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第82話 約束

「もぉ~~。いつになったらあらわれるのかと、おもぉ~~ってましたよ」

 わたして、そういながらあなからがってるミノタウロスさん。


 身体からだおおきすぎて、上半身じょうはんしんしかがってれないみたいだね。

 ちないように、うでってるのは、ちょっと大変たいへんそう。


「し、いっスか?」

「ううん。らないよ」


 もりそとたことないのに、わけないジャンね。

 でも、ミノタウロスさんはわたしのことをってるみたい。

 わたしことってうより、解放者リリーサーのことをってるのかな?

 だとしたら、興味きょうみあるかも。


「えっと、こんにちは。ミノタウロスさんでってるのかな?」

「そうですもぉ~」

「そっか。さっき、ちくたびれてたってってたけど、もしかして、わたしるのをってたの?」

「いかにもぉ~~」

「もぉ~~」


 ハナちゃんがれなくなって、ミノタウロスさんのマネをしちゃったよ。

 随分ずいぶんたのしそうにわらってるね。

 ミノタウロスさんも、微笑ほほえましいものるような表情ひょうじょうをしてるから、問題もんだいはなさそう。


 もっとてたいけど、本題ほんだいもどるべきだよね。


「どうしてってたのかな? わたしなにようでもあるの?」

「むぅ?」


 わたし質問しつもんへんだったかな?

 あ、それとも、失礼しつれいだったりした?


「もぉ~~しかして、おぼえてないのですか?」

おぼえてない? なんはなし?」

おぼえていないようですなぁ」

「そ、そうだね」


 心当こころあたりがないなぁ。

 当然とうぜんだけど、わたしはここにたことないし。

 ミノタウロスさんとったこともいのです。


 そんな状態じょうたいで、おぼえてないのかとわれても、なんはなしかるわけないよね。


「さすがにひどいとおもぉ~~いますぞ!」

「ごめんね。でも、からないんだよ。そもそもわたしは、もりからたことないから」

「もぉ~~り? たことがない? それはどういう意味いみもぉ~~?」

「どういう意味いみって、まれてからずっと、死神しにがみもりらしてたって意味いみだよ」

「それはおかしい……もぉ? ももももぉ~~~?」

「ちょっと!? ミノタウロスさん!? きゅうちかづかないでよね! あぶないから!」


 わたしかおのぞむように、してたよ。

 あぶないなぁ。

 れちゃったらどうするつもりなんだろ。


 なんてことをわたしかんがえてると、ミノタウロスさんはおおきくくびかしげてせました。


「ん? 解放者リリーサー? でもぉ、よくたら、かおちがうもぉ~~。てるから、づかなかったもぉ~」

てる?」

「よくよくれば、おおきさがちがうもぉ~」

おおきさっ!?」


 それって、身長しんちょうのことだよねっ!?

 身長しんちょうのことだよねっ!?


 ミノタウロスさんの視線しせんが、わたし胸元むなもとそそがれてるがするけど……。

 ううん。

 きっとのせいだよっ!


 そんなことより、なおして、かあさんのことってるのかいてみよう!


「こほん。ミノタウロスさん。すこおしえてしいんだけど。あなたのってる解放者リリーサーって、ソラリスって名前なまえだったりする?」

「そうですもぉ。そんなことをいてるとうことは、もぉ~~しかして、ソラリスさまではないのか?」

「そうだね。ソラリスはわたしかあさんの名前なまえだよ」

「なるほど! それでそっくりなワケですもぉ~」


 そっくりとわれると、ちょっとうれしいね。

 それに、まさかこんな場所ばしょで、かあさんをってるひと出会であえるとはおもってなかったよ。

 あ、ひとじゃないか。


かあさんとったことがあるんだね。ちなみに、それっていつのはなし?」

「う~~ん。とおむかしだったとおもぉ~~いますなぁ。ソラリスさまは、おぼえていないもぉ?」

かあさんからは、とくいてなかったよ」

「なら、いまからけばいいもぉ~」


 そっか、ミノタウロスさんは、かあさんがまだきてるとおもってるみたいだね。


「ミノタウロスさん。じつは、ソラリスかあさんはもう、とおいおそらがっちゃったんだ」

「っ!? そうなのかもぉ!? それは……つまり、もぉ~~う、オラたちとの約束やくそくたされないってことでしょうかぁ?」

約束やくそく?」


 かあさん、ミノタウロスさんと約束やくそくなんかしてたんだ。

 そのときなにがあったのか。

 どんどんになってるね。


「そうかぁ。それは残念ざんねんもぉ」

「あの、ミノタウロスさん。その約束やくそくって、どんなものだったの?」

「それをいて、どうするつもりもぉ?」


 どうするつもりか。

 なんてかれても、内容ないようによるかなぁ。

 出来できれば、約束やくそくたしてあげたいよね。

 そうだ、約束やくそくたすわりに、当時とうじなにがあったのかいてみようかな。

 それに、もしかしたらクイトさんとしろフードのストレンさんの居場所いばしょも、ってるかもだしね。


かあさんがした約束やくそくわたし出来できことだったら、わりにたしてあげるよ」

本当ほんとうかもぉ!? それはたすかるもぉ!」

「あの、リグレッタさますこしよろしいでしょうか」


 わたしとミノタウロスさんの会話かいわむように、ベルザークさんがくちひらきました。


「リグレッタさまのお気持きもちはかりますが。わたしはそのはなし反対はんたいです」

「どうして?」

相手あいてはミノタウロスです。約束やくそく通用つうようするような相手あいてだとはおもえません」


 ちょっとベルザークさん。

 ミノタウロスさんのまえでそんなことっちゃったら、おこらせちゃうよ?

 喧嘩けんかとかしないでしいんだけどなぁ。

 あれ?

 ミノタウロスさん、意外いがいおこってないみたいだね。


「で、どうするもぉ?」

「えっと、ミノタウロスさん。いまはなしいてた?」

「もぉ~~ちろん。でも、そんなことはどうでもぉいのだもぉ」

「どうでもい?」

「オラは、約束やくそくたしてくれるのであれば、だれでもいのだもぉ~」

「そうなんだ」

「ただ、解放者リリーサーたのむのが一番いちばんらくなんだもぉ」


 はぁ。

 とちいさなためいきくミノタウロスさん。

 なんか、ちょっとだけかるかただよね。


 になったら、かないわけにはいかないのです。

解放者リリーサーたのむのがらくって、どんな約束やくそくなの?」


 そんなわたしいかけに、ミノタウロスさんはみじかこたえました。

「オラをころしてしいんだもぉ」

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