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131 レクガン男爵の思惑

いつもありがとうございますm(_ _)m

ブックマーク等励みになっております。

誤字等の報告、本当に助かっております。

本当にありがとうございます!

「お前達、滞りなく進んでいるか? 」


「はい。今の所、計画的通りに進んでおります」


 地下の薄暗い一室にて、数人の黒いフード者達とレクガン男爵が話をしている。


「マーガレットは何処だ? 」


「マーガレット様は計画通り、ダニエル殿と王宮へ向かわれました」


「そうか。ついに来た」


 笑いを堪えられずにいるレクガン男爵に、黒いフードの者の一人が言葉を発する。


「もう少しで完遂いたしますが、エルノーワ家の娘はどう致しましょうか? 」


「ふん。あの娘は五年前に始末しただろう。もう居ないのだ」


「ですが、遺体は確認できておりません」


「私に指図をするのか? 」


 レクガンは手に魔力を込め、黒いフードの者の首を掴むと、一気に魔力を放つ。


 黒いフードの者は首を締められ、必死にレクガンの手を振り解こうとするが、力は緩まるどころか、強く締められる。


 周りの黒いフードの者達が慌ててレクガンを止めに入ったが、既に遅かったのだ。


 首を締められた者の口からは涎が溢れ、白目を向き、頭と両手は力なく垂れていた。


 レクガンは魔力を込めていた手を離し、息絶えた黒いフードの者を人形を捨てるかのように、地面へと叩きつけたのだ。

 他の黒いフードの者達は、その様子を見るだけで動けなかったのである。


「ジラン司教やこの者と同じようになりたくなければ、不要な言葉は一切、私に発しない事だ」


 レクガンの狂気に満ちた目を見た黒いフードの者達は、無言のまま、ただ頷くだけだった。



 煩わしい奴らめ。

 私は、ジラン司教のような失敗(ヘマ)をしない。

 ()()()()の復活の為に、私は何年もかけてこの計画を練ってきたのだ。

 それに、この力されあれば、どのような魔法師であろうとどのような騎士であろうと、私に歯向かう事は出来ない。

 もうすぐだ。

 もうすぐ、我々の望んだ世界がやってくる……



 レクガンは高らかに笑い出し、ハミルを呼ぶように黒いフードの者に言いつけたのだ。


「ハミル様は例の場所でお待ちしているとの事です。向かわれますか? 」


「私一人で行く。お前達は、マーガレットの援護に回れ」


「「はっ‼ 」」


 黒いフードの者達は返事をし、魔法陣を展開させ、黒いモヤを纏うと、空気に溶け込み消えたのだった。



 ♢♢♢♢♢



 王立学園では夜会パーティーが開かれており、生徒は勿論、OBやOGなど多数の人々で賑わっていたのだ。


 エスイアやジュイナは参加するつもりはなかったのだが、参加せざるを得なかった。

 アレクシスが参加する為、キースから直々にお願いをされたのである。


 勿論、アレクシスの護衛兼友人としてフランもいるが、王宮内でも不穏な噂が立っている為、用心を越してのことなのである。


「お、ルーダ久しぶりだな」


「エスイア、この間会ったばかりじゃないか……」


 ルーダはカミラと共に夜会パーティーに来ており、エスイアとジュイナの様子を見て直ぐに何の為にいるかを察したのだ。


「アレク王子は何処に居るんだ? 」


「あちらにいるわ」


 ジュイナが顔を向けた方には人だかりが出来ており、殆どが貴族のご令嬢だったのだ。


 その中には、マーガレットもいたのだ。


「そろそろアレク王子が色々と、爆発しそうだな」


「そうだな。行こうか」


 ルーダが笑いながらそう言うと、四人はアレクシスの元へと向かったのだ。


 その時、会場の灯りが全て消えたかと思うと、すぐに灯りがついたのだ。


 会場は一瞬ざわめき立ったが、直ぐに灯りがついた事もあり、皆それ程、気にしていないようにまた雑談を始めた。


 アレクシスの人だかりも特段変わらなく、エスイアとジュイナは一瞬ひやりとし、アレクシスの元へと足早に向かったのだった。


「一体何だったんだ? 」


「ルーダ、何か嫌な予感がするわ」


 ルーダとカミラも足早にアレクシスの元へと足を向けたその時、天井に黒い魔法陣が展開され、そこから鋭い刃がアレクシスに向かって放たれたのだ。


 魔法陣の魔力に気付いた者達は、一瞬の出来事に動けずにいたのである。

 アレクシスはマーガレットに腕を引っ張られ、間一髪で鋭い刃から逃れられたのだ。


 だが、アレクシスが避けた足元には魔法陣が展開されており、アレクシスが踏むと同時に発動してしまったのである。

 黒いモヤが現れ、アレクシスの背中へと吸い込まれるように入っていったのだ。


 アレクシスは足から崩れるように倒れ、側にいたフランの声かけにも反応しない。

 徐々にアレクシスの首元には黒い紋様が現れ始めたのだ。


 会場の者達は驚き、叫び、全体が混乱に陥り、我先にと出口から外へ出ていく。


 エスイア達は騎士団に、会場から人を出すな、と言うが既に遅かったのだ。


 三分の二程の令嬢、子息は外へ出てしまっていたのである。


「ちっ、マーガレットはどこだ?! 」


「いないわ‼ 」


「この騒ぎに便乗して逃げたのね」


「フラン、王子を頼むぞ! 俺達はマーガレットを探す‼ 」


 ルーダの声に他の三人は動き出したのだった。

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