Episode69
「シュヴァルツ。出てきた魔族は皆殺しにしていいよ。」
「承知いたしました。」
「ま、間違えて私を攻撃しないでね。」
二人はとりあえずメニダの言葉は無視した。
メニダの部屋から出るとそこには広い廊下が左右に広がっていた。
それと同時に複数の魔族が視界に入る。
さっきのノアの魔気を感じて集まってきたのだろう。
ノアは右側に魔剣グラムを一振りすると魔力が三日月状の刃となって放たれる。
シュヴァルツは左側へ手を構え、高濃度魔力ブレスを放つ。
「魔光」
左右に放たれたそれぞれの攻撃によってこちらへ向かってきていた魔族が消滅した。
「す、すごい。」
メニダはこれは勝てないはずだ。と確信した。
実際、摩天楼Ⅸであるメニダはシュヴァルツと対峙した際に一撃も与えることなく速やかに首を落とされ処刑されている。
本人からすると、相当トラウマになるような事件だが、メニダは今蘇生されて生きているからまぁいっかぐらいにしか考えていないのかもしれない。
メニダは案内する間に次々と表れる魔族が片っ端から殲滅されていく様を見ている。
自分は今この殲滅している立場に、強い側について居るのだと改めて実感する。
仮にでも仲間で良かったと胸をなでおろすのだった。
何体目の魔族かも覚えていないが、角を曲がったその時目の前にゲートで転移してきたオリバーと鉢合わせる。
「侵入者は貴様等かっ!」
「ガッ!!」
瞬時に竜化したシュヴァルツがオリバーへ回転し威力の乗った飛び蹴りを喰らわせる。
「ぐううぅぅぅ!!!」
両手をクロスさせ、受け止めるオリバーに対してヘルムの下で少し驚きの表情が浮かぶ。
「ではこれはどうでしょう?」
そのクロスさせた両手に対して更に蹴り、かかと落とし、尻尾での殴打を繰り返すこと約100秒。
とうとう、オリバーが膝をつく事となる。
「グハッ...ここまでとは...」
「なんですか貴方? 私の攻撃に耐えるなんて。と思ったら摩天楼のⅡではありませんか。ナンバーⅡがこの程度の実力だとトップや魔王も底が知れていますね。」
そう言うと跪くオリバーの顔面を蹴り壁までぶっ飛ばした。
シュヴァルツは既に事切れていると思われるオリバーに背を向けノアの方へ歩き出す。
すると、オリバーが吹き飛んだ方向から、魔気が爆発的に跳ね上がった。
「何があっ...」
流石に驚き振り返るシュヴァルツ。
だが、振り返る前に後頭部へ衝撃が走る。
起き上がったオリバーがシュヴァルツへと瞬時に近づき、膝蹴りを喰らわせたのだ。
吹き飛んだシュヴァルツをノアが受け止める。
「うぅ...あ...るじ...」
ここでシュヴァルツの記憶は途切れた。
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