Episode77
最後まで残っていた結界を解くレイナ。
「やっと出られたぁ~もう無理~爺と狭い空間にずっと二人は駄目だわ、まじ加齢臭キツイ。」
「ぬかせ小娘。こっちも香水がプンプンして鼻がひん曲がるかと思ったわい。」
ヘンリーとエイデンは喧嘩真っ最中のようだが、皆の視線が集まっていることに気づくとお互いに顔を見合わせ、黙り込むのであった。
「なによ。」
「どういう状況じゃ。」
「ヘンリーに、エイデンも聞いてちょうだい。私はレイナ様に付いて行くこととなった。残った貴方たち摩天楼幹部でこの魔界を支えなさい。」
「え、まじか。」
「なんじゃと?」
驚く二人の視線の先には絶望した表情を浮かべるジャクソンが居た。
「ジャクソンの目が、死んでいる!?」
「さて戻ろうか。メニダ出番だよ。」
ノアの遥か後方で待機していた魔族のメニダがそそくさとこちらへやって来るとゲートを開く。
「ゲート。」
「待ってノア。」
「どうしたのクロエ。」
「さっき思いついたんだけど、あのごつい大男って蘇生出来るんじゃない?」
「あ。」
「え。」
クロエの閃きにノアもレイナもシュヴァルツまでもが静止した。
忘れていたのである。
そうすっかりと。
「え、蘇生って言った?今蘇生って聞こえなかった?」
「そ、そうじゃな聞こえたのう。」
「はい、聞こえましたね。」
「ええ、言ってたわね...」
ざわつく魔族達。
それを横目に
「メニダ。さっきの大男と出会った場所にゲートを開いて」
「はい。ゲート」
ノア達はそそくさとそのゲートへと入り込む。
先程オリバーと戦った場所へ戻ると、まだ砕けた氷は溶けることなく残っている。
「これいつまで凍ってるの?」
ノアは砕けた小さな氷を拾い上げ握るが冷たいだけで、ノアの体温で溶けだすことがない。
「ん?溶けないわよ。魔力が切れるか私が溶かそうと思うまではね。」
「そういうことか。氷自体に魔力を練りこんでいるから、その魔力が尽きるまでは溶けださないと。」
「そうね。そんな感じよ。」
「凄いなクロエは。」
「あらぁ、褒めてくれるの?」
「そうだよ?素直な感想だよ。」
ノアが褒めただけで上機嫌になるちょろい魔女チョロエである。
「さて蘇生するけど、セシル。」
「なんですか?気軽に呼ばないでください。」
セシルは嫌そうにノアに答える
「こいつ名前は?」
「オリバー・ブラウン」
「そうか、オリバーはレイナの味方になってくれるかな?」
「そうですね、仮にその蘇生とやらが本当に成功して生き返ったとしたら、オリバーはレイナ様に忠義を尽くすでしょう。」
「分かったよ。ありがとう。」
「礼など要らないので、しっかりその蘇生とやらをやってくださいね。」
嫌味っぽく言うセシルだが、正直レイナが慕うノアを気に入らないだけである。
ただのやきもちだ。
「はいはい。それじゃあレイナ、ちょっと新技を使うから倒れたら支えてね。」
「うん分かった。」
レイナはそう言うとノアに抱きつき支える。
「え、なんで前から?普通こういう時って横からじゃない?ちょ まって」
今度は後ろからクロエが抱きつきノアをサンドする。
「ヒィッ!ちょっと変なところ触るのはやめなさいクロエ!」
ノアが動けないのを良いことにクロエはノアの下半身を弄っているのだ。
ゴツンッ! ゴツンッ!
「いた~い。」
「痛い。」
シュヴァルツによる鉄拳制裁を頭に受けた二人は、痛みのあまりノアから離れて頭を抱えている。
「主これで大丈夫です」
先のレイナと同様にしれっと前から抱きつくシュヴァルツにはもうノアは突っ込むこともやめるのだった。
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