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どこに行ったの?

 ぼくに、ワンタンという名前がついた。


 あさぐろい肌で、髪がくるくる巻いた茶髪の少年、ギューイがぼくをたすけてくれたのだとわかったけれど、安心したら急におなかがへってきた。


 ぎゅー。


 なさけない音でおなかが鳴るけど、しかたないよね。


 ギューイはできるだけちいさな声で、ここで待っていてね、と言うと、どこかへと走って行ってしまった。

 

 視界はあっという間に夜の闇に支配される。


 そして、こわい、という気持ちがどんどんとわいてくるんだ。


 どうしよう。


 ギューイ、おねがい。


 はやくもどってきて!!


 ひとりでいると、ママや兄弟とはぐれたことを思い出してしまう。


 ぼくはまた、ひとりぼっちになってしまうのだろうか?


 その不安に押しつぶされそうになった時、茶髪の天使――ギューイがもどってきたんだ!!


 ギューイ!!


 どこに行っていたの?


 さみしかったよ!!


 必死の声で鳴こうとするけど、すぐにギューイにしぃーっと口を押さえられてしまった。


「ごめんね。ここは、ぼくだけの隠れ家なんだ。って言ってもただのほら穴だけど。ほかのやつらにワンタンが見つかったら、今日の野良犬の親子みたいに連れ去られてしまうから。だから、ね。しずかにしてね」


 その言葉だけで、ママたちがどこか遠い場所に行ってしまったのだという事実に気がついた。


 そんな、もう二度とママたちに会えないなんて。ひどすぎるよ。


 つづく

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