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ついにパーティー当日だ。

お母さんは私の姿を見て満足げな表情をしている。今日の私はずっとお母さんの着せ替え人形だったからね。そんな私の姿を見てお父さんも「カナタ似合ってるよ」といいながら微笑ましい表情で私を見ている。いやあ、あまり褒められると照れるものだな。


そんな私の今日の服装は女の子らしいその一言に尽きるだろう。

白いワンピース型のドレスには大きめの紐状のリボンが胸元についてある。コルセットもどきで腰は締め付けられているが、そのコルセットもどきがオシャレである。小学生にコルセット(もどきと一々いうのは面倒くさいので以下コルセットとする)ってねえ……と最初は思ったがまあドレスに似合ってるのでいいんじゃないだろうか。

そしてドレスの中に重ねてきている黒のインナー。

白いワンピースの紐とインナーの黒い紐が交差していてなんだか危うい色気が出ている!ような気がする!!


自分で言うのもなんだが、この世界での私の顔つきは整っているほうだと思う。

少なくとも前世とは比べ物にならない。

恥ずかしくない程度の顔の女の子が白いワンピース(一応ドレス)を着ているんだぞ、全国のロリコンからしたらご褒美じゃないかと言ってみる。

ヒールのある白いサンダルだ。くるくるとリボンが巻き付けられている。うん、私のこの表現力と語彙力のなさはどうにかならないのかね。


私の髪は真っ黒だ。なので白いワンピース型のドレスがよく映える。

今日は髪の毛もきちんとセットしてきた。

というよりはお母さんが専門の方を呼んでセットさせた。いやあお母さんのやる気が怖いね。

普段の私の髪型と言えば少しクセッ毛なロングを一本に縛ったり、三つ編みをしたりに胸あたりまでくる程度には長いもみあげなのだが今日はクセッ毛を一度ストパーをかけてのばしきった後かるーく巻いてもらったのだ。

そして白いカチューシャ。普通に女の子である。


少しウキウキしていたらお父さんが既に車を用意させていた。学院主催だが別に学院でパーティーをするわけではない。学院の所有物とされているホテルでのパーティーだ。お母さんも同伴する。にしても家族同伴で友達なしっていうのは少し寂しいね。今気づいたよ。黙って車にのっていればあっという間にホテルについた。


「じゃあカナタ行こうか」


お父さんがキリッとした面構えで言う。こういう時のお父さんは普通にかっこいいと思う。お母さんが結婚したのも肯けるよなあ。まあお父さんの熱烈なアプローチの賜物らしいけどね~。


パーティーにはきっと学院の初等科から高等科、そして保護者の人などたくさんの人がきてるだろう。なんたって大規模だからね。


アヤノちゃんもいるといいなあ、私はそんなことを考えながら会場に入った。


ホテル内は煌びやかだった。そりゃあもう学院に負けず劣らずの内装だ。シャンデリアというのだろうか、中心には大きく存在を主張する光り輝くシャンデリア。そしてその周りを取り囲むべく淡い光を放つ何か。うん、眩しいね!


一応早めにきたつもりだったのだけれど、会場には既に人がたくさんあつまっていた。


高等科のお姉さま方はふわふわとしたドレスを着ていたり、スタイリッシュなスラッとした体のラインがくっきりとしたドレスを着ている方などいろいろな服装をしている方がいた。

まるで別世界だ。


そして時間になり、パーティーが始まる。それぞれが飲み物を手に取り談笑したりしている。同学年の女の子や男の子も案外いたのでどんどん楽しくなってきた。今まで出席したパーティーはあまり同じ年の子が出席するものではなかったし基本お母さんとお父さんに無理矢理連れていかれていたようなものだったからね。

それにおじさまがたの絡みの相手が面倒くさいったらありゃしない。


しかしだな、きたはいい。楽しいのもいい。この雰囲気は大好きだ。


だが、やることがなにもない。


ひたすら飲んで食べろというのか!この煌びやかなパーティーにきてまで!こんな服装してまで!!なんて酷なお話!!しかし残念ながらそうする他することがない!!


そう思いきょろきょろとあたりを見回す。なんか話しかけやすそうな女の子とかいないかな~。


そうしているうちに私は見覚えのある後姿を見つけた。

ツインテールではないものの、あの金髪をカッチカチに巻いている人物など一人しか私は知らない!

駆け足になってしまうそうだったがお父さんの前だ、はしたないと叱られたくないのであくまでも平然を装い上品に歩いて近づく。うわあああ嬉しいいい!!



「アヤノちゃん」


声をかけるとアヤノちゃんは肩をびくつかせた。

まさか私がいるとは思っていなかったらしく振り向いた瞬間「カッカナタさん!?」と驚いた様子だった。


いやあアヤノちゃんがいてくれて頼もしい限りだね!


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