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-自分-

「あいつ、昔人殺したみたいだぜ…」


こんな噂が、学校に広がる。


学校のヤクザ組には絡まれる。

クラスからは、怖い目で見られる。

先生には、容赦なく叩かれる。


こんな生活を続け6年。


僕は、6年前に。



人を殺した。

カッとなったんじゃなく、


面白い遊びだときいて興味本位でやったんだ。


その、行動が自分の人生を奪った


その時は、事の重大差を分からなかった。

ただ、母が必死に頭を下げ続けるすがたを見つめる事しか出来なかった。


5年生のクラス変えでやっと分かった。



自分は“人”として見られてない。


“犯罪者”として見られいると気付いた。


僕は、必死に人に話掛けて見た。


だが無理だった。


クラスは無視しかしない。


そして、陰口を話す。


「犯罪者死ね」



自分は、死ぬ事に決めた。


誰か止めるだろう。


授業中に叫んだ。


「犯罪者は死にます」



「言ったからには死になさい。」


先生が言った。


「そう、あなたは生きる価値がない。死になさい。」



その日の放課後、


涙を流しながら、


震える片手を押さえ、


首を切ってみた。



その時の事は鮮明に覚えている。


少し気持ちよかった。


血飛沫が上がり自分の机から2番目の机まで血が飛び散った。



「くっそめんどくさいな」

「けど先生死んだのならいいんじゃないんですか?」

「違う。こいつは、死ぬんじゃなくて消えて欲しいんだよ。」

「刻んで、焼いて捨てますか?」

「そうだな。」


グチャグチャと音を立て、回りに血の音が聞こえた。


最初は怖かった。

最初は。


粉々にされても自分の心だけは生きていた。


飛び散る肉片。


引きずりだされた内臓。


地面一面に染まる赤い血


だが自分の目線は、天井から見たような視線。


「止めて…止めてよ……」


こう呟くと、いつも自分の部屋に戻る。


自分の体は元に戻る。


これが最初だった。



今、高校1年生になって殺された回数は、423回。


僕の目玉がえぐられてる所や、

肉片を口に詰められて入れられてる所や、

プレス機にかけられ酷い音と共にただの肉片になってる所の僕をずっと見てきた。


「止めて」

と言う言葉で自分の部屋に戻る。

それの繰り返し。

後日、僕を殺した犯人に会うと

気が狂ってみんな自分を引き裂いて死ぬ。


なんで、こんなに命が狙われているのか?


宗教を批判した自分は、宗教団体に狙われているようだ。


6年前殺した、その子供は宗教の最高峰の子だった。



そして今、僕は窒息死させられているようだ。


相変わらず痛みも感じず


天井から見た感じだった。


水に沈んだ僕が口からゲロを吐いて、白目になりに肉体だけ死んでいった。


けど。


「止めて」


と呟けば元通り。



僕は、何でも生きているんだろう。


僕はなんで、生まれたんだろう。



僕はなんで、死ねないんだろう。




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