私からあなたへ
通りを走る車の音で目が覚めた。目を開けると、太陽の光が眩しくて、目が慣れるまで少し時間がかかった。頭が少し痛み、うつ伏せで地面に倒れていた。
「私はまだ生きている 」
なぜか分からないが、頭に浮かんだことを思わず口にした。
地面から起き上がり、辺りを見回した。薬局の外、人通りのない道路の真ん中にいた。車は走っていたが。
「眠ってしまったみたい。どうして眠ってしまったんだろう?」
何も思い出せない。自分の名前さえ思い出せない。
「どうしてまだここにいるんだろう?」
服を確認した。黒いズボンに白いシャツを着ていた。ポケットには鍵が数本と空のライターしか入っていない。
薬局に歩み寄り、入ろうとしたが、閉まっていて、「求人募集」の張り紙がかかっていた。
「冗談だろう?誰もいないのか?」持っていた鍵を確認した。そこには「ファルコン9235」という通りの名前が書いてあった。見覚えがある。
私は本能的に通りを歩き始めた。道標と、その通りの場所を尋ねたホームレスの人たちの指示だけを頼りに。
「よかった、ここからそんなに遠くなかった。」
たどり着くと、大きなオフィスビルの前に一人きりだった。私と同じような服を着た人たちが大勢中に入っていく。私も後をついて行った。
「こんにちは?どなたか助けてください。」
受付に行くまで、誰も私に気づいていないようだった。受付の女性は私を見て驚いた。
「あら、仕事を辞めたのかと思いました。」
「ここで働いてるんですか?」
「もちろん働いてるわよ、バカ。また報告書を書き始めたらどう?」
「すみません、何のことだか分かりません。私は誰ですか?」
「冗談でしょう?」
少女はとても真剣な表情で、怒りさえ感じさせた。
「いいえ、目が覚めたら何も覚えていないんです。本当に。私の名前を教えていただけますか? なぜ私がこの鍵を持っているかご存知ですか?」
鍵とキーホルダーを見せると、少女は大きくため息をついた。
「イムラさん、何を考えているのか分かりませんが、もし本当ならクビにせざるを得ません。こんな状況では働けません。」
「イムラ! それが私の名前ですよね? もっと教えてください。」
受付係が警備員を呼び、私は建物から追い出された。
再びあてもなく街をさまよい始めた時、全身赤い服を着た男が後ろから近づいてきて、私の肩に触れた。
「イムラ、鍵を返せ。」
私は興奮して振り返った。
「私のことを知っているんですね!」
「え?もちろん知ってるよ。だって、君は僕の義理の兄なんだから。」
赤い服を着た男は数秒間沈黙した後、再び口を開いた。彼は自分の言葉を後悔しているようだった。
「いや、元義理の兄だ。」




