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113 前線

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「うむ。中々やるな。では、次の段階へ……と、いきたいところだが……」


 ペクト老師は言葉を濁らせ、老師の元へ届いた早便を見せながら、訓練はこれが終わってからだな、と言いエスイアに渡したのだ。


 手紙はこの国の第二王子アレクシスからだった。


 メンドラ国からのキメラの群れが国境付近に集まっている、直ぐに出向くように、とクリスティーヌ達三人に招集がかかったのだ。


「これが終わりましたら、またこちらに来ても宜しいですか? 」


「勿論だ。楽しみにまってるぞ」


 ペクト老師はエスイアの肩を叩き、クリスティーヌとジュイナに力強く頷き、三人を戦場へと送り出したのだ。



 ♢♢♢♢♢



 ここはメンドラ国の国境の近くにある、野営場。メンドラ国との決戦の為に、ニズカザン帝国の騎士や魔法師達が続々と集まっているのだ。


 アレクシスは今か今かと、クリスティーヌ達の到着を待っている。


「アレク王子。早便はペクト老師へと届いております故、落ち着いて待つのが宜しいかと……」


「わ、わかっている‼ 」


「クリス嬢と早く会いたいのでしょう? 」


「ち、違う‼ 違わないが違う‼ 」


「やれやれ……うちの王子様は天邪鬼ですね」


「くっ……。段々、キースに似てきたな」


 顔を真っ赤にし、動揺の為か意味不明な言葉と文句を垂れ流しにするアレクシス。フランは()()()()と笑みを浮かべながら物言いたげな表情をしアレクシスを見るのである。


「あ。あちらから、ざわめきが……」


「クリスか?! 」


 アレクシスは、はっ、とフランを見、咳払いをしながら誤魔化すが、フランには全てバレてしまっているのである。


 騒音と共に砂埃を纏いながら、クリスティーヌ達はアレクシスの前へと現れた。


「お待たせ致しました」


 クリスティーヌ達は声を揃え、アレクシスとフランに挨拶をする。

 そして、現状とこれからの作戦を聞き持ち場へと移るのである。


 クリスティーヌ達はアレクシスと護衛のフランと共に、デニス団長の指揮下に入る。


 アレクシス王子が前線で戦うのはどうなのか? 、と聞いたところ、本人の希望と護衛のフランが、言っても聞かないので、貴方三人にさっさと殲滅してもらおうとしている、と圧力がかかった発言をするのだ。


 勿論、クリスティーヌ達は手を抜く事はないが、フランが兄キースの言動に似てきており、先が怖くなっているのである。


「よし、お前達はこっちだ。準備をしろ。直ぐにこちらから出発する。俺達は前線組だ。他の仲間がサポートをしてくれる。敵は()()()()()()()の首謀者、メンドラ国の国王サドスの捕縛だ。メンドラ国では革命軍が市民を避難させている。行くぞ‼ 」


 デニスの声に皆、気合いを入れて返事をし、ニズカザン帝国の国境からメンドラ国へと進軍を始めたのだ。


 クリスティーヌはマイペースに、宝石竜(カークル)に乗るエスイアを見て、私も欲しい、と言い出し道中騒ぎだしたのだ。デニスに緊張感がなさ過ぎだ、と叱られたのは言うまでもない。


 カークルとは、額に宝石をつけた竜である。

 他国ではカーバンクルとも呼ばれる。

 大きい物はフェンリル程あるが、大体馬位の大きさなのだ。

 額の宝石の色によって強さが決まる。真紅の宝石が埋め込まれているカークルが一番強いのだ。


 亜種のカークルは、虹色宝石が埋め込まれており、真紅カークルより強いと言われているが、今までに虹色カークルを見た者がいない為、伝説となっている。


「前方700メル付近にてキメラを感知‼ 」


「ルギ‼ どれ位いるかわかるか?! 」


「5体ほどいるかと‼ 」


「わかった‼ クリス嬢組は魔法支援を‼ 魔法で抑えている間に倒すぞ‼ 」


 徐々にキメラとの距離は縮まる。

 100メル程になった時、クリスティーヌ達はキメラの足元に素早く魔法陣を展開させそのまま発動させる。


 キメラが麻痺にかかり、カタカタと小刻みに身体を痺れさせている。


「行くぞ‼ 」


 騎士団組が痺れて動けないキメラへと刃を向け、次々となぎ倒して行く。


 キメラを殲滅し前進を繰返す。


 クリスティーヌ達はあっという間に、メンドラ国の王都へと着いたのだ。


 王都に人影はなく、静まりかえっていた。


 そのまま前進すると、王宮が見え、謁見広場に到達すると、王宮からしゃがれた高笑いが聞こえてきたのだ。


「ハッハッハッ。貴様達はもう終わりだ‼ 」


 メンドラ国の国王サドスが叫び、四方からキメラが湧き出てきたのだ。


「これから、血祭りの宴だ‼ 」


 すると、地鳴りがし王宮が縦へと延び、変形し、塔のようになったのだ。塔は何層にも連なっており、空高くそびえ立ち、異様な空気をまとっている。


「儂を倒したければ、キメラを倒し最上階まで来るがよい‼ ハッハッハッ‼ ここまで()()()()()、の話しだがなっ! 」


 サドスは再び高笑いをし、白髪の混じった金髪を振り乱しながら叫んでいる。


「ちっ。先にこのキメラを殲滅だ‼ A隊は前方、B隊は後方、C隊は左、D隊は右だ‼ 魔法師は中央にて其々の隊の支援を頼む‼ 一気に畳込み、塔にいるサドスを叩き潰すぞ‼ 」


 デニスの声に前衛部隊は反応し、直ぐに陣形を取り、四方から出てきたキメラの討伐を始めたのであった。

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