表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫のカフカ  作者: キャベツはどうした
カフカのこと
PR
1/90

第1節

 死んだ母親のいったことをよく覚えている。

 


「自分の姿を見るのはよしなさい」


 

 だが幼かった私は川面を覗いてそこに映る自分の姿を見たかった。



「自分が何者であるかを知らなければあなたは何者にもなれる。この世界の巨人にだって」


 

 それが人間だと気付いたとき、すでに母はいなかった。

 私は母が好きだった。


 

 だから言いつけは守った。

 数日後に母は車にはねられて死んだ。



 何日かして幼い私はネズミに会った。

 名は知らない。



「僕は君の仲間だ」

 


 私がそういうと、ネズミは無視した。



「僕はネズミだ」

「君は猫だよ」


 

 ネズミの彼が私を見上げた。

 


 彼の髭は数本ある中で一本だけがとても長く、おまけに先っぽがギザギザをつくるように折れていた。

 私はそれがどうにも気になった。



 さらに彼は小さな布きれの四隅を首元で結び、その中に何かをいれて背負っている。



「いいや僕はネズミだよ。チューッチューッッ」



 幼い私はなり切っていた。

 そんな私を見定めるようにネズミの彼は私を凝視しながら



「ほうっ、うまいうまい」

 


 と乾いた口調でいった。

 続けて彼は



「そこで見てみるといい。きっと腰を抜かすだろう。色々デカいじゃないかってね」



 と、目の前に流れる川を指差した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ