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13:快楽超特急

一応、Rー15に。

そろそろお時間ですよ、と言われるまで蔵書室にある本を読みまくったフレイアは、暇つぶしにもなったし、この国の成り立ちとかも少しだけわかった事に満足して、司書にお礼を言って、ポチを伴い部屋に戻った。

部屋に戻ると、ヴィクトリアがお茶を用意して待っていた。それに微笑みかけ、ありがたくお茶を一口飲むと、ヴィクトリアを手招きして自分の隣へと座らせた。



「ねぇ、ヴィクトリア。あたし少し疲れちゃった。膝貸して?」


「はい!どうぞ!!」



ヴィクトリアはうっとりとフレイアを見て了承の返事を返すと、ありがとうと感謝の印に頬に軽くキスをされた。

心の中では悲鳴をあげ、はしゃぎまくっているが、動くとフレイアの邪魔になると思い顔を真っ赤にさせつつも、フレイアが頭を起きやすいようにスカートを直すと、そのままフレイアが頭を膝に置いて、その左右の色の違う瞳を閉じた。



――なんて綺麗なお肌かしら。キメが細かくて、透き通っていて、シミ一つない完璧さ…睫もこんなに長くていらっしゃる――



ヴィクトリアがうっとりと観察していると、フレイアが目を開けた。

心なしか熱を帯びている、その瞳にぞくりとしつつ、ヴィクトリアはフレイアに静かに声をかけた。



「フレイア様、如何しました?」


「…ヴィクトリア…イイコトしましょうか。」



膝の上に仰向けになったフレイアに、下から見上げられたヴィクトリアに太刀打ちする術はなく、伸びてきた両手に優しく頬を包まれて、下に引っ張られた。あと少しでお互いの唇が触れ合う、まさにその瞬間、バターン!!!!と大きな音を立てて、入り口が開いた。



「なななななな何をなさっているのですか!!!!!!」


「…イジー。ノックくらいしなさいな、レディたるもの、礼儀っていうもの位弁えなさいよね。」



フレイアはむっつりと起き上がり、イザベルが仁王立ちしているドアへと歩く。ソファーに座っていたヴィクトリアは、少し余韻に浸ったものの、結局は二度もお預けを食らわせたイザベルを、ウザイとばかりに睨みつけた。

その侍女らしからぬ視線に一瞬怯んだものの、きっと目の前にいるフレイアに人差し指を突き付けた。



「貴女に礼儀とか言われたくありませんわっ!…じ…侍女に…てっ…手をおおお出しになるなんて…っ!恥を知りなさい!!」



決まった!!


イザベルが真っ赤になり、どもりつつもそうキメた瞬間、フレイアが思いもよらない行動に出た。


目の前に突きつけられていた人差し指を、パクリと口に含んだのである。


フレイアは175cmの女性としては高い身長の持ち主だが、イザベルはそれより10cm以上低い身長で、155cm程度しかない。その為、イザベルはフレイアを見上げねばならないのだが、突き付けた指は丁度フレイアの口元に近かった。



フレイアの口に指が含まれた瞬間、頭の中が真っ白になったイザベルは、次いで真っ赤になって指を引き抜こうとしたのだが、フレイアが彼女の腰を引き寄せて密着する形になってしまい、ますます指が引き抜けない。

そんな状況を明らかに楽しんでいる様子のフレイアは、わざと音を立ててイザベルの指をなぶる。


「…やっ……」


「イジー、あたしを見て?」



そう囁いたフレイアの左右違う瞳に見つめられながら指をなぶられるイザベルは、柔らかいフレイアの舌を感じながら、どんどん身体が熱くなっていく自分に戸惑いつつも、湧き上がってくる疼きに目を潤ませた。


そして、遂に腰が抜けたイザベルが床に落ちる寸前に、フレイアが腰を掴んでそれを防いだ。



「ねえ、イジー。あたしとイイコトしましょうか?」



耳元でそう呟かれ、耳を軽く噛まれたイザベルには、頷く意外になす術が無かった。

頷いたイザベルを見て、満足そうに笑ったフレイアは、徐にイザベルが着ている服のボタンを外そうとしていると―――





「まてまてまてーい!!!!!!!!!!!」




突如乱入してきたジローリアスによって、イザベルはフレイアから引っ剥がされ、その後イザベル付きの侍女に連れられてフレイアの部屋を出て行った。

名残惜しそうに部屋を出る間際、チラッとフレイアを見ると、青い方の目を瞑り投げキスまでされたイザベルは、更に顔を赤くさせて俯いて退出した。





「で、次郎さんはなんでここに?」


「貴女付きの護衛が走って私に報告してきたんですよ。凄い形相でね。全く…貴女は一体何をしているんですか!!」


「何って…女の子ハーレム?」


「…女の子ハー…いえ、何でもございません。聞くのは止めておきます。嫌な予感がするので。」



頭を抱えたジローリアスを見ながら、二回も邪魔されてしまったモヤモヤをどうしたものかと考えながら、隣に座ったヴィクトリアの身体を撫で回していると、またジローリアスに非難がましい目で睨まれた。



「貴女は…その性癖を何とか出来ないんですか!!」


「出来ないわね。」



きっぱりと言い切ったフレイアに、クラッと目眩がしたジローリアスは、深い深いため息を付いた。



「次郎さんって女の子好きよね?」


「は?」


「ただの質問よ、他意はないわ。次郎さん、女の子好き?」


「…嫌いな男はいないでしょう…」


「でっしょー!?女の子って、身体柔らかいし、ふわふわしてるし、いい匂いするし、可愛いしー!それを男だけが独占するなんて、冗談じゃないわって思わない?だってね、次郎さん。次郎さんが鬼畜だって言われても別に驚かないけど、そこには必ずしも嫌な快楽って言うものはないでしょ?キモチイイからしてるんでしょ?だったら、あたしが怒られるのって筋違いだと思うの。男の快楽と女の快楽は違うって言うけど、やっぱり女の子の身体はいいと思わない?特に感度のいい子だったら最っ高!どこ攻めてもいい声で鳴いてくれるじゃない?もー、あれ聞くだけで、いっぱい興奮しちゃうわよね!?あ、あたしはバイセクシャルだから、別に男もいけるのよ?だけどねー、男の喘いでる声聞くとねー…」




と、延々快楽の話を聞かされたジローリアスがフレイアからようやく解放されたのは、それから二時間後の事だった。





「…………ただいま戻りました………」


「ど…どうした…。影が薄くなっているぞ…」


「…いや…何でも…。すみません、陛下、男って何でしょう…」


「は?」


「私はフレイア様と話していて、自分の男としての存在意義がわからなくなりました。」


「じ…ジローリアス…?」


「はー……」




その後、しばらく続いたジローリアスのため息の為に、タロヒュージの仕事が(はかど)らなかったのは言うまでもない。

…ムーンライトの方がいいのか?とか思い始めてきました。フレイア。

私の思惑をどんどん外れていく、素敵なキャラクターに…(笑)

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