティーヌは勿論何時もの服だ。シャツにピッタリしたくるぶしまでしっかり隠れるパンツ、ショートブーツを履く。皆膨らんだズボンだったりと、それぞれ動きやすい服装をする。


 ぞろぞろと集合場所に移動すると、先に貴族クラスが壇上で魔法測定をしているところだった。貴族ファーストは何処に行ってもある。

 クリスティーヌは待っている間の暇つぶしに土魔法で極小ゴーレムを作った。すると、クラスメイトの一人が火炎魔法で極小ドラゴンを作りゴーレムと戦わせる。それを見る為に1人また1人と輪を作り終いには人だかりが出来る。次はフェンリルだ、次はリヴァイだ、とそれぞれが極小魔獣を作り戦わせる。いつの間にかクラス全体を巻き込んでいるのだ。


 コダックは平民クラスは魔法なんていらないのだろう、と遠目に見ていた。だが、先程の討議といい暇つぶし極小対決といい、このクラスは優秀な人材の集まりでは?と思うようになる。


 極小対決が盛り上がってきた所に、魔力測定の場所から耳をつんざくような女生徒の黄色い声が聞こえてきた。


 Cクラスの生徒は素知らぬ顔で極小対決に熱中している。コダックはなんだこのクラスは…と目を疑う。今、魔力測定ではこの国の第2王子が壇上に立っているのだ。普通ならば皆、王子を注目するのだ。不思議に思い、極小対決を観覧している生徒達に聞く。


「お前達〜今王子が魔力測ってるぞ。興味ないのか?他のクラスはきゃあきゃあ言ってるぞ」


 誰も返事をしないので、側に居たグレージュの髪をしたお団子女生徒に聞く。


「王子が測ってるぞ?」


「だから何なんですか?王子が測っていようが私達はこちらの極小対決が重要なんですわ」


「コダック先生、僕達の邪魔をしないでください」


 生徒達はコダックの話を無視し、この属性にはこの属性が効くからなど思考錯誤し実験し、新しい発見と共に最強魔獣を探しているのだ。


 色んな意味で我が道を行くCクラスである。

 王子の計測が凄かったのか辺りから歓声が沸く。Cクラスでも歓声沸いた。クリスティーヌのゴーレムがやっと倒されたのだ。


 きりが良い所でまたコダック先生が声をかけ、魔力測定の為に順番を整列させる。

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