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141 謎の額の傷

いつもありがとうございますm(_ _)m

ブックマーク等励みになっております。

更新遅くなりました。

寒い日が続きますが体調には十分お気をつけ下さい。

 今から20年程前、各地で若い者達が襲撃され、呪いをかけられる事案が多数発生したのだ。

 襲われた者達は、全て額のどこかに傷を負い、どうやって傷を負わかされたのか不明だ、と口を揃えていうのだった。


 当時の国王は、直ぐに対策本部を結成させ、国民に警戒をするように勧告したのだ。


 だが、額の傷の事件は治まるどころか勢いを増し、他国でも次々と同様の事件が起こり続けたのである。


 犯人は何が目的かも分からず、手掛かりも無いことから捜査は難航していった。


 暫くすると額の傷の事件はピタリと止み、表向きでは愉快犯か何かの仕業だと処理されたのだ。


 しかし、その10年後、また同様の事件が発生する。


 当時ハミルは王立学園に通っており、魔法師の道へと進んだのだ。


 有事の際には、学園の生徒達も駆り出されるニズカザン帝国。ハミルは額の傷事件の調査に、学園の友人でもあるファリアと共に魔法師として同行するのだった。


 ハミルの調査隊は王都から馬車で30分程離れたブルーダンと言う街へと向かった。


 ブルーダンは、温暖差な土地であり、夏はカラッとした暑さなのだ。

 この街は葡萄が名産であり、色々な品種の葡萄が育てられている。

 葡萄に関する商品がとても多いのだ。


 現在、王都で大人気のスーイーツ店、JLの店のchilldonにも使われている。

 期間限定の販売であり、数分で完売するという葡萄が乗った極上プリンなのだ。


 ハミル達はブルーダンの街外れにある葡萄畑へとやってきた。


 被害者の一人は、街に住む五歳の男の子。この葡萄畑で気を失っている状態で発見されたのだった。


 男の子には額の傷以外には外傷がなかったのだが、何故自分がここに倒れているかはわからなかったのだ。


 男の子は住んでいる所の近くで遊んでいた所、急に倒れ直ぐに起き上がると、周りの声に反応せず、ここ迄歩き倒れている所を発見されたのだ。


 ゆらゆらと意思がないように歩いていた姿を、街の店主達が数人目撃していた。


 その時の状況を詳しく聞くのだが、手掛かりが少なく捜査は難航していたのだ。


 数日間、ハミルはファリアと共に聴取の報告書や発見場所等を一から全て読み直し、何か見落としがないか確認したのだ。


 そしてある共通点を見つけたのだ。


 額に傷がつく数日前、見知らぬ人に声をかけられていたのだ。


 その人物は男の時もあれば、女の時もあるという。


 二人は更に詳細を調べる為に、最後の被害者が倒れていた洞窟へと向かう予定だったが、ハミルは教師に呼ばれ、ファリアに待つように伝えたのだが、ファリアは先に一人で行ってしまったのだ。


 同級生にファリアの居場所を聞いた時、酷く慌てているようだった、と。


 何に驚いて居たかは今となってはわからないが、洞窟へ行ったのを最後にファリアはハミルの前に姿を表すことなく今の今まで行方知れずになる。


 ただ、気になるのが、ファリアが単独で傷の事件を調べていた時に使っていた手帳が見つからないのだ。


 行方不明になる直前までは見ている。

 正確に言えば、ファリアを探しに教室へ行った時、空いた鞄から手帳が見えていたのだ。


「その手帳は今でも行方不明なのか? 」


「わからない。私は急いでファリアを探しに行き、その後行方不明になったと聞いてから、間もなく禁術をかけられていたからな」


 ハミルは、ルーダの質問に申し訳無さそうに答えたのだった。


「念の為に、王子が回復した時にまた同じように話をしてくれないか? 」


「わかっている。が、アレクシス王子は私の事を受け入れてくれるだろうか……」


「まぁ、大丈夫だとは思う……一つ聞いてもいいか? 」


「分かる範囲なら……」


 エスイアの質問に身構えるハミルは、手元をみつめる。


「エルノーワ家のクリスティーヌ・エルノーワ嬢を知っているか? 」


「知ってるも何も、エルノーワ家のご息女だろ? 知らない人はいないだろ? 」


「会った事はあるか? 」


「勿論だ。夜会パーティーで挨拶する程度だが、スペンサー殿には魔草や魔獣について助けて貰った事が何度もある」


「そうか……」


「クリスティーヌ嬢がどうかしたのか? 」


 真剣なハミルの問いに、エスイアとルーダは目を合わせ、ゆっくりと口を開く。


「ファリアさんと同じように行方不明になったんだ。ただ、状況が少し違うが……」


「そうだったのか……私が操られていた時の記憶さえ少しでも思い出せれば何か力になれたかもしれない……」


「記憶を呼び起こす術……か。この国でできる者は、クリスティーヌと時の魔女しか知らないな」


「時の魔女? 」


 ハミルは、時の魔女と言う言葉を聞いた途端、急に黙り込み、腕を組みながら何か考えている。


「クリスティーヌの師匠らしいが、正体不明な女性だったな」


「髪の色は?! 」


「黒だったな。ファリアさんの可能性は低い。年齢が全く違う」


「そうか……」


 ハミルは残念そうに頷いたのだった。


 エスイア達四人が話をしていると、デニスが扉を開きやってきたのだ。


 ハミルの姿を見るなり、抜刀し斬りかかろうとしたのは言うまでもない。

 事情を説明し、今まであった事を詳しくすると少し落ち着いたのか、冷静な判断で護衛としての心得を伝えるのであった。

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