初対戦
「グフッ!!」
突然、鈍い発射音がしてマオは啜っていたラーメンを吐き出しそうになった。
「軍の演習だろ。」
隣にいたケンタロウが言った。
「あと奢っている訳じゃないからな。ラーメンの代金は明日頂戴するぜ。」
「ゲホッ....グエッ....分かっているよ......。」
今の状況を見ろよとマオは思った。
「それにしてもすまねえな。居残りから解放されるまで待ってくれたなんてな。」
「おい、チャーシュー残すのか?」
ケンタロウはスープの中にプカプカ浮いている紫色の肉の塊を見て舌なめずりした。
「ああ。ドラゴンは悪魔にとっちゃ親戚みたいなもんだ。その肉なんて食べれるか。」
「なら、もーらい。」そう言うとケンタロウはチャーシューを摘み上げると一口にペロリと食べてしまった。
「さて、これからどうす.......。」
ボガーン!!!!
爆発音が聞こえて、まるで巨人が地球を振り回したような揺れがマオ達を襲った。
ラーメン屋は半壊して、こしょう瓶やありとあらゆる物がそこらじゅうに吹き飛んだ。
揺れが治ると床に倒れていたマオは辺りを見渡した。
「なんだ地震か?」
「違う。」ケンタロウが店の半壊した方を指差した。「パンツァーが......パンツァーが吹っ飛んで来た.......。」
マイの視線の先にはモウモウと立ちこめる埃の中に傷だらけで、主砲が折れ曲がった戦車が転がっていた。
「吹っ飛んで来たって.....勘違いじゃないか?」マオがそう言いかけた時に戦車の砲台の上に人影がいるのに気づいた。
「だいじょうぶですか〜!?」
ケンタロウが叫んだ。
次の瞬間、その人影はヒラリと砲塔から飛び降りると、マオの方に猛スピードで向かって来た。
近づくのにつれて、そいつの姿が段々ハッキリと見えて来た。
エルフ族だった。だが身なりが妙でパンツ一枚だけだった。体には無数の銃創があり、右手には軍刀を握って、左手には戦車のハッチを盾のようにしながら構えていた。
マオ達がポカーンと呆気に取られている間に
パンツ一枚のエルフは軍刀を振りかざしながらマオに飛びかかった。
<魔王が現れた!>
<勇者のターン。ジャンプ切り!>
「うお!!」マオはビックリして後ろへ飛び下がった。
<MISS>
「なんだコイツ?!」そう言うとマオは近くに転がっていた包丁を反射的に拾い上げた。
<魔王のターン。魔王は包丁を拾った!>
<だが何もしなかった!>
<勇者のターン。勇者はパワーアップ薬を使った!>
勇者は空中からフラスコに入った緑色の液体を取り出すと(取り出すと言うより、空中からフラスコがいきなり現れた感じ。)一気に飲み干した。
「オイッ!!あれはシュテルカーだぞ!」
ケンタロウが叫んだ。
「シュテルカー?!」
マオが言った。
「なんじゃそりゃ?!」
「お前知らないのか?!!シュテルカーは覚醒剤と酒のあいこで筋肉や集中力を一時的に活発にする物だよ!!ただ体にすごい負担が掛かるから今は禁止されているんだ!!」
ケンタロウが答えた。
「今日の授業でやったぞ!」
<勇者の攻撃。>
勇者は軍刀をマオの肩に向かって突き出した。
マオはまた避けようとしたが、刀の先端が肩をかすった。
「イタッ!!」
<10ダメージ!!>
「ふざけんじゃねえぞ。どこのヤツか知らないけど、軍刀持って覚醒剤使って......。」
ラーメン屋の外にパトカーが三台止まり、警察官が六人飛び出して来た。六人中三人はM1911A1拳銃を構えていた。
「動くな!!」一人の警察官が叫んだ。
<六人の警察官が参戦した!!>
<警察官のターン。威嚇した!>
<勇者のターン。>
勇者はチラリと警察官の方を見ると猛スピードで走り、軍刀を振り下ろした。
<勇者の攻撃。走り切り!>
次の瞬間、警察官が一斉にM 1911A1拳銃を勇者に向けて発砲した。
<MISS。反撃として95ダメージ!!>
<このままでは持たない!諦めるか?>
[諦めない]
→[諦める]
<勇者は逃げた。>
勇者は一瞬倒れたが、またすぐに起き上がり
弾が命中した腹を抑えながら戦車が開けた穴にジャンプして飛び込んだ。
<魔王の勝利!>




