放課後の一騒動
もちろんマオは居残りする気なんて無かった。空が赤く染まった頃、彼はひっそりと窓を開けて外へ逃げ出した。
「しめしめ......上手くいったぞ。」
独り言を言いながら学校の門を出ると.....
「それでも連邦学園の生徒かな?マオ?」
マオは心臓が止まるかと思うほど、ビクッとした。
声のする方を見ると、シレナがトライデントを持ってニヤニヤ笑っていた。もちろん一人ではない。隣にはゾーラとキカイがいた。
<スケバンとギャルが現れた!>
「な.....何だよ?!」マオは焦りながら言った。
「フッフッフー。アイヒェ先生からおふれがあってね。居残りの生徒が脱走しないように見張り役を付ける事にしたんだ。」
ゾーラが蛇をかき上げながら言った。
「大人しく戻った方がいいよ。」
キカイが忠告した。
「へー。そんな脅しなんて......。」
マオはポケットから巻物を取り出した。そしてその巻物を手に挟んだ。
「無駄だね!!!」
<魔王のターン。吹っ飛びの巻物を使った。>
次の瞬間、マオの組んだ手から稲妻が走ると近くにあったゴミ箱が一斉に女子の方に吹っ飛んだ。
だがゴミ箱が女子達に着弾する前に、キカイの右手があっという間にミニガンへ変わった。
そして一瞬にしてミニガンを乱射してゴミ箱を消し炭にした。
<効果はなかった。>
「巻物を無断で使うのは校則違反だよ。」
キカイが素っ気なく言った。
「さて、次はこっちの反撃だね。」
シレナはトライデントをマンホールの方に向けた。すると地響きが聞こえ、大量の水がマンホールから噴き出した。
だが水は上では無くマオのいる方向に向かって噴き出したのだ。
<スケバンのターン。噴射!>
ブシャーーーーッ!!
なす術もなくマオは水圧に負けて吹っ飛ばされた。
「さっさと戻りゃいいのに.......。」
ゾーラが呆れたように言った。
「これで懲りるよ。多分ね。」
キカイが答えた。
「クソッ、水をかけるなんて卑怯だぞ。」
マオが起き上がった。
「アラ?じゃあ石化させるのはどう?」
ゾーラの髪の毛のヘビが一斉にマオの方に向いた。
「わっ.....分かった。戻るよ!戻りますよ!!」
<tp.Demon King's Castle Ruins>
魔王城跡では......
</tp.Demon King's Castle Ruins>
魔王城跡の周りは戦車が取り囲んでいた。
「こちらラーべ戦車隊長。」
一人のエルフがトランシーバー越しに言った。
「戦車隊の配列を完了した。」
「こちらアレース将軍。了解。あとはオオクニヌシの許可があれば砲撃できるぞ。」
アレース将軍は近くに設置された高台から双眼鏡を使って魔王城跡を見ていた。
後ろでは兵士達がやかましく無線機をガチャガチャ触っていた。
「将軍、オオクニヌシから許可が降りました。」
一人の兵士が紙切れをアレース将軍へ渡した。
「ご苦労。それにしても今何時だ?」
「二十一時五分です。」
「分かっt........。」
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
観測装置がけたたましい音を立てて、赤いランプが点滅した。
「何だ?!どうした!?」
アレース将軍は観測装置をいじっている科学者の方に歩み寄った。
高台の外は兵士が走り回っている。
「魔王城跡から電磁波を観測しました!!」科学者が叫んだ。
「復活します!!!」
「戦闘準備!!」アレース将軍は戦車部隊の無線機に怒鳴った。
「ラジャー!」無線機からはラーべ隊長の声が聞こえた。
「榴弾砲準備!!」高台の外からも叫び声が聞こえた。
「打て!!」
ドンッ!!ドン!!ドン!!
榴弾砲の発射音が夕闇にこだました。




