家族との再会
ギューイは、これまでよりずっとがんばって自転車をこいだ。
ぼくも、いっしょにこいでいるつもりで、がんばってかごの中でふんばった。
これからママたちに会える。
あんなにイヤに感じた兄弟たちとの再会も、今では楽しみに感じているほどだ。
もし、ママや兄弟と再会できたら、ギューイのことをいっぱいお話するんだ。
人間がみんな、わるい人ばかりしゃないんだよって。
ぼくたち家族のために、一生懸命がんばってくれたんだよって。
たくさん、たくさんお話をするんだ。
だけど、その場所についたとたん、ぼくのこころはすっかりしょげてしまったんだ。
だってそこは、保健所だったから。
「大丈夫だよ、ワンタン。ぼくがきみのたいせつな家族をたすけるからね」
うん、信じているよ、ギューイ。
でも保健所って、暗くてとてもいやなニオイがするんだ。
それはとても、かなしいニオイ。
それでも、ギューイは勇気を出して、ぼくを両腕でかかえてくれたんだ。
「あの、すみません」
ギューイが門番さんに声をかけると、門番さんははぁ~、と深いため息を吐いた。
「坊や、その犬をここに連れてくるって意味をちゃんと知ってるの? ここはね、そのちいさな犬の命をうばう場所なんだよ?」
「ちがいます」
ギューイはすぐに返事をした。
「ここは、たいせつな家族を探し出すための場所なんです。だからぼくは、この子、ワンタンの家族を探しに来ました」
「家族? その子のかい?」
「はい、そうです。昨日、この子の家族がここに保護されたのです。だから、その家族を連れて帰ります。いいですよね?」
「まぁそりゃ、そういうことならいいけど。坊や、すげぇな」
なにがどうすごいのか。おじさんはすごくおどろいている。
だけどぼくは知っているんだ。
ギューイは本当にすごい子なんだってことを。
つづく




