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第6節
そして空乃が去っていったのとは反対方向に歩き出した。
私は陽太を追いかけた。
たどり着いた先で、一人の男子に詰め寄る陽太の姿を発見した。
おそらく彼が海次という子どもだ。
「お前が置いたんだろう!」
海次は最初理由が飲みこめていないようだったが、陽太の話を聞いて開き直ったように口を開いた。
「少しの間置かせてもらっただけだ。ロッカー近いんだし、別に本気で隠そうと思ったわけじゃないんだよ。だからすぐに見つけられるところに置いただけだ」
「でも朝きたときはなかった」
「それまで俺が持ってたんだ。それでめんどくさくなって、陽太のロッカーに置いた」
「お前のせいで!」
陽太が海次の胸を押した。
「なんだよ!」
海次も気に入らなくなって陽太にやり返す。
それを何度も繰り返す。
「香住は俺のせいだと思ってる!」
「別にいいじゃねーかそれくらい。お前だってからかってるだろ」
「それは――」
陽太の隙をついて海次が体当たりしてきた。
陽太が尻餅をつく。
「とにかく俺はもう知らねーよ」
陽太は拳を握りしめた。
「香住にもっと嫌われたらどうしてくれるんだ」
はっ、と陽太は口をつぐんだ。
「……何だ陽太、もしかして香住のこと」
陽太は唇を噛むと、咄嗟に走り出した。




