表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/208

第51話 見苦しいもの

 それにしても、まち建物たてものって、すごく頑丈がんじょうそうだよね。

 いし出来できてるからかな。

 パッとかんじだと、横長よこながいしかさねてるらしい。


 それだけだったら、ちょっとしただけでたおれちゃいそうだけど、そんなことないんだね。

 あいだなにかがはいってるみたいだし。

 どうやってるのかなぁ。になるなぁ。


 ハリエットちゃんならってるかとおもったけど、「らないわよそんなこと」ってわれちゃったから、あとでカルミアさんにいてみよう。

 ネリネに使つかえるかもだよね?


 そんなたのしいまち探索たんさくえて、そろそろかえろうかとはなはじめたころ

 屋台やたいならんでるとおりで、なにかさわぎがきたのです。


泥棒どろぼう!! この!! そいつをつかまえてくれぇ!!」

 とおくからこえてるそのこえは、さっき、美味おいしいパンをくれたおじさんみたいだね。


 おこってるひとはしってげてくひと

 そんな2人の気配けはい意識いしきける。

 パンのおじさんはともかく、はしってるひとはこのままとおざかっちゃうと、見失みうしなっちゃいそうだね。


 なにがあったのかあとはなしいてみたいし、ちょっと追跡ついせきをおねがいしようかな。

 都合つごういことに、私は今、ハナちゃんごうっているのです。


 ハナちゃんごうかしてくれてるのは、沢山たくさんのリーフちゃん。

 そんななかから1まいのリーフちゃんをんだわたしは、はしってるひといかけるように指示しじした。

 これで、あとからさがしにけるね。


「なにかあったのかな?」

「なにかって、泥棒どろぼうよ。おみせ商品しょうひんを、勝手かってってったのよ」

「そっか、それはダメだよね。ちゃんと、ってくよって、一言ひとことこえけなくちゃ。失礼しつれいだよね」

「いや、おかねはらうべきでしょ」

「え? おかね?」

「もしかして、おかねらないの?」

「……りません」

「はぁ……」


 そんなふかいためいきかなくてもいいジャン!

 一応いちおう、おかねについて説明せつめいしてくれたのはたすかったけどさぁ。

 でもそれって、わたし必要ひつようないものだよねぇ。


「ちなみに、さっきからべてる串焼くしやきとかは、そこの護衛ごえいがおかねはらってくれてるからね?」

「っ!? そ、それ本当ほんとう?」

「は、はい。でも、私の自腹じばらというわけではなく、カルミア隊長たいちょうから、それよういただいていましたので。おれいなら、カルミア隊長たいちょうおっしゃってください」

「そっか。でも、ありがとうございます」


 そういえば、衛兵えいへいさんの名前なまえいてないよね。

衛兵えいへいさんのお名前なまえって、なんてうんですか?」

「わ、わたしですか!? わたしはそんな、名乗なのるようなものでは」

今日きょう、ハナちゃんたち護衛ごえいをしてくれたから、今度こんど、おれい手紙てがみきたいんだけどなぁ」

「そう、ですか。わたしはカッシュといいます」

「カッシュさんだね。よろしく」

「よ、よろしくおねがいたします!」


 そんなこんなで、まち探索たんさくえた私達わたしたちは、一旦いったんしろもどりました。

 城門じょうもんのところで、ハリエットちゃんとカッシュさんとわかれて、わたしとハナちゃんは元居もとい広間ひろまかいます。


「ハナちゃん、たのしかった?」

「うん! またきたいねっ!」

「そうだねぇ。串焼くしやきも美味おいしかったし。あれ、つくりかたをおしえてもらえないかなぁ」

つくれるのっ!?」

「ん~。つくかたさえかれば、なんとかなるかもねぇ。材料ざいりょうそろわなかったら、無理むりだけど。それをるためにも、まずはつくかた調しらべなくちゃ」

「リッタ、やっぱりすごいね!」

きゅうにどうしたの?」

「だって、なんでもできるジャン!」


 ふふふ。れるなぁ。

 いますぐに、あたまをワシャワシャってしたいけど、ガマンだね。


「ありがとう。ハナちゃんだって、何でもできるようになれるよ」

「いししっ」


 そんなことをはなしてたら、廊下ろうかおくほうから、ベルザークさんがあるいてきた。

 となりあるいてるのは、ハリエットちゃんのおにいさんだったね。

 たしか、名前なまえは。ペンドルトンさん?

 2人のうしろには、カルミアさんと、ほか騎士達きしたちるね。


「リグレッタさまもどられたのですね」

「うん。ベルザークさんたちも、おはなしわったの?」

「はい。非常ひじょう有意義ゆういぎはなしができたものとおもっております」


 そううベルザークさんは、チラッとペンドルトンさんに視線しせんげた。

 なんか、意味深いみしん視線しせんだね。

 なんてかんがえてると、ペンドルトンさんがくちひらく。


まちたのしんでいただけましたかな? リグレッタ殿どの

「え? あ、はい! すごくたのしかったです! 串焼くしやきがとく美味おいしくて、あれって、どうやってつくってるんでしょう? つくかたになってるんですけど」

串焼くしやきですか。それでしたら、さほどむずかしくはないはず。あとでカルミアからつくかたをおおくりいたしましょう」

いんですか!? それじゃあ、なにかおれい準備じゅんびしないとだね。やっぱり万能薬ばんのうやくいのかな? ……でしょうか?」


 ダメだね、口調くちょうもともどっちゃうよ。

 カルミアさんとベルザークさんのつきがこわいや。

 ペンドルトンさんがにしてなさそうだから、べつにいいとおもうんだけどなぁ。


 万能薬ばんのうやくいただけるとたすかる。

 ペンドルトンさんはそんなかた返事へんじくちにしたあと、ふとおもしたように、つづけた。


「ところで、さきほど報告ほうこくたのですが、まちさわぎがあったとか。お二人ふたりとも、怪我けがとかはありませんか?」

「はい。大丈夫です。護衛ごえいのカッシュさんもいましたし。怪我けがとかはしてないです」

「ならばかった。それにしても、お見苦みぐるしいものをおせしてしまったようですね。盗人ぬすっとかならわれらのほうさばきにけますので、ご安心あんしんを」

「はぁ。さばきにけるってうのは、どういうコトなんですか?」


 わたしなにへんなことをいちゃったのかな?

 カルミアさんが、かおきつらせちゃったよ。

 それに、ペンドルトンさんの様子ようすへんだし。


「リグレッタ殿どの

「はい」

ぬすみをはたらいたものには、しかるべきばつあたえるべきなのです」


 あぁ。

 なんか、ハリエットちゃんがおにいさんをこわがる理由りゆうが、なんとなくかっちゃったかも。

 おこったときこわいね。

 ここはあんまり刺激しげきしないようにしておこう。


「そうですね」

ばつあたえるためには、多少たしょう手荒てあらいことをしなければなりません。これも、ご理解りかいいただけますね?」

「まぁ、わるいことをしたなら、仕方しかたないですよね」

「……」


 すこしのあいだだまんでわたしつめてるペンドルトンさん。

 そのちいさく会釈えしゃくをしたあと、そのまま廊下ろうかあるってしまいました。


 カルミアさんも、だまってついてっちゃったなぁ。

 きたいことがあったけど、明日あしたにしよう。

 いまはちょっとこわいし。


「はぁぁぁ。緊張きんちょうしたぁ」

「リグレッタさま。あまりへんなことをわないでください」

「そんなにへんなことだった? まぁ、私がまちひとたちにとって普通ふつうじゃないってことは、今日きょうだけでも充分じゅうぶんわかったけどさぁ」

「ハナはリッタのこと、きだよ」

「そうってくれるのは、ハナちゃんだけだよぉ!」

「私もリグレッタさまことしたっているのですが」

「ベルザークさんはちょっと、全然ぜんぜんちが意味いみだよね?」

「まぁ、否定ひていはしませんが」


 なんだかんだって、この3人でるのは、ちょっとくなぁ。

 今日きょうはもうつかれたし、このままネリネにかえろう。

 よるに、すこしだけやりたいことができたしね。

 早目はやめやすんで、夜中よなかきようかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ