静けさの始まり
前作「静かなる世界」の続編。
世界は滅んでいなかった。
巨大宇宙ステーションで人類は生き残る。
ここから、「静かな」物語が始まる。
幾度かの戦争ののち
世界は静けさに包まれた
海は汚染され、厚い雲は太陽を遮る
氷が、地表の全てを覆い尽くす
−−遥か上空−−
巨大な宇宙ステーション
限られた人々が
地球の再生を待っている
宇宙に人間が住む時代が訪れた
ここでも人間は変わらない
争いで、勝者と敗者が決められた
敗者たちは、地球へと追放される
生きるわずかな品とともに
−−氷の地表−−
追放された者たち
厳しい環境の中で助け合う
生命を守る為に地下へと街をつくり
生き延びる
地下のマグマと科学により
繁栄を得た
追放されし反省から、争いを止めた
平和な人間の世界が誕生する
−−太陽の異常−−
予測不可能な
凄まじい太陽フレアが発生する
地球に襲いかかる
宇宙の人間たちにも
地下の人間たちも気付いた
数百年ぶりに地上へと上がる
宇宙ステーションは爆発し
炎と煙をあげながら地表へ落ちていく
そして
空を紅く染める、巨大なきのこ雲
見守る地下の人間たち
地表には
巨大なクレーターが残された
−−人間という存在−−
死の灰が振り積もる
宇宙と地上の終わりを見届けて
再び地下に戻る人間たち
やがて地表は再生しよう
しかし、人間の居場所はここにはない
人間は、地上への通路を壊し
二度と地表へと現れることはなかった
人間などいないほうがいい
廃墟と、汚染された世界が広がっている
静けさに満ちている、これからも