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ついこないだ、テストが行われた。夏休み前の、所謂期末テストだとか。


そして今日、学院に入ってすぐの掲示板に大きくテストの結果が貼りだされていた。

初等科からテストの順位が貼り付けられるなんて末恐ろしいな。私の考える小学生象っていうのは勉強しなくても100点は余裕だしテストなんて普通の授業時間が潰れるラッキーなもの程度にしか思ってないとかそういうイメージだぞ。現に私がそうだったからな。

それに、私は元OLの立派な社会人だ。だからこそ難なくこなせたものの小学一年生のレベルにしては普通に難しかった。



さて、そんなテストの結果だが、聞いて驚け。


なんと一位である。


いや、そりゃそうだ。だって元社会人だぞ。いくら難しいといえ小学生の、しかも一年生の問題がとけなくてどうする。オール満点余裕だ。

しかし、一位は何も私だけではない。

まあ、それもそうかと納得してしまうような名前がそこにはかかれていた。


赤羽 八尋。


同じ順位ということは同じ点数。つまり赤羽会長もオール満点。私は精神年齢が成人済みなのだから当たり前だとして赤羽会長はただの小学生だ。普通にすごいし寧ろ私ってなんてせこいことしてるんだろうと少し後ろめたくなった。


後は二位がおらず、3位は青角くん。4位が黄牙くんと見覚えのある名前がたくさんだ。そして何よりも驚いたのが5位に宮埜瑠奈、と瑠奈ちゃんの名前がかかれていたことである。瑠奈ちゃん頭良かったんだ…!!我ながら失礼である。



「カナタさん、頭良かったんですわね……」


意外そうにアヤノちゃんが言う。こらこら失礼だぞその信じられないというかのような目。


「まぐれだよ」

「まぐれで一位になれたらたまったもんじゃありませんわ」


正論だった。アヤノちゃんに意外すぎると散々言われてがりごりとライフが削られていたところ「キャアッ……」と所々から黄色い悲鳴が飛び交った。この反応はもしや。


「赤羽様と青角様……!」


ビンゴである。


赤羽会長と青角くんは順位がはりだされている掲示板をじっとみつめた。赤羽会長は驚いたように一瞬目を見開いた。


「芦屋って……あの芦屋……?」


嘘だろというようにボソっと呟いたのを私は聞き逃さなかった。あの芦屋ってなんだよ赤羽会長このやろう!!!

女の子たちは二人がきたのに夢中でどうやら聞いてなかったみたいだ。失礼極まりないことを赤羽会長が呟いているというのに。何なんだ、恋は盲目ってか?ケッ。


「わたくしももっと頑張らなければですわ」


決意したようにぎゅっとアヤノちゃんが手に力をいれていた。

頑張らなきゃといってるアヤノちゃんは12位だ。うーん、そこまで悪くないと思うんだけどな。まあ一位の私が言ったとしてもそれはどうあがいても嫌味にしか聞こえないので何も言わないけどね。


テストの結果も悪くなかったし、案外順調だ。


後は夏休みにむけて計画をたてるだけである。

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