700万年後
昔々この世界は、魔王が支配していた。
魔物達は、魔王の弾圧に苦しめられた。だが、ある日勇者と名乗る者が魔王を討伐しに行ったのだ。魔物達は喜び、勇者にさまざまな物をあげた。
しかし、勇者にはまた別の野望があったのだ。それは自分が魔王の代わりに世界を支配する事だった。
そして魔王と勇者は遂に決闘をした。
二人とも激しく闘い合った、そして二人とも力尽きた。
これはそれから700万年後の話である。
マオ!起きろ!!」馬のヒズメのような物が寝ている青年の腹を殴った。
マオは目をゆっくり開けると殴って来た青年の顔をボーッと見つめた。
「ケンタロウか?どうしたん?」
「今、何時だと思っているんだよ!」
「さあ……。」
「8時過ぎだぜ!遅刻するぞ!」
これを聞くとマオは、飛び上がった。
無言で制服を着るとキッチンに駆け込んだ。
だが彼は何か変だ。髪の毛には二つの黒いツノが生えて、背中には小さな悪魔のような羽根が生えているのだ。
「急げよ!お前は二本足なんだから!!」ケンタロウがからかうように言った。
やはりケンタロウも変だ。
上半身は普通なのだが、下半身は馬なのだ。いわゆるケンタウロスだろう。
「待たせてごめん!行くぞ!」マオがキッチンから飛び出して来た。
そのままアパートのドアを蹴り開けると猛スピードで通りへ出た。
後ろからはケンタロウが追いかけて来た。彼の方がダントツで早い。
「先に行こうか?」
「乗せてってくれん?」
「今日だけな。」
マオが背中に跨るとケンタロウは猛スピードで走り出した。
あっという間に駅に着くと改札口を抜けてそのままホームに停車している電車に滑り込んだ。
「間に合ったー。」マオがため息をついた。
ここはアトランティス連邦の首都トロイメだ。
市民は全員魔物。だが電気やインターネットもあり、かつて広大だった[始まりの地]は、ビルが建ち並ぶ大都会になっていた。
「あっ、宿題忘れた。」
「後でシレナに聞けば良いよ。」
「あの人魚にか?ゴメンだね。ナンパと間違えられたら、ひとたまりもない。アイツの父ちゃん、前もソウジの家を洪水で全壊さしたじゃないか。」
「アイツはロキだからしょうがないよ。」
こんなたわいも無い話をしている間でも魔物達の生活を脅かす影が近づいていた。




