表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/208

第141話 意味のある話

聖女様せいじょさま? それって……どういうことなの?」

理解りかい、できませんね……」

べつだれかにたいしてったんじゃないんスか?」

ちがうもん。イージスさんがソラリスさんにってたの!」


 ハリエットちゃんもベルザークさんも、そしてカッツさんも。

 みんなハナちゃんの言葉ことばうたがってるよ。


 もちろん、わたしはハナちゃんをしんじるけどね。


 つまり、ソラリスかあさんはむかし聖女せいじょとしてあつかわれてたってことだよね。

 そこが、本当ほんとうにプルウェア聖教国せいきょうこくだったのかどうかは、まだ確定かくていしてないのです。


「みんないてください。まだはなしわっていないはずだ。それでハナちゃん。ソラリスさんはイージスさんになんて返事へんじをしたんだい?」

「えっとね。わるひとになっちゃったわたしわるいから。プルウェアさまのためにしばってるってってたよ」

「プルウェアさま……ってことはやっぱり」

「ハナちゃん。それは本当ほんとうなのですか?」

「ホントだよ?」


 本気ほんきおどろいてるのかな、ベルザークさんはハナちゃんの返事へんじいて、ひたいてました。

「し、しんじられません……なぜそんな邪教じゃきょうを」

「そう自分じぶんも、ハナちゃんのことをしんじられないって口走くちばしってるっスけどね」

「っ!? そ、それは!! ちがうのです!」


 なにちがわないけどね。

 でも、カッツさんの指摘してきも、ちょっと意地悪いじわるがするよ。


「ここまでのはなし整理せいりすると、ソラリスさんはプルウェア聖教国せいきょうこく聖女せいじょばれる人物じんぶつだった。だけど、なんらかの理由りゆう国中くにじゅうからうとまれるようなことがきて、した? そうとおもったきっかけは、きっとイージスさんってことだよね。ハナちゃん。イージスさんはそのあと、ソラリスさんにそうと提案ていあんしたのかな?」


 ブツブツとつぶやいたあとに、質問しつもんげかけたホリーくん

 そんなかれ返事へんじをするハナちゃんは、ゆっくりとくびよこったのです。


「ううん。げようじゃなくて、きようってってたよ」

きよう、か」

「そのあと、なんかムズかしーこといってたけど、かんなかった」

「そっか」

「でねでね、一緒いっしょるってうイージスさんをれて、したの!」


 そこからのハナちゃんは、ちょっとだけあかるい表情ひょうじょうもどったがする。


 教会きょうかいころのことは、あんまりたのしい記憶きおくじゃなかったのかな?

 それとも、たびはじまってからの記憶きおくたのしかったのか。

 どっちかだよね。


 それと、はなしいてるうちにかったことがあるんだ。

 それは、過去かこんだばっかりのころのハナちゃんは、記憶きおくうしなってたそうです。


 唯一ゆいいつおぼえてたのが、リッタって名前なまえだけ。


 ハナちゃんはたましい一部いちぶこわれてたみたいだし、それが記憶きおく影響えいきょうしてたんだろうね。


 ふふふ。

 最後さいご最後さいごまでおぼえてもらってたってかんがえると、ふふふ。

 可愛かわいいねぇ。


 おもわず、あたまをワシャワシャしちゃったよぉ。


 そんなこんなで、ホリーくんたち充分じゅうぶんにハナちゃんからはなしけたみたいだね。


 さすがに、焚火たきびつくざかな美味おいしそうだった、なんてはなしは、もとめてないみたい。


 わたしとしては、興味きょうみあるけどなぁ。

 まえに、じっくりかせてもらいましょう。


 食事しょくじきてきたころだし、そろそろ解散かいさんしようか。

 そんな雰囲気ふんいきになりはじめてたなか不意ふいにカッツさんがくちひらきました。


「1つだけ、おれからはなしておきたいことがあるっス」

「ほう? ここでべるということは、それなりに意味いみのあるはなしなのだろうな?」


 ペンドルトンさん、ハナちゃんのざかなはなしいてるとき、ホントにイライラしてたもんねぇ。


 ハナちゃんに文句もんくうようなことはしてなかったけど、カッツさんにたりかな?

 また喧嘩けんかはじまっちゃうよ。


 なんて心配しんぱいをしたわたしは、その必要ひつようがないことにきました。


大事だいじな、はなしっス」


 いつになく真剣しんけんかおのカッツさん。


「それで、はなしというのは?」

 うながすホリーくんこたえて、カッツさんははなはじめました。


「ライラックのことっス。やつ目的もくてきを、今一度いまいちどかんがえたほうがしてるっス」

やつ目的もくてき? それは重要じゅうようはなしなのか?」

「少なくともおれ重要じゅうようおもってるっス。とくにリグレッタ、あの宣言せんげん実行じっこううつすのなら、けてはとおれないかべになるとおもうっスよ」


 あの宣言せんげん。それは確実かくじつに『不死ふし宣言せんげん』のことだよね。

 そうわれたら、真剣しんけんかなくちゃだよね。


「カッツさん、くわしくかせてもらってもい?」

おれ、ここにやって初日しょにちに、やつ酒場さかばはなしたっス」

「なんだとっ!?」

にいさん、いて」

「カッツ。その情報じょうほうかたによっては密偵みっていだとられてもおかしくないぞ」


 いかりと一緒いっしょ声音こわねおさえてる様子ようすのカルミアさん。

 それでもちょっとこわいよ。


 さすがは騎士きしってコトかな?

 でも、カッツさんもそういう対応たいおうにはれてるみたいで、ちいさくかたすくめるだけでした。


「そうっスよね。おれもそうおもってたから、ずっとだまってたんスよ。そういう悪知恵わるぢえはあるっスからねぇ」


 でも、だからっス。


 みじかく、そうむすんだかれは、この全員ぜんいんかお見渡みわたしていました。


やつはあのおれったんスよ。リグレッタがプルウェア聖教国せいきょうこくやつらを全員ぜんいんころしてくれるって、うれしそうなかおで」

「……そんなこと、わたしは」

「するつもりがないっスよね? それはこの全員ぜんいんってるっス。でも、それをったやつは、なにをしたっスか?」


 ハリエットちゃんをねらって、わたし宣言せんげん邪魔じゃまをしようとした。

 でも、カッツさんとハナちゃんに邪魔じゃまされちゃって、ハナちゃんが……。


「そうか。たしかに、色々(いろいろ)かることがありますね」

「ホリーにいさん? なんのこと?」


 かんがえをめぐらせるみんなに説明せつめいするように、ホリーくんつづけます。


「ライラックは、戦争せんそうつづけさせようとしてた、ってことだよ」

「ホルバートンさまやつはプルウェア聖教国せいきょうこく手先てさきです。ということは、あの状況じょうきょう戦争せんそう継続けいぞくさせようとするのは、とく不思議ふしぎではありません」

「そうだね。だけど、リグレッタにもとめるものが、カッツのうそれだったとしたら、どこにぞくしているかなんて関係かんけいないはなしだろ? カルミア隊長たいちょう

「それは……」


 たしかに、フランメ民国みんこくひとおなかんがえをってたとしても、わたしの『不死ふし宣言せんげん』は邪魔じゃまでしかないよね。


「そもそも、リグレッタに敵対てきたいしていたから、ライラックはプルウェア聖教国せいきょうこく手先てさきだと勝手かっておもってたけど、それもどうなのかあやしくなってきたとボクはおもうよ」

「そうっス。やつはプルウェア聖教国せいきょうこくたいするつようらみをってるようにえたっス」

「そういうことか……」


 ベルザークさんのつぶやきのあとおもたい沈黙ちんもくひろがりました。


 なんだか、おもたくなるなぁ。

 そんなことをかんがえてたときとなりすわってたハナちゃんが、そでをちょいちょいってってたのです。


「どうしたの? ハナちゃん」

「リッタ。これからどうするの?」

「う~ん。どうしようかなぁ」


 なやわたして、ハナちゃんはげるのです。


わたしね、教会きょうかいきたい」

「え? 教会きょうかいって、プルウェア聖教国せいきょうこくにあるってはなしだよね? あぶないよ?」

「うん。でも、きたいの。ダメ?」

「そっかぁ~。そんなにきたいなら、仕方しかたないよねぇ」

「ちょっとリグレッタさま!? さすがにそれは!」


 ベルザークさんは反対はんたいみたいだね。

 でも、上目遣うわめづかいで『ダメ?』とかわれたら、ことわ選択肢せんたくしいんだよ?


「ここまでたことだし、プルウェア聖教国せいきょうこくにあるっていう教会きょうかいまでってみようか」

「やったぁ!」

「まじっスか」

「……はぁ」


 みんな心配しんぱいそうなかおしてるけど、大丈夫だいじょうぶだよ。

 なにも準備じゅんびしないですすむわけじゃないんだからね。


 油断ゆだんはしちゃいけない。

 でも、挑戦ちょうせんしないのもダメなのです。

面白いと思ったら、いいねとブックマークをよろしくお願いします。

更新の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ