第三話 裕一に触らないで
愛海はソファに横になってテレビを見ていた。台所では裕一が食器を洗っている。
今は夜の九時である。少し眠気も出てきて、愛海はクッションを胸の前で抱きながら、うとうととしていた。
普段ならそろそろ母親が帰って来る頃だ。母の夕食の準備をして帰りを待っているのだが、まだ礼子は戻ってこない。今日は残業が長引いているのかもしれない。
十時になっても帰宅しなかった場合は、食事をラップに包んで冷蔵庫に入れて、先に休んでしまおうと愛海は考えていた。
がちゃり。玄関の扉が開く音がした。時刻は九時四十分である。母が帰ってきたようだ。愛海はソファを降りて、母を迎えに行く。
「お母さん。おかえり」
「ただいまぁ、愛海ぃ……」
礼子は千鳥足の状態で、壁に手をついていないと転んでしまいそうだった。アルコール臭がぷんぷんと漂っている。顔は真っ赤だし、目もとろんとしていた。母はひどく泥酔して帰ってきたようだ。
礼子はハイヒールを雑に脱ぎ捨てて、躓きそうになりながら廊下に上がった。
「お母さん、飲んできたの?」
「会社の人たちと一緒にねぇ……。ったく、係長がどんどん飲めって勧めてきやがってさぁ。あっはは。あたしもグビグビ飲んじゃったってわけぇ」
帰りが遅くなったのは、残業ではなくて飲み会のせいらしい。
母は今にも転びそうな様子だった。愛海はそうならないように母を支える。すると、お酒のツンとした匂いが鼻に突き刺さった。思わず、愛海は自分の鼻を手で覆った。
「えふっ。ごめん、愛海……。肩貸して……」
「うん。転ばないように気をつけてね」
愛海は酒に飲まれた母をなんとかリビングまで連れて行った。礼子はどすんと椅子に座り、机の上に鞄を放り投げた。衝撃で鞄から中身がこぼれたが、全く意に介していない様子だった。
「母さん、お帰り。って、酒クサッ!?飲んできたの?」
「うん。会社の人と飲んできたんだって。裕一はそのまま食器洗ってて?お母さんの面倒は私が見るから」
愛海は冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出して、コップに注いだ。だが、礼子はコップを無視して、ペットボトルを愛海から奪い、口をつけて直接飲んだ。
「ごく、ごく……。ぷはー!冷たくて気持ちいい~!気分がちょっとしゃっきりしたよ。ありがと、愛海」
「う、うん……」
酒を飲むと性格が変わることはよくあることだが、礼子の場合はかなり面倒くさくなるタイプだった。乱暴に振舞ったり、クドクドと無駄話をして人を拘束したり、暴飲暴食したりする。
酒に酔うと、母は一家を一人で支える大黒柱から、周りを困らせる乱暴者に変身してしまうのだ。愛海は酔った母のことが少しだけ苦手だった。
「お母さん、夕食はどうする?一応生姜焼きを作ったんだけど……」
「んん?いらないよぉ。だってあたし、いーっぱい食べてきたんだもん!串鳥の美味しいお店に行ったんだけど、あの香ばしい醤油ダレがまたビールと合うんだよねぇ!えっへっへ!あたし、おばさんなのに十本も食べちゃったんだ!あたしもまだまだいけるなぁって思っちゃったね!愛海もそう思うだろ?」
「そ、そう。それは良かったね。じゃあ、お料理は冷蔵庫に入れておくから、明日にでも食べてね?」
「はいはーい!いつもありがと、愛海!あんたはあたしの自慢の娘だよ!あははっ!」
母は笑い上戸になっていた。アルコールで脳をやられた彼女からすれば、どんなことでも面白いのだろう。風が吹いただけでも笑い転げてしまいそうである。
「お風呂はいつ入る?身体を綺麗にして早く寝ちゃった方がいいよ?もう夜も遅いんだし」
「なーに言ってんだよぉ!まだ十時にすらなってないじゃないの!あたしの夜はこれからこれから!確か冷蔵庫の中に……」
礼子はふらりと台所に侵入し、冷蔵庫を開けて缶ビールを二本取り出した。慣れた手つきで缶を開き、酔った身体にさらにアルコールを注ぎ込む。
「んっ、んっ、んっ……ぷはぁ~!やっぱ、暑い夜はビールに限るねぇ!」
「お、お母さん!?何やってるのよ!もうあんなに飲んできたのに……!」
母の愚行に愛海は悲鳴を上げた。これ以上泥酔したら一体どうなってしまうのか、娘は心配でしょうがなかった。
だが、心配する愛海のことなど意識には無いらしく、礼子は腰に手を当てて、まるで風呂上がりの牛乳を飲むが如く、一気にビールを飲み干してしまった。
裕一が洗い物をしているシンクの中に空の缶を投げ捨てて、礼子は二本目のビールの蓋も開けてしまう。
「ぐふふ……。これよこれ。あれっぽっちじゃ全然足りないのさ。あたしはもっと飲むんだよ。飲んで飲んで飲みまくらなきゃ。はあ、美味しい……ゴクゴク」
泥酔して理性が吹き飛んでいる礼子は、浴びるように酒を飲み続けた。もはやそこには母の威厳などなく、一塊の酒乱が存在しているだけである。
礼子は二本目も軽く空にしてしまった。
「美味いったら美味い!これぞ人生の醍醐味ってねぇ!他には無いの?まだまだ飲み足りないよ。ビールって二本だけだっけ?下の方に三本目があったはず……」
「お母さん、もうやめようよ?二日酔いになっちゃうよ?」
冷蔵庫を漁っていた礼子は愛海の方を振り返り、呂律の回っていないヘラヘラした口調で叫んだ。
「あたしが二日酔いになったところ、見たことあるって言うのぉ!?無いでしょお!?えへへ!傘馬礼子さんはお酒には滅法強いんだからね!だいじょーぶ、だいじょーぶ!全然平気れすよぉ……」
目的物を見つけた礼子はさっそく蓋を開けて、缶を口元に押し付けた。黄金色の魔法の液体が、豪快に喉を下っていく。
「ゴクゴク……。んんっ、ぷはぁー!たまんないよぉ!ビール最高ぉ!」
こんな風に酒に溺れるのにも訳があった。残業からくる仕事のストレス、一家を一人で支えているというプレッシャー、そして夫がいないという寂しさから逃げたかった。酔っている間は全てを忘れられるのだ。
そのためなら、たとえ醜態を子どもの前に晒すことになっても、構わないと思っていた。毎日はさすがにダメだとしても、月に一度くらいは”だらしがない酔っ払い”になりたかった。
この点では、傘馬礼子もどこにでもいる中年女性に過ぎない。いくら普段は気丈に振る舞っていても、誰もが持っている弱さを礼子も持っているのだ。母は決して強い人間では無かった。
愛海もそれは理解していた。常日頃から母が晒されているストレスを思えば、たまにはこんな風にだらけてしまうのも仕方がなかった。なにより、姉弟が多少貧しくても普通の暮らしができるのは、母のお陰なのだ。
愛海に文句を言う権利はなかった。でもやっぱり、度が過ぎているように感じられた。
(今日のお母さんは飲み過ぎだよ。病気になっちゃったら元の子も無いんだから……)
そろそろ母の飲酒をやめさせようと愛海が考えていた時である。礼子は泥酔による恍惚感に満たされながら、裕一の後ろ姿に目が留まった。
彼は流しの前に立って食器洗いに専念している。裕一は息子でありながらも、立派に成長しつつある一人の男性でもあった。
息子、男、息子、男。二つの観念が頭の中を周回し、礼子を混乱させた。酩酊しているせいで理性の歯止めはとっくのとうに効かず、礼子は裕一を一人の男として意識してしまった。
離婚してから、男の人、特に若い男性とは全く接点が無かった。礼子は無意識のうちに男に飢えていた。
礼子は後ろから裕一に抱き着いた。彼の腹の辺りに手を置いて、いやらしく撫でまわし始めた。
「んっふっふ。裕一ぃ?あんたも結構いい男になってきたんじゃないのぉ?ほら、お母さんに腹筋見せてよ?」
「や、やめてよ!母さんったら!」
母のセクハラだった。酔っぱらった礼子に悪気はなかった。ただ魔が差してしまっただけだった。ほんの悪戯のつもりだった。
しかし、この母の愚行は愛海をひどく刺激した。
「お母さん……!?」
愛海の中で瞬間的に憎悪が湧き起こるのがわかった。自分が愛する男にちょっかいをかけられて、爆発的な怒りが生じた。
愛海は席を立った。母のもとに近づき、彼女の肩を引っ張って裕一から引き離した。そして――。
ぱんっ。愛海は礼子にビンタをした。
礼子はバランスを崩して、その場に倒れ込んだ。酒に酔って紅潮していた頬に、赤い手の痕が刻まれていた。母は怯えた目で娘を見上げた。娘は唇を噛み、怒りで目が血走っていた。
そして、愛海は激しく怒鳴った。
「もうやめてよ!いい歳してなにみっともないことしてるのよ!裕一に触らないで!」
裕一たちの前で、愛海がこんなにも強く怒りの感情を剥きだしにしたことは今まで無かった。普段の愛海の姿からあまりにも乖離していた。だから、裕一も礼子も、目の前のこの人物が愛海だとは信じられなかった。
あの誰よりも優しい愛海が、母親に暴力を振るうなんて――。
「ま、愛海……?」
礼子は酔った頭が急激に醒めていくのがわかった。そして、冷静に状況を理解し始めた。
礼子は愛海にビンタされたのだ。お腹を痛めて産んだ娘に顔を叩かれたと思うと、胸が切なくなるのがわかった。ただ悲しかった。ひたすらに悲しかった。
「あ、あんた……親に手を上げるなんて何考えてんのさ!」
それだけ言い残し、礼子は隣の部屋に行ってしまった。すすり泣く声が扉の向こうから聞こえてくる。母は泣いていた。赤く腫れた左頬を押さえつつ、しめしめと涙を流していた。
(私……)
愛海は自分の右手を見た。まだヒリヒリするような痛みが残っている。
(私、我慢できなかった……。裕一があんな風にお母さんに触られて、それが嫌でたまらなくて……。でも、お母さんに悪気はなかった。ただお酒に酔って羽目を外しちゃっただけ。なのに私、馬鹿みたいに怒って……。なんてことしちゃったんだろう?人に暴力を振るったのはこれが初めてかもしれない……)
愛海はすぐさま後悔した。雪崩のような自責の念が愛海を押し流そうとしていた。
だが、愛海以上に混乱していたのは裕一だった。母と姉の喧嘩という生まれて初めて見た光景に、どうしていいのかわからず、あたふたと慌てていた。
愛海はすぐに裕一のパニックに気がついた。
「……びっくりさせてごめんね?今のは全部お姉ちゃんが悪いの。裕一は何も心配しなくてもいいんだよ?」
「お姉ちゃん……」
愛海は穏やかで優しい普段の状態に戻っていた。それを見て、裕一は少し安心した。
「ちょっとお散歩してくるね?頭、冷やしてくる……」
愛海は弟と母を家に残し、蒸し暑い夜の世界に出て行った。
公園のブランコに腰を下ろして、愛海は一人で項垂れていた。激しい後悔と罪悪感が愛海を襲って、なんだか頭が重くて持ち上がらなかった。
母をビンタした光景が何度もフラッシュバックした。その度に、自らの罪の重さが増していくように思えた。
(なんて謝ればいいんだろう?許してくれるのかな?あんなことしちゃった私を……)
謝罪の言葉はいくらでも思い浮かぶが、どれも愛海の失態を帳消しにできるとは思えなかった。いくら悩んでも答えは見つからず、自分がしたことの滑稽さを自嘲するしかなかった。
(私、母親相手に嫉妬してる。なにやってるんだろう?)
確かに嫉妬だった。愛している男性が、別の女性からボディタッチされている。そんな光景を見て、愛海はマグマのように熱いジェラシーを感じたのだった。
自分だって、あんな風に裕一に触りたいのに――。
だが、嫉妬の相手は母親だった。礼子は酒に酔っていたものの、裕一の母親であるのだから、冗談のつもりでちょっと身体を触るなんて、そんなに異常なことでもなかった。あれはちょっと親密過ぎたが、母子のスキンシップの範疇に入っていた。同じ歳のガールフレンドが触るのとはわけが違うのである。
だが、愛海は耐えられなかった。まるで自分の大切な宝物が汚されているように感じた。
「ん?あれは……」
公園に誰か入って来た。見慣れたシルエットだった。小柄でポニーテール、気が強そうなツリ目が特徴的である。
それは雨野整だった。彼女は犬を連れていた。おそらく、ゴールデンレトリバーだろうと愛海は思った。
「あれ?愛海さん?こんな夜に公園で何してるの?」
「ちょっとね……。整ちゃんは犬のお散歩中?ペット飼ってたの?」
整はリードの紐をブランコの棒に縛って、犬にお座りさせた。そして、金色の胸毛を愛おしそうに撫でた。
「この子はあたしのペットじゃなくて、近所のおばさんの犬。腰が悪くて散歩に連れて行けないから、あたしが代わりにやってるのよ。ついでに、名前はワン子。あたしがつけたんだよ?」
(犬だからワン子って……。もう、整ちゃんったら)
安直過ぎるネーミングセンスに、愛海は噴き出してしまいそうになった。
「おばさんの犬ってことは、元の名前があるんだよね?本当はなんて言うの?」
「それはね、忘れた」
堂々と自らの忘却を白状し、整は満面の笑みを浮かべた。あまりの開き直りっぷりに、堪らず愛海は笑ってしまった。
「ふふ。整ちゃんらしいね」
「でしょ?でもさ、この名前もなかなか合ってると思うんだよね。ほら、このボケッとした顔とか、目がクリクリしてるところとか、なんか”ワン子”って感じがしない?」
「そうかなぁ?」
愛海はワン子を見た。整の名付けが正しいかどうかはともかく、確かに愛くるしい顔をしていた。太郎とか定吉とか、そういう渋い名前よりは、ワン子みたいな可愛げのある名前の方がしっくりくる感じがした。
整は愛海の隣のブランコに座った。軽くブランコを漕ぎながら、整はさっきの質問を繰り返した。
「それで、愛海さんはこんな夜に何してるわけ?一人で夜のお散歩?それとも、公園でブランコの練習?そんな感じじゃないよね。何か嫌なことでもあったんでしょ?」
「え?なんでわかるの?」
「だって、凄く落ち込んでるんだもん。今の愛海さんの顔を見れば誰にだってわかるわよ」
愛海は整の勘の鋭さに感心しつつ、母との喧嘩について正直に話すことにした。
「実は、お母さんと喧嘩しちゃったの」
「えー!?愛海さんって母親と喧嘩とかするんだ~!?なんか意外ね!」
整は大声を出して驚いた。ブランコを漕ぐ足が思わず止まるほどだった。
「お母さん、今日はすごく酔ってて……。整ちゃんも知ってると思うけど、お母さんって酔うと性格がすごく悪くなるタイプなの。言葉遣いが乱暴になったり、誰かにちょっかい出したり……。それで、私はそんなお母さんにイラッてしちゃって……」
「あははっ。礼子さんって、酔うと人に絡むタイプだよねぇ。あたしも経験あるからわかるよ?話は長いし、ほとんど愚痴だし、面倒くさいったらありゃしない。そりゃ、愛海お姉さまもキレちゃうよねぇ?」
整はケラケラと笑っていた。彼女はブランコの板の上に立って、立ち漕ぎを始めた。ブランコは軋むような音を出しつつ、激しく前後に動いている。
「私、仲直りできるかな……」
「できるよ、絶対……。よっと!」
整はブランコの上から勢いよくジャンプして、空中で一回転しながら見事に着地した。そして、その場でターンをして愛海の方に振り向いた。
「なんつっても、喧嘩できるのも仲直りできるのも家族だからこそ、だしね。あたしのウチなんてすっげー放任主義でさ、あたしから喧嘩吹っかけても無視されるだけだもん。母親と喧嘩できる愛海さんがちょっと羨ましいくらいだよ」
「整ちゃん……」
「だから、何も心配することはないんじゃない?喧嘩した時と同じくらい、自分の気持ちをばーってぶつけてさ、後はごめんなさいって言えば許してくれるよ。喧嘩できるなら仲直りもできる。それが家族ってもんでしょ?」
心が通じ合っている家族だからこそ、たまには喧嘩するし、すぐに仲直りもできる。なんてことはない。愛海はやるべきことは、自分の思いを言葉にして正直に伝えるだけなのだ。
愛海は整を見た。裕一どころか自分さえもぐいぐい前に引っ張ってくれる少女は、いつも通り自信満々な表情を浮かべていた。
こんな頼りになる子が本当に自分の妹だったらいいのにと、愛海は思った。整のお陰で愛海は立ち直ることができた。
「ありがとう、整ちゃん。私、なんとかなりそう。やるべきことがわかって、すごくスッキリした」
「へへっ。愛海お姉さまのお役に立てて光栄ですってね。まあ、早く仲直りしちゃいなよ」
整は縛っていたリードを解き、ワン子と一緒に散歩に戻ろうとした。だが、愛海にはまだ言わなくてはならないことがあった。
「あ、整ちゃん。ちょっと待って」
「ん?何?」
「この前はごめんね?私、整ちゃんの気持ちを考えずに自分のことばっかり優先して……」
数日前、整は裕一を遊びに誘ったのだが、見事に振られてしまったのだった。しかも、姉との約束を優先した結果だった。ショックを受けた整は二人を置いて走り去ってしまった。
愛海はあの時の整の言葉を一言一句覚えていた。
『なんでなのよ!裕一、最近は愛海さんとばっかり一緒にいてさ!あたしと全然遊んでくれないじゃん!』
あの時のことを愛海は申し訳なく思っていた。必ず整にお詫びして、あの時の埋め合わせをしようと決めていたのだった。
「次は整ちゃんの約束を絶対に優先するね。裕一にも言っておくから。だから、許して欲しいの。私のことも裕一のことも」
「もう怒ってないよ。裕一と愛海さんにとっては大切な家族の時間だもんね。あたしがぶち壊すわけにはいかないよ。別に遊ぶのは来週でも再来週でも良かったんだからさ。あたしもちょっと大人げなかったかも。あたしの方こそ、ごめんね?」
整はちょっと照れ臭そうな顔をしつつ、愛海に謝った。
「でも、愛海さんがそう言ってくれるなら話は別。さっそくだけど、今週末は裕一を借りてもいい?」
「もちろん。整ちゃんなら裕一を夜まで連れ回してもいいよ。ふふ」
愛海と整は顔を見合わせて微笑んだ。その姿はまるで本当の姉妹のように見えた。
家族だからこそ喧嘩するし、仲直りもできる。家族同然の整だからこそ、この前みたいに喧嘩したり、今みたいに仲直りもできる。
愛海はさっきとはうって変わって、軽快な足取りで弟の待つ家に向かった。夜だと言うのに、彼女の心は朝のようにすこやかで晴れ晴れとしていた。
2026/2/17挿絵を追加しました。AIで生成しました。




