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世界崩壊後、日常生活スキルで俺が最強拠点を作ってしまった件  作者: ナマケモノ


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15/167

中継地点

第15話です。よろしくお願いします。



朝の光が、静かにリビングへと差し込んでいた。


 カーテンの隙間から漏れる柔らかな日差しは、どこか穏やかで――この世界が崩壊していることを、一瞬だけ忘れさせるほどだった。


 だが、その空気に反して、部屋の中には確かな緊張があった。

 テーブルの上には、一枚の地図。

 そこに集まる四人と一人の視線。

 黒瀬悠真は、その地図の一点に指を置いた。

「……ここに行く」

 静かな声。

 だが、その一言で空気が引き締まる。

 指し示されたのは、隣の市にある“総合病院”。

「ここを、中継地点にする」

 その言葉に、黒川未来の瞳がわずかに揺れた。

「病院……」

 小さく漏れた声には、期待と恐れが混じっている。

 未来にとって“助ける場所”は、ただの建物ではない。

 そこは、まだ生きているかもしれない誰かへと繋がる“可能性”そのものだった。

「……理由を聞いてもいいですか?」

 瀬川陸斗が、いつもの落ち着いた口調で問いかける。

 焦りも不安も表には出さない。

 ただ、状況を正確に理解しようとする視線。


「今の拠点は“生活”には困らない。でも――戦いには弱い」


 悠真は視線を地図から外さずに続ける。

「怪我をした時、長期戦になった時、人数が増えた時……今のままだと限界が来る」

 そこで一度言葉を切り、未来の方を見る。

「病院なら、その全部に対応できる」

 未来は少しだけ息を飲んだあと、小さく頷いた。

「……うん」

 その声は、確かに震えていた。

 だが、それ以上に強かった。

「じゃあ決まりだね!」

 美咲が明るく言う。

「助けに行くための準備だもんね!」

 その無邪気な言葉に、場の空気が少しだけ和らぐ。

「はい、坊ちゃま。出発の準備は既に整っております」

 チャン爺が深く頭を下げる。


 悠真は全員を見渡し――


「……全員で行く」

 そう告げた。

「全員、ですか?」

 陸斗が確認するように聞く。

「ああ。今回は距離がある。分断はリスクになる」

「確かに……その判断が妥当ですね」

 静かに頷く陸斗。

「でも車どうするの? 軽じゃ無理だよ?」

 美咲の言葉に、悠真はわずかに口角を上げる。

「……だから使う」

 視界にスキル画面を展開する。


《ネットショッピング Lv5》

検索。

“8人乗り ミニバン”


 表示された複数の候補から一台を選択する。


 指先で“購入”を押した瞬間――


 外の空気が歪んだ。

 庭の空間がゆっくりと揺らぎ、光が集束する。


 そして、そこに現れたのは――


 重厚な黒のミニバン。

 まるで最初からそこにあったかのように、静かに存在している。

「……すごい」

 未来が思わず呟く。

 現実感がない。

 “買ったら届く”というレベルではない。

 これは――“創造”に近い。

「本当に便利ですね……」

 陸斗も素直に感心していた。

「めっちゃかっこいいじゃん!」

 美咲はテンションが上がっている。

「流石でございます、坊ちゃま」

 チャン爺は誇らしげだ。

「……乗るぞ」


 ◇


 エンジン音。

 ゆっくりと車が動き出す。

 窓の外に広がるのは、崩壊した街。

 倒壊した建物。

 ひび割れた道路。

 人の気配は、ない。

 その静けさが、逆に恐ろしい。

 未来は窓の外を見つめていた。

(……みんな、無事でいて)

 心の中で、何度も繰り返す。

 園長の顔。

 子供たちの笑顔。


 それが今どうなっているのか――考えるだけで、胸が締め付けられた。


「……未来さん」

 隣から、静かな声。

 陸斗だった。

「大丈夫ですか?」

「……うん、大丈夫」

 本当は大丈夫じゃない。

 でも、弱音を吐くわけにはいかない。

 そんな未来の気持ちを、陸斗は察していた。

「必ず助けに行きましょう」

 その言葉は、優しくも力強かった。

「……うん」

「現状の戦力、整理しておきましょう」

 陸斗が提案する。

「……そうだな」

 悠真は頷き、ステータスを開く。

 光の画面が浮かび上がる。


【ステータス】

名前:黒瀬悠真

年齢:22

種族:超人族

Lv:5

《日常生活 Lv5》

■テリトリー登録数:3

■テリトリー置換:解放済

→登録済み拠点を隣接配置可能

【内訳スキル】

■テリトリー修復 Lv5

・登録済みテリトリーを自動修復する

・同時登録数:3

・修復時間:5秒

・内装変更:完全解放

・外装変更:完全解放

・材質変更:完全解放

・自動修復ON/OFF切替可能

・複数同時建物修復可能:3

■環境維持 Lv5

・温度調整

・有害物質の遮断

・インフラ維持

・生活者補正:解放

詳細項目

・室温最適化 Lv5

・菌・ウイルス遮断 Lv5

・電気維持 Lv5

・水道維持 Lv5

・ガス維持 Lv5

・中度ダメージ自動回復補助(テリトリー内)

・空気清浄(異臭・有害ガス完全除去)

・軽微身体能力アップ(住民登録者のみ)

■商品生成 Lv5

・テリトリー内の物品を複製可能

・生成速度:超高速

・指定商品の自動生成可能

▼ネットショッピング Lv5

・1日使用回数:5回

・取得した商品は以降《商品生成》で複製可能

■召使い Lv3

・執事「チャン爺」を1名召喚

・家事・補助・助言が可能

・戦闘能力:3倍

■住民登録 Lv2

・最大8名まで登録可能

・登録者は一部スキル使用可能

・スキルポイント共有(半分付与)

【サブスキル】

■警備 Lv4

・警備隊召喚人数:5人

・活動時間:8分

・発動条件:テリトリー周囲50メートル以内に自由に召喚可能

・派遣人数:1人

・監視システム:解放

・会話機能未開放


【ステータス】

名前:瀬川陸斗

年齢:14

種族:超人族

Lv:6

《手遊び Lv6》

・準備 Lv6

・バリア Lv6

・光線 Lv6

 さらに詳細。

【準備 Lv6】

・攻撃の溜めを行う

・溜め効率上昇

・1秒ごとの威力倍率:3.5倍

・最大蓄積:200秒相当

・最大到達時間:約10秒

・発動中はバリアのみ使用可能

・発動中は光線を使用不可

【バリア Lv6】

・自分または対象を状態異常攻撃以外から完全防御

・持続時間:2分

・クールタイム:5秒

・発動中は準備のみ使用可能

・発動中は光線を使用不可

【光線 Lv6】

・対象へ強力な光線を放つ

・威力、持続時間は準備量に依存

・光線数:6本

・分散、集中が可能

・追撃性能解放

・発動中はバリア、準備を使用不可


【ステータス】

名前:黒川未来

年齢:17

種族:超人族

Lv:4

《動植物愛護 Lv4》

・操作 Lv4

・共有 Lv4

・強化 Lv4

詳細

【操作 Lv4】

・周囲300メートル圏内の動植物を1つ登録し、自分の手足のように操作できる

・操作可能対象:身長+50cmまで操作可能

・同時操作可能数:5体

・動植物図鑑解放

【共有 Lv4】

・登録した動植物と視覚、感覚を共有できる

・動植物を通して言葉を話すことも可能

・動植物に好かれやすくなる

・視覚、感覚の同時共有が可能

【強化 Lv4】

・登録した動植物の身体能力を強化できる

・身体能力1.8倍

・植物の材質変更解放


 その内容を一つ一つ確認していく。

 強くなっている。

 確実に。


 だが――


「……まだ足りない」

 悠真は小さく呟いた。

「余裕があるわけではありませんからね」

 陸斗も同意する。

「でも……前よりは、戦える」

 未来が言う。

 その言葉に、悠真は一度だけ頷いた。


 ◇


 ――その瞬間だった。


「……止めてください」

 未来の声が、これまでとは明らかに違う緊張を帯びていた。

 悠真は一瞬でそれを理解する。

 ブレーキ。

 タイヤがアスファルトを擦る音が、静寂の中に鋭く響いた。

 車内の空気が、一気に張り詰める。

「……どうした?」

 悠真が低く問う。

 未来は窓の外ではなく――足元を見ていた。

「……影が、おかしい」

 その言葉に、全員の視線が下に落ちる。

 車体の影。

 本来なら太陽の位置に従って、一定方向に伸びるはずのそれが――

 微かに揺れていた。

 風もない。

 物理的な理由は、何もない。

 それでも、確かに“動いている”。

「……何かいるかも」

 未来の声が、わずかに震える。

 だが、それは恐怖だけではない。

 “察知した”確信の震えだった。


 ズルリ――


 影の一部が、ゆっくりと持ち上がる。

 いや、“剥がれる”という表現の方が正しい。

 地面から、影が立ち上がる。

 それは、四足の獣の形を取っていた。

 黒い狼。

 だが、その輪郭は曖昧で、常に揺らいでいる。

 実体があるのか、それとも影そのものなのか。

 目だけが、異様に赤く光っていた。

「……これは」

 陸斗が静かに呟く。

「これまでの個体とは、明らかに異質です」

 その声は冷静だが、警戒は最大限に引き上げられている。

「Cランクだな」

 悠真が断言する。

 その一言で、全員の理解が一致した。


 ――“一歩上の領域”。


 これまでの延長ではない。

 確実に、危険度が跳ね上がっている存在。

 シャドウウルフは、じっとこちらを見ている。

 いや、“測っている”。

 どこが弱いか。

 どこを狙うべきか。

 その知性すら感じさせる視線だった。

「来ます!」

 未来の声と同時だった。


 シャドウウルフの姿が――消える。


「消えた!?」

 美咲の声。

 次の瞬間。

 ドンッ!!

 車体の横に、強烈な衝撃。

 ミニバンがわずかに揺れる。

「っ……!」

 未来がシートを掴む。

 だが、その瞬間にはもう次の動きに入っていた。

「バリア展開します!」

 陸斗が即座に両手を前に出す。

 淡い光が広がり、車体全体を包み込む。

 衝撃が、外で弾かれる音へと変わる。

 ガンッ、ガンッ、と何度も叩きつけられる音。

「速い……!」

 未来が息を呑む。

 見えない。

 どこにいるのか分からない。


 だが確実に――近くにいる。


「チャン爺」

 悠真の声。

「はい」

 その返答は、いつも通り落ち着いていた。

 まるで、何も変わらない日常の延長のように。

 ドアを開ける。

 外に出る。

 その動きには一切の迷いがない。

 チャン爺は、ゆっくりと杖を地面に突いた。


 ――カチリ。


 乾いた音。

 杖の一部がスライドし、中から細身の刀身が現れる。

 光を受けて、鋭く輝く。

「……参ります」

 その声は穏やかだった。

 だが、その瞬間。

 空気が変わる。

 張り詰めるどころではない。

 “切り裂かれる前の静寂”。


 ◇


「未来、位置は?」

「右後方……でも、動きが速い……!」

「なら、止めろ」

「うん!」

 未来の意識が飛ぶ。

 視界が切り替わる。

 犬の視界。

 地面を蹴る。

 影を追う。


 ――見えた。


「そこ!」

 犬が飛びつく。

 牙が影に食い込む。

 完全には捉えられない。

 だが、一瞬だけ“動きが止まる”。

「今です」

 チャン爺が踏み込む。

 速い。

 老体とは思えない加速。

 最小動作。

 無駄が一切ない。


 ――斬る。


 影が裂ける。

「グルァアアアッ!!」

 初めて、苦痛の声が響いた。

「陸斗!」

「準備完了してます!」

 既にチャージは終わっていた。

 最大蓄積。

 光が収束する。


「――光線」


 六本。

 同時に放たれる。

 だが、それはただの直線ではない。

 空中で曲がる。

 分かれる。


 そして――


 逃げる影を追う。

「追尾、開始!」

 陸斗の目が鋭くなる。

 シャドウウルフが再び影に潜ろうとする。


 だが――


 遅い。

 光が捉える。

 貫く。

 爆ぜる。

 影が、霧散する。

 音が消えた。

 完全な静寂。

 風の音すらない。

 ただ、焼けたアスファルトの匂いだけが残る。

「……撃破、確認しました」

 陸斗が静かに告げる。

 その声には、確かな安堵が混じっていた。

 未来はその場にへたり込みそうになるのを、なんとか堪える。

「……怖かった」

 ぽつりと漏れる本音。

 自分でも気づかないうちに、手が震えていた。

「でも……」

 顔を上げる。

「戦えた」

 その言葉に、悠真は小さく頷いた。

「……ああ」

 そして、周囲を見渡す。

「だが、油断はできない」

「はい。明らかにこれまでとは別の脅威です」

 チャン爺も同意する。

 全員が理解していた。


 ――ここから先は、“安全圏ではない”。


 ◇


 再び車が動き出す。

 しばらく走ると、それは見えてきた。

 巨大な建物。


 だが――


 外壁は崩れ、窓は割れ、看板は半分落ちている。

 “総合病院”の文字が、かろうじて読める状態だった。

「……ここだな」

 悠真が呟く。

 未来はじっとその建物を見つめる。

 胸が締め付けられる。


 もしここに人がいたなら――


 どんな状態だったのか。

「……人の気配はありません」

 未来が慎重に確認する。

 ヤモリ、鳥、周囲の感覚。

 どれも反応はない。

「よし……入るぞ」

 病院の中は、想像以上に酷かった。

 倒れたベッド。

 割れた機材。

 乾いた血の跡。

 腐敗臭の名残。

 医療の場とは思えない光景。

「……ひどい」

 美咲が顔をしかめる。

 未来は言葉を失っていた。


 だが――


「……変える」

 悠真が一歩前に出る。

 画面を開く。


《テリトリー登録》

対象:〇〇総合病院

登録しますか?

【はい/いいえ】


 「はい」を押す。

 その瞬間。

 光が、走る。

 床のひびが消える。

 壁が再生する。

 割れたガラスが戻る。

 電気が灯る。

 機械が起動する。

 空気が変わる。

 清浄な空間へ。

 医療設備が整い、ベッドが並び、廊下が輝く。

 まるで時間が巻き戻されたかのように。

「……すごい」

 未来の声が震える。

 その目には、涙が浮かんでいた。

「ここなら……」

 言葉が詰まる。

 それでも、続ける。

「……助けられる」


 ――ピコン。

 ――ピコン。

 ――ピコン。


 突然、無機質な音が鳴り響いた。

「!?」

「警報……!?」

 空気が一変する。

 さっきまでの静けさが、嘘のように崩れる。

「侵入者……いや、違う」

 悠真が眉をひそめる。

「これは……」

 “内部”からの反応。

 コツ、コツ、と足音が響く。

 長い廊下の奥。

 影が揺れる。

 そして、現れた。

 白衣の男。

 無精ひげ。

 少し乱れた髪。

 だが、その目だけは鋭く、はっきりとこちらを捉えている。


 男は周囲を見渡し――


 修復された病院を見て、目を細めた。

「……は?」

 状況が理解できていない。

 いや、理解が追いつかない。

 そして、ゆっくりと口を開く。

「おいおい……」

 乾いた笑い。

「これは一体どうなってんだ?」


 その一言で――


 再び、空気が張り詰めた。

因みにこの話はいつもよりもかなり時間を要しました。

後、ステータス更新大変ですね……。



読んで頂きありがとうございます!!


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― 新着の感想 ―
文書が稚拙、AI使ってるから全然滑らかじゃない もっとまとまりのある文を書いたら引き込まれる作品になると思う。
シャドウウルフ強すぎて物語の整合性が破綻している 影渡りがあるならバリケードが意味をなさないので、 「立てこもっている弱者の救出」が成立しない
未来の犬は固定なの?それとも野良をその都度使役してるの? 仮に戦闘の度に野良を使役してるなら毎回犬が近くに居るとは限らないから同じ犬だと思うけどそれならそういう描写は欲しいかも。
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