Episode95
偶然にもみんなでお風呂を済まし、揃って円卓を囲むノアたち。
夕食の時間である。
「兄貴、お久しぶりっす!」
「え~っと誰だっけ?」
「えぇぇ!? 酷いっす。兄貴まじで言ってるっす。その顔まじの時の顔っす。」
「うそうそ。ちゃんと覚えているよ。ロドリゲスだろ?」
「誰っすかロドリゲス!? ついこないだ一緒にパーティー組んだじゃないっすか! カイっす。」
「久しぶりだな、ゲイ。」
「誰がゲイっすか! カイっすよ、男は好きじゃないっす!!」
「ごめんカイ。僕は女性しか愛せない。」
「いやそれ、ゲイ!! カイだけどゲイ!」
最後には死んだ魚のような目になってしまうカイだったが、淡々と突っ込み役はこなしていた。
「今日から正式にクレアさんとクレアさんがギルドから引き抜いてきた秘書のエミリーさんがクランに加わるっす!」
「初めましての方もいらっしゃいますが、クレアと申します。正式に冒険者ギルドの方を脱退し、こちらの黒薔薇でお世話になります。よろしくお願いいたします。」
「よろしくねクレア。」
ノアが小さく手を振ると、クレアもそれに答えた。
「こんばんは。初めまして、秘書として加入いたします。エミリーと申します。以後お見知りおきを。」
「初めまして、よろしくエミリー。」
エミリーは金髪を後ろで束ね上げている。メガネの効果も相まってか、キリッとした印象でデキる秘書に見える。
二人が席に着き、場が落ち着くと使用人が一斉に入って来て豪勢な料理でテーブルを彩る。
「こりゃ凄いな。」
「主は起きたばかりなので、いきなりこのような固形物を食べられては、胃が驚いてしまいます。ですので一人だけお粥です。」
「ふざけんなよ。なんでこんなに沢山のご馳走に囲まれて...え、まじで僕だけお粥なの?」
シュヴァルツの言葉の通りにノアの前にだけお粥が運ばれてくる。
「私が愛をこめたお粥なんで美味しいですよ?」
アリアが自信有り気に言うだけあって、卵とお米が丁度良く混ざり合う美味しそうな卵粥である。
「美味しいとか不味いとか、味の話をしているんじゃなくて、僕もお肉とかお魚とか食べたいなっていう話なんだけど?」
「あぁ、お労しいノア様。私の家に仕えている凄腕料理人のご馳走を味わえないなんて悲し過ぎますわっ!」
「うん、エリー半分煽っているよねそれ。」
「ほら、あ~ん。」
横からレイナがお粥をフーフーして冷ましてから口元まで運んでくれる。
「あーん。」
「どうですか、マスター?」
「うん、凄く美味しいよ! お粥だけど。」
「よっしゃー!良かったです。」
その奥ではクロエがワインを片手にクレアとエミリーに絡んでいる。
おっと、新人二人も中々イケる口のようだ。
こうしてノアが目覚めて初めての食事は、アリアの手作りお粥となったのであった。
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