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132 ジュイナvsマーガレット

いつもありがとうございますm(_ _)m

ブックマーク等励みになっております。

 "マーガレットは居たか?! "


 "庭側には居ない‼ "


 "馬車の周りは人がごった返していてわからないわ‼ "


 "馬車で逃げるなら外に待機させてる筈だ‼ "


 "外の警備はルギが居てる‼ ルギ聞こえるか?! "


 "は、はい‼ エスイアさんですか?! 一体この騒ぎは?! "


 "説明は後だ。マーガレット嬢を見つけ次第拘束してくれ"


 "わかりました! デニス団長にもお伝えします"



 エスイアはルギに念話を送ると、自身も夜会場の警備が手薄な場所を探しに走ったのだ。



 "南側の警備兵と連絡が取れないらしい! 皆、南に回れ‼ "



 ルーダの言葉に皆、南側へと回る。



 "警備兵達が皆倒れているわ‼ "


 "ジュイナ、もうすぐ着く‼ 気をつけろ"



 エスイアの言葉にジュイナは返事をし、南の門をくぐると馬車が目視で確認出来る程の距離で走っているのが見えた。



 "いた‼ 足止めするから、応援宜しく"



 ジュイナは馬車の行く先に魔法陣を展開させ、結界壁をはる。


 馬は結界壁に驚き、暴れ出し馬車が音を立てながら横に倒れたのだ。


 すると馬車を囲むようにどこからともなく黒いフードの者達が数人現れたのだ。


 "黒いフードの者が四人"


 "気をつけろ"


 "無謀な事はしないわ"



 ジュイナはルーダの言葉に答えると、素早く紋様を描き黒いフードの者達へと攻撃を開始する。


 黒いフードの者達の四方に魔法陣が展開され、魔法陣が発動する。

 白い触手が幾つも現れ、黒いフードの者達に絡みつき捕縛し、自害出来ないように口元へも触手を噛ませる。


 黒いフードの者達は、未知の触手が口元にある事に怯え、もがくがピクリとも動かないのだ。


「この役立たず共。何をしに来たのかしら……」


 呆れた声が倒れた馬車から響き、乱れた髪を抑えながらマーガレットが馬車の上から這い出てきたのだ。



 "マーガレットを見つけた"



 ジュイナがルーダ達に念話を送る。


「誰かと思えば、コールド家のジュイナさんではありませんか」


 くすくすと笑いながら、話を続けるマーガレットは掌に魔力をこめ始めていた。


「わざわざ早死にを選ぶなんて、とこかの令嬢様と一緒だわ」


 マーガレットの言葉が言い終わると同時に、マーガレットの掌から無数の刃が現れ一斉にジュイナへと襲い掛かる。


 ジュイナ素早く、防御結界を展開させ、マーガレットからの攻撃を受け止める。


 防御結界には無数の刃が突き刺さっており、じわじわと結界を突き進んでくる。


「あらあら、いつまでもつかしら? 」


 マーガレットはそう言うと魔力を込め、一気にジュイナの防御結界を破り、ジュイナの身体に無数の切り傷を付けたのだ。


「くっ……このドレス、お気に入りだったのに」


 ジュイナは切り刻まれた自身の身体とドレスを見ながら呟き、マーガレットの頭上と足元に魔法陣を展開させ、魔法拘束結界を発動させたのだ。


「こんなもの、玩具に過ぎないわね」


 マーガレットは魔法拘束結界を意図も簡単に破壊し、次々とジュイナに攻撃を仕掛ける。


 ジュイナは休むことなく、マーガレットの攻撃を交わし、自身も負けずに魔法攻撃を繰り出す。


「ちょこまかと、目障りだ‼ 」


 マーガレットが怒鳴ると同時に、ジュイナに向かって黒い稲妻が何度も何度も落ちたのだ。



 危ない。危ない。

 この稲妻に当たれば一瞬で丸焦げだわ。

 マーガレットってこんなに魔力が強かったかしら?



 ジュイナはマーガレットの攻撃をかわしながら、マーガレットを観察し、反撃に備えようとしたのだ。



 "エスイア達はまだなの? "


 "ちょっと、無理そうだな。黒い奴等の援軍ってやつか? "


 "そういう事は早く言って頂戴。マーガレットの魔力が高いからおかしい。何か仕掛けがあるから、そっちの方も気をつけて‼ "


 ジュイナは念話を終えると、マーガレットの手首に光る物を見つける。


 よく見ると、光る物は黒い石のようなブレスレットだったのだ。


 ジュイナは黒い石のブレスレットを破壊するように心みるが、中々上手くいかない。

 こちらが攻撃をすれば、同時にあちらも攻撃をしてくるのだ。


 マーガレットは遠距離攻撃が得意らしく、ジュイナと逆のタイプであり、苦戦している。


「ちょこまかと!! 」


 マーガレットも俊敏さを誇るジュイナに攻撃をかわされ、苛々としているのだ。


 すると、マーガレットは黒い魔石を握りしめこぶしに魔力が集め、赤黒い炎を一気にジュイナへと放出する。


 ジュイナは間一髪でかわしたと思ったが、赤黒い炎は生きているかのように背後で曲がり、ジュイナの背中に当たったのだ。


 ジュイナは炎の攻撃により、その場で倒れてしまったのだった。


 背中は赤く爛れ、煙と焦げの臭いが微かに漂っている。


「手こずらせて、まったく」


 マーガレットが掌に魔力を込めながら、倒れたジュイナへに向かってゆっくり歩き始める。


 ジュイナは意識を飛ばし、目は固く閉じられている。


「これでお終いね。さよなら」


 不敵な笑みを浮かべながら、火炎球を作り、ジュイナの背中へと放ったのだ。


 辺りに轟音と共に風が吹き荒れ、土埃が舞いマーガレットは勝利を確信したのだった。

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