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2  状況確認ですよ

おいおい小説内での魔獣紹介をさせて頂きますのでのんびりお付き合い頂けると幸いです。

 クリスティーヌはマリエルが用意してくれた野菜たっぷり入ったスープを飲みながら、寝ていた間の話を静かに聞いた。


 クリスティーヌはやはり6歳である。虹色メヌンを捕まえる為に池に飛び込み、それと同時に気を失ったまま3日間高熱でうなされてしまい、ずっと床に伏せていたという。気を失った原因は、メヌンの尻尾に頭を打ってしまったのだ。

 少しおでこが痛いのはきっとそのせいだろう。



 虹色メヌンとは、水属性のイグアナに似たすばしっこい魔獣。大きさは様々だが、大体1m前後が多い。水属性だから水魔法を得意とし、水辺や沼地によく生息する。

 通常種はくすんだ緑をしているが、希少種は虹色をしている。気性は荒くないが、いかんせん生意気な小馬鹿にした態度をよくとる。

 この世界では火消し、他の魔獣の囮(挑発)などによく使役されているポピュラーな魔獣だ。


 当時のクリスティーヌは、魔獣と魔草大好きでとてもやんちゃ……いや、活発な女の子だったのである。暇さえあれば、魔獣や魔草探しに没頭していた少し変わったご令嬢だったのだ。魔力は同年代と比べると少し多い程度である。


 クリスティーヌが寝ている間、父と母、そして兄や屋敷の使用人、街の住人達の全てが心配し過ぎて毎日がお通夜状態の活気のなさだったという。活気が無さすぎて旅人に幽霊街と言われるようになってきたのだ。

 今ではクリスティーヌが目覚めた事を聞き、屋敷中……いや街も巻き込んでお祭り騒ぎの状態だというから、この変わり身の速さは凄く恐ろしいのだ。



 さて。今が6歳の秋頃だとすると、ダニエル(クソ男)との婚約は数ヶ月後の冬に決まるはずですわ。何とかしなくてはいけませんわ。あれは事故物件間違いなしですから。



 クリスティーヌは、あんな顔だけの頭が弱い、ナルシストな男はこっちから願い下げですわ、とずっと言っていたのだが貴族間の婚約破棄は理由がないと中々破棄をする事は難しいのだ。一度受けてしまうと後々が大変になるので、婚約しない事をしなくてはいけないのである。


 クリスティーヌが10歳になり、学園に入ると1人の女子生徒とダニエルが親密な関係になるのだが、その女子生徒との親密な証拠もなく破棄ができなかったのだ。

 挙句、私を罵倒し金と爵位目当てで可愛気がないなどと侮辱し、悪女や妾として扱う始末。どちらが酷い事をしてるんだ、と何度も心の中で叫び両親に訴えたのだが何も変わらなかったのだ。


 確かに初めの頃はダニエルの事でお花畑に、なっていたのは事実だ。歳を重ねるにつれ、正気に戻ってきただけの事である。それに、過去のクリスティーヌは性格に少し難があった為に家族や周りから一線を置かれていたのだ。



 思い出すだけで腹が立ちますわ!

 必ず前回の落とし前をつけますわ!

 もうオホホホ、ウフフフで済ます旧クリスティーヌ時代は終わりましたのよ? これからは、新時代。新生クリスティーヌ時代が訪れますのよ。やられたらやり返す。これをモットーに必ず婚約破棄をし、魔獣と魔草を思う存分堪能いたしますわ。


 クリスティーヌは心に決め、そっとスプーンを置き荒ぶる気持ちを落ち着かせながら、これからやるべき事の準備をマリエルに頼む。


「マリエル! 作業用のいつもの服といつもの道具を用意しておいてちょうだい。動きやすいやつね。それと、瓶底メガネも用意して頂戴。あとは……お風呂に入りたいわ……何か、におうわ……酸っぱいにおい……身体もベタベタするし、気持ちわるいわ」


「ふふふ。沢山汗をかきましたものね。すぐにお風呂のご用意も致します。お嬢様が好きな、クラッチェの花を浮かべておきますね」


 マリエルは、クンスカと自分の服を嗅ぐクリスティーヌを見ながら答えると、素早く湯の支度に取り掛かる。


 出来た侍女はスピードが命。

 リラックス効果のあるクラッチェも忘れない所が流石だ。


 クリスティーヌはゆっくりと湯浴みをし、さっぱりとした気持ちでソファーにかけるのだ。 



 はぁ〜〜、スッキリしましたわ。

 お風呂さいこぉーーですわ。



 クリスティーヌは、ホクホクと頬を緩めながらハーブティーを優雅に口にする。そして、少し鈍ってしまった身体を元に戻す為に今から出掛けるのだ。黒のパンツと白のシャツに着替えブーツに履き替える。そうである。いわゆる乗馬スタイルと言われる動きやすい服装なのだ。


 クリスティーヌは手に力を込め、魔力を確かめる。拳周りが青白く光るのである。



 うん。大丈夫だわ。

 寝ていたお陰で魔力は全快になっているわ。



 魔力を確かめた後、忘れずに自身に強化魔法をかける。


「マリエル! 少し身体を動かしてくるわ! 」


 クリスティーヌは颯爽と2階の窓から外に飛び降りた。


「お嬢様‼‼ きちんとドアを使って下さいませ‼‼ 私が旦那様と奥様から叱られます‼‼ 」


 マリエルは叫びながらも、同じように2階の窓から外に飛び降りたのだ。


 そう。このマリエルは侍女でありながらも護衛を兼ねている戦えるスーパー侍女である。

 強化魔法をかけずとも、2階から飛び降りる事は造作もない事。

 護衛や騎士のエリートばかりを輩出している、グラッサ家の娘なのだ。少しばかり、クリスティーヌ愛が激しいのがたまに残念なのだが、主人と決めた者には一生忠誠を尽くし、何があっても主人を守ろうとするのである。


 クリスティーヌもマリエルの愛情がわかっているから彼女の行き過ぎる行動や言動を他人事として生暖かく見守っているのだ。


 さぁ。

 やり直し人生の為にやりますわよ!


 クリスティーヌは怒涛に走り、その後ろからマリエルが張り付くように続くのである。


 この光景はエルノーワ領の名物光景となるのである。

ストック置きがよくわかっていませんので、できるだけペースあげてサクサク読んで頂けるように努めます。

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