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Episode67

「おぉなんじゃその娘っ子は。」

癖で白髭をいつも触っているエイデンは、オリバーが抱えて連れて来た血塗れのレイナを見て驚いている。


「良い器が手に入った。」

オリバーは多くを語らなかった。


魔族は別に人族を下嫌いしているわけではない。

只、自分達の種族より劣っている種族だと認識があるだけだ。


例えその人族が互いに殺し合おうが知ったことではないが、今回は魔族が人族を辱めたのだ。

許せないと彼は感じた。


魔王様の不在の今魔族を取り纏め手本となるべき摩天楼の一人がそのような下劣な行いをしたことに怒りを感じている。


元々の摩天楼は5人である。

魔王様の復活を最優先に動く摩天楼は魔族の統治が疎かになるのは必然だった。


そこで、魔族を取りまとめる5人を摩天楼に追加し10人態勢へとなったのだ。

今思えばこれが失敗だったのかもしれない。


摩天楼に泥を塗るような輩が混じっていたなんて、実力のみで判断するのではなかった。

今オリバーが何を後悔し何を思おうが、後の祭りである。


「ふむ。と言うことは今から始めるんじゃな?」


「あぁ。他の者も呼んでくれ。」

「うむ。心得た。」


***


祭壇へ寝かされたレイナの体からは既に温もりが失われつつある。

顔色も血の気が引き心なしか白く見える。

魔族の回復魔法によって傷は全て治された状態となっている。


「遂にこの時が来た...」

セシルは持っていた桐箱から15センチ程の黒と銀の模様が渦巻き動いている丸い水晶のような球を取り出した。


「それが魔王様が封印されているという魔宝玉(まほうぎょく)なのね。」

ヘンリーが生唾を飲み込みながら見つめるそれは魔族から見ても禍々しくそしてとても美しい。


「皆さんこれを」

そう言ってジャクソンは短剣を4人へと配る。


「片手でナイフの刃を握り、この魔宝玉(まほうぎょく)へと血を垂らしてください。その間5人で魔力を注ぎ続けます。成功すれば輝きが強くなるので同じ事を次々と繰り返していきます。」


「それはどれだけ続けるんじゃ?」

魔宝玉(まほうぎょく)が割れ、中身がこの器に入るまでです。」


「それって、下手したら私達魔力枯れるんじゃないの?」

「ヘンリーの言う通りです。なので5人でローテーションでやります。」


「なにそれ、聞いてないんだけど!? 魔力が無くなった所を誰かに襲われでもしたら私達抵抗しようがないじゃない! 黙って死ぬなんて嫌よ私は!」

「黙りなさい。魔王様に命も捧げられないの? それなら今ここで私が殺してあげるわ。さぁ、死にたい者は居るかしら?」


「「...」」


正直この5人の内命を捧げてまで魔王復活を目論む者は何人居るのだろうか。

セシルと、オリバーはそうだとしても、それ以下の3名は気持ち半分といったところだろう。


だがそれをセシルは一喝して従わせてしまう。

強引だが、セシルはそれ相応の力を持ち合わせているのだ。


そう、他の4人が束になっても敵わない程の圧倒的な力。


摩天楼(ワン) セシル・ティレモア 彼女は現在魔族の中で最も魔王に近いと言われた女である。

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