Episode65
シュヴァルツはやっとの思いでノアの放つ殺意から抜け出し、この場所で倒した女魔族の死体の元へ移動する。
もう一人の魔族には逃げられたがこの女魔族は、シュヴァルツ直々に首を刎ねて殺したので記憶にも新しい。
片手を持ち体を引きずり、頭も拾いノアの元へ運ぶ。
「主、ここに魔族の死体が揃いました。蘇生魔法をお願いします。」
「パーフェクト・ヒール リザレクション」
女魔族メニダの切断された首は元通りになり、全ての傷が癒える。
その後、蘇生魔法により息を吹き返したメニダは上体起こすが、状況は呑み込めていない。
「おい、魔族。 魔界へのゲートを開け。」
「私死んだ...? なにが... !! ドォラァゴォォォンンンンン!!!」
メニダはシュヴァルツを発見すると、怒りをあらわにし今にも飛び掛かりそうだったので、ノアは魔剣グラムでメニダの頭部を貫き殺す。
「パーフェクト・ヒール リザレクション」
メニダはまた蘇生され、上体を起こす。
「ま、また、殺された!?」
「おい、魔界へのゲートを出せ。」
「そんなもの出すわけ、 ギャア゛ァァァァ!!」
メニダの右太股に魔剣グラムで切りつける
悲鳴を上げているが、前髪が長いせいで表情までは良く見えない。
「時間が無い。 ゲートを出すまで 何度も何度も 繰り返し苦痛を与えてやろうか?」
「ハァハァ...いい... ンギャァァア゛ア゛!!」
次は左足の太股に魔剣グラムが突き刺される。
「いいいぃぃあ゛あ゛あ゛ぁ!! はぁはぁはぁ...」
痛みによるものだろうか少しメニダの顔が赤くなっており、息も荒い。
激し過ぎる痛みによってなのか、失禁までして小刻みに震えている。
「まだ屈しないか。」
「パーフェクト・ヒール。」
メニダは完全回復される。
「ハァハァ...な、何でもします...」
「魔界へのゲートを開けろ。」
「はい、出来ます。」
「さっさと開け。」
「・・・」
「どうした?また、痛めつけられたいのか?」
「いえ...」
「早くしろ。」
ノアはもう一度メニダの右太股へ魔剣グラムを突き刺した。
「あ゛あ゛あ゛ぁ!! ハァハァ...」
「お前...喜んでいるな...」
このメニダという者はどうやら、真正のドМ魔族だったらしい。
「パーフェクト・ヒール。 お前名前は?」
「メニダ...」
「じゃあメニダよく聞け。俺の仲間が魔界へ連れ去られたかもしれない。今それを追いかけようとしている。仲間を救い出すまでお前に出来る最大の協力をしろ。そうすればお前の望みを何でも聞ける範囲でひとつ聞いてやる。」
「えぇ... んふふふふ。」
メニダは何を考えているのか、とてつもなく気持ち悪い笑みをこぼしている。
「さぁ、どうする?」
「やる。」
「交渉成立だな。」
「ゲート。」
こうして魔界への道が開かれたのであった。
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