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Episode91

クロエにはいくつかの誤算があった。


一つ目はパーフェクト・フリーズによってクロエ自信が完全凍結された事で、時間さえも停止し不老となったこと。


二つ目はそれにより魔力も遮断されたために、ホーリーチェインが対象者の消失と誤認し、魔法が解けたこと。


三つ目は何も知識のないクロエが、パッと見で魔力を帯びていて高そうな剣だったから。

と、いうだけの理由で王の寝室から頂戴してきた剣だったが、実は王の暗殺を企む貴族が有り金全てをはたいて手に入れ、城内の内通者に寝室で元々飾られていた剣と交換させた剣がこの魔剣グラムだったということ。


この誤算が今後の人生を大きく左右することは、今のクロエは知る由もなかった。


魔剣グラム、この剣は使用者の生命力を吸い取る呪われた武器である。

常人であれば手にした瞬間、死に至るだろう。


それはクロエでも同じことだった。幸運なことにクロエはその魔剣グラムに触れなかったことだ。


魔力を帯びていたように感じたため何らかの宝具であり、魔力を吸って何かしらの魔法が発動することを恐れ、直接手で触れることなく布で包み持ち運んでたいのが幸いしたのだ。


「司祭長!この氷ですが、今まで見えていた中身が曇り見えなくなってしまいました!」

「下がってメイジに火魔法を使わせろ!」


「「ファイヤーボール!」」

放たれた複数の火の玉はクロエの張った氷の結界に命中するが、焦げ跡すら付かずに四散してしまう。


何度も同じような火魔法を試すが何度やっても結果は同じであった。

メイジたちの魔力が底を尽きるまで行われたが、悪戯に時間を浪費するだけという結果となった。


「小賢しい。只の氷ではないということか。」

その時司祭長は氷の結界の近くに落ちている布切れを発見する。


「なんだこれは。」

布の包みをほどいてみるとそこには禍々しい魔気を放つ一振りの剣が出てきた。


「なるほど、この魔女はこの剣を欲したか...」

「司祭長どうかされましたか?」


「この魔女が大事そうに抱えていた布切れの中身がこれだ。これを盗み出すために危険を冒してまで王城への侵入を試みたのだろうな。」

「そうなのですね。どのような物なのでしょうか?」


「ふむ、宝具のようだな。」

「もしかしたらこの宝具でこの氷を溶かせるやもしれませぬな。」


「それは重畳、では振るってみるか。」

司祭長が魔剣グラムに触れた瞬間一気に生命力を吸い取られる。


「あぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁあ!」

「司祭長!!」


「何があった!」

「この剣に触れた瞬間に...」


「そ、そんな。」

「亡くなっておられる...」


帝国異端審問官の司祭長マルコス・グラシアスの予測はあながち間違いでは無かったのだ。


実際何年も後にノアが使用する魔剣グラムによってクロエの張った結界は破壊されているのだから。

だが、司祭長マルコス・グラシアスは魔剣グラムを所持するに相応しくなかったのだ。


それ故、魔剣グラムに生命力全て吸い取られ、死に至ったのだった。

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