やっと会えたよ!!
「この子を連れて入るのなら、抱っこしてね。ほかの子に噛まれたりしたら大変だから」
「はい。ワンタン、じっとしていてね」
それからぼくたちは、門番のおじさんから、施設のおじさんに引き渡された。
「え~と。昨日保護した親子ね。いるよ。こっち、こっち」
施設の中に入ると、たくさんのぼくの仲間たちがいっせいにこっちを向いた。
そして、すがるような目で、ぼくたちに訴えかけてくる。
鳴いたり、叫びをあげたり、かわいそうに、ちびっちゃった子までいたんだ。
そうしておじさんに連れられて奥まで行くと、ぐったりした様子のぼくのママと、兄弟たちがいた。
ママ、ぼくだよ!! わんわん!!
だけど、ママは動かない。どうしたんだろう?
「あの、母親の元気がないみたいなんですけど、どうかしたんですか?」
「いやぁ。この子な、この部屋に入るまですごく抵抗したもんで、ちょっとおとなしくなる薬を打ったんだよ。そうしたらおとなしいままでさぁ。ご覧のとおり、ごはんも食べないときている」
そんな。ママ!! ぼくだよ。たすけに来たんだよ!!
兄弟はぼくに気がついて、きゃんきゃんと鳴いてくれるけど、ママは気づいてくれない。
「これはおれの想像なんだけどさ。子どもたちを出産した後、ろくに食べてなかったんじゃないかな? かなり衰弱してたのに、くすりを使ったものだから、よけいにぐったりさせちまった。ごめんな。でもおれも、そういうのが仕事なんだよ」
この人には、この人の事情がある。
たしかにぼくは、生まれてからずっとママだけをたよりにしていた。
だから、ママがなにを飲んで、なにを食べていたかも知らないんだ。
どうしよう、ママずっと元気がないよ。
つづく




