Episode78
「アルティメット・リザレクション。」
深紅の魔法陣が死者を中心に、直径3メートル程広がり光を放つ。
魔法陣から赤色の粒子が渦を巻き天高く昇る。
死者の傷は塞がり、部位欠損も傷跡もなく完治した。
魔法陣から舞い上がった赤色の粒子は渦を巻き、死者の身体に吸い込まれる。
今ここに、術者の生命力を大幅に引き換えとして発動する、禁忌:究極蘇生魔法が発動する。
「ぐぁぁぁぁぁああああああ!!!」
死者は悲鳴を上げながら息を吹き返し、目を覚ました。
!?
オリバーは身体を起こし、周りを見回す。
「はぁはぁはぁ...」
そこに敵であるはずのノアたちや仲間であるはずの魔族たちが挙って自分を見ているのだ。
「まじか。」
「これは・・・」
「本当だったのね。」
「あのバラバラだった身体が...」
魔族たちは驚きを隠せないようで、それを見たオリバーも状況を処理しきれずに呆然としている。
するとノアが生命力の使い過ぎで意識が朦朧とし倒れそうになるが、シュヴァルツがしっかりと支え倒れずに済んだが額には脂汗を掻き苦しそうだ。
「「ノア!」」
「くそ、やっぱり来たか。ごめん暫くは無理そう。」
「全然、大丈夫です。全然。支えておりますので。全然。」
シュヴァルツはノアの身体を支えられながらも、ノアと密着していることでノアを堪能しているようだった。
ノアはまったくこの駄竜め。と思いつつも突っ込む余裕も残っていないので、オリバーとの会話を優先する。
「オリバーと言ったね?」
「あ、ああ。」
「先ほどはお互いやるべきことを互いの立場でやっただけで、こちらとしてはあんたを恨んでる訳でも、憎い訳でもないんだ。だから蘇生した。だから、そっちもそう思って受け入れてくれると嬉しい。しかもとっておきのやつだから、身体や魔力等の弱体化もないはずだ。変わりに蘇生時には極めて耐え難い激痛に見舞われるがな。」
「そうなのか。今のは初めて味わう激痛だった。そうそれはもう死んでしまいたいと思うほどに...」
「すまなかっ...」
ノアは言い切ることなく意識を失った。
レイナやクロエが心配そうに見守る中シュヴァルツはノアをひょいと両手で抱えるとメニダに指示を出す。
「帰ってゆっくりと休んでいただきたいので、転移陣を開いてもらえますか?」
「はい、ゲート。」
メニダは素直にゲートを繋ぐ。
「オリバー。事情はジャクソンから説明を受けなさい。私はレイナ様に仕えることにしたのでこれにてお別れよ。」
「お、俺も付いて行く!」
セシルとはオリバーの言葉に目を丸くし驚くが、ニヒルな笑みを浮かべてオリバーに言った。
「好きにしなさい。」
メニダが開いたゲートへ、ノアを連れたシュヴァルツ、クロエ、レイナが入っていく。
それに続いて、セシルとオリバー、最後にメニダが入っていきゲートは閉じられた。
「何か、凄く夢のような光景を見せられましたね。」
「そ、そうじゃのう、未だにちょっと信じられんわい。」
ジャクソンとエイデンはその場に座り込んでしまう。
その二人に向かって両手をパタパタと動かしながらヘンリーは訴える。
「え、てか、本当に行っちゃったんだけどセシルとオリバー。」
「そうじゃの。」
「これからどうしますか、魔界。」
「どうすんのよぉぉぉ!!!」
そこに取り残されたのは、途方に暮れる三人の魔族だけだった。
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