第12節
アマリリスがいった。
「警官が持っていた地図だ。おそらくここらのものだと思うが。どうせ地図もなかったんだろう」
「さすがだアマリリス。元兵長の実力は衰えていないな」
瞬間、私はまずいと口をつぐんだ。
「……また、古い話を」
アマリリスはそれだけいって、再びコイの群れに襲いかかっていった。
怒りを買ってしまったと危惧したが、状況が状況ということもあり空気を読んだ彼に、私はひたすら謝罪の念を送った。
地図を開くと確かに宝陽川を中心に描かれたものだった。
川を表す水色の線を下に辿れば海が広がっている。
夜が明けるころには着いているだろう。
いつのまにか警官たちは私たちに追いついていた。
アマリリスだけでは対処できるはずもない。
虎太郎のスピードも落ちている。
「ここまでなのか……」
ラービーが頭を抱えた。
私は尻尾をピンと立てながら周囲に目をやり続けた。
「ラービー避けろ!」
刹那、ラービーの頭上を網が滑空した。
ラービーの片足が水につく。
さらに網の追撃がきた。
「ワニガメも一緒に捕獲しろ!」
そんな声も届いてくる。
網はラービーを捕えようと四方を動き回り、ラービーは甲羅という限られた足場で、見事にそれらをかわしきっている。
私からすれば、振り回される手足にぶつかって振り落とされそうになる為に、早く終われとしか思わなかった。
そしてラービーが左から向かってきた網をジャンプして回避したとき、ミスを犯した。




