Episode92
「ん~っ...」
再び目を覚ますと、二度寝したクロエと不貞寝しているアリアに絡まれて動けない状態となっていた。
「なんでアリアちゃんまで脱いでるのさ。」
クロエに対抗してなのか、小振りな果実を映えさせるような可愛い下着姿でスヤスヤと眠るアリア。
「ん、おはよう。」
「おはよう、クロエ。」
クロエは体を起こし、食べごろなメロンを丸出しで大きく背伸びをしている。
横を見ると枕元には三人分の着替えが畳んで用意されている。
アリアが用意してくれたのだろう。
ノアのためにと作ったはずのお粥も、自分で食べたのか完食してあるのが見えた。
「ありがとうね。」
ノアは眠るアリアの頭を優しく撫でる。
「ん...おはようございます。マスター...じゅるり。」
眠気眼を擦りながら起き上がるアリア。
口からはよだれが垂れている。
「ごめんね寝ちゃってたよ。」
アリアの口元をさりげなく拭いてあげるノア。
「ありがとうございましゅ。私もマスターの生肌に密着してたら寝ちゃってました。何か食べる物作りますか?」
あの、アリアちゃん変態親父みたいな発言をサラッとしたよね今。
「いや、先にお風呂に入ってくるよ。ありがとう。」
また優しくアリアの頭を撫でて立ち上がるノア。
アリアは少し顔を赤らめる。
「それなら、私も一緒に入るわ。」
「それが良いですね。マスターはまだ完全回復してないでしょうから。私は栄養がある物でも作っておきますね。」
クロエの意見にアリアも納得したようだった。
昔だったら一緒に入ると駄々をこねたものだが、大人になったんだなぁ。
「うん、ありがとう。そう言えば、レイナとシュヴァルツは?っていうか此処は何処?」
「あの二人は、訓練中よ。魔族二人も引き連れて魔力コントロールの練習だって言ってたわ。」
「ここは冒険者ギルドのギルドマスター:イザベラさんが用意してくれた、来客用の別館って言ってました。私たちのクランで現在貸切ってます!」
「そうなんだ。僕たちも大所帯になってきたからそろそろクランハウスのことも考えないとね。」
「クランハウス?クラン全員で住むお家でも探すのかしら?」
「まぁ間違ってはないのだけど、住む人もいれば依頼もそこで受けられるようにもできたら楽かなって。それから、鍛冶や料理人も雇い入れてクランハウスで全てが完結出来るようにしたいなって思ってる。」
「凄いです!それってもうギルドそのものじゃないですかー!流石マスターです!」
「まぁ建物が見つかるか、建てるところから始めないといけないかもだし、お金と時間はかなりかかりそうだけどね。お金はある!主にエリザベスが持っている。」
「自分のお金じゃないのね。」
「マスター、流石です。」
人の金頼りなのに凄く偉そうにふんぞり返ることが出来る、それがノアであった。
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