Episode79
「ん...」
目が覚める。すごく長い夢を見ていた気がする。悲しい夢、そうとても辛く悲しい夢。
なんだっけなぁ、どんな夢を見ていたんだろう。あれ、思い出せそうで思い出せない。
そんなことより、ここはどこだろう? 知らない天井だ。
あぁでもふかふかのベッドに柔らかくて暖かい抱き枕。
むにむに。
ん?むにっ?
右を見ると泣きそうな顔したアリアが椅子に座ってこちらを見ている。
「おはようございます。マスター。もう起きないかと思いました...」
「そんな大袈裟な。大丈夫だよ、おはよう。」
さて問題はこの中だ。
布団をめくるとそこには全裸のクロエがパンツ一丁のノアに抱き着いているではないか。
「ほら、クロエ起きて。」
ノアはクロエの頭をポンポンと触って起こす。
「ふぁぁ。おはようノア。良くなったかしら?」
「うん、今はだいぶ楽になったよ。ありがとう。アリアちゃんもありがとね。」
ノアはベットから起き上がると背伸びをするが少しふらついてしまう。
「あれれ。まだ本調子じゃないか。」
「いいえ、マスターはあれから3日間も眠り続けたんですよ。ずっと熱も高くて本当に起きないのかと思いました。んぐっ、身体もゆっくりと回復させましょうね。うぐぅ...」
泣き出してしまうアリアの頭をそっと撫でる。
「心配かけてごめんね。そっか、3日も寝ちゃってたのか。道理でお腹が空いているわけだ。」
ノアが少しおどけて見せるとアリアは涙を拭い立ち上がる。
「それじゃ私はお粥作ってきますね!」
「うんおねがい。」
ノアはアリアに笑って見せる。
アリアが部屋から出て行くと、ノアはベッドの上で眠気眼でボケーっと座っているクロエに服を着せてあげる。
「はーいクロエ、服着ようね~。」
「あーんノア優しい。二度寝する?」
「うん、しないよ~。」
「え~しよ~よ。」
「しないってば、ちょっと、ちょ待ってよ。」
クロエになし崩し的に押し倒されるノア。
腕だけ通していた服もポイッと放り投げられ、まだ体力が回復しきっていないノアではクロエの束縛からは抜け出せないようだ。
「あははは!ちょっとクロエ動けないってば。」
「眠た~い。もう一回寝ようよノア。」
「も~。アリアちゃんが戻ってくるまでだからね?」
「ふぁ~い。」
すぐに眠りにつくクロエ。
きっとこうやって3日間ずっとくっついて、肌を合わせて魔力を僕に流してくれていたんだろうな。
ずっと熱も高かったと言うし、クロエが氷魔法で寒くならない程度で冷やしてくれていたんだろう。
「本当にありがとう。クロエ。」
ノアに抱きついて眠るクロエを抱きしめ、頭を撫でる。
次第にノアも眠気に襲われ、夢の中へ堕ちて行く。
「ただいま戻りまし...って寝てるし!! お~き~ろ~!」
アリアは自分で作った卵粥を自分で食べることとなったのだった。
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