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Episode64

ノアは全力で地下迷宮を駆ける。

既に魔剣グラムを装備し、基礎能力を底上げした状態での全力疾走だ。


これに遅れず付いて来れるのは身体能力的にシュヴァルツしか居ないので、同行者は彼女のみだ。


地下迷宮内の景色が流れるように過ぎ去っていく。

時速150キロメートルは出ているだろう。


道中のミノタウロスは、勿論倒している時間が勿体無いので無視している。


中ボス・ラスボスと倒されており、先に通った魔族かレイナが倒したのだろう。

レイナが戦闘したと思われる場所にはレイナの魔力残滓が極僅かに残っている。


その魔力残滓を辿って追跡しているのだ。

あちらこちらで落ちている魔石を見るに、レイナはミノタウロスを倒しながら進んでいったのが分かる。


レイナはノアに魔族がもう一人迷宮内へ入っていったとの目撃情報を伝えた後、魔族の追跡に移ったに違いない。


「くそっ! あの時言ってくれれば。」


いや、気付かなかった自分が悪いのだ。


二人の時は常に横に居てくれたレイナ。

人数が増えるにつれ、少しずつ心の距離が空いていたのかもしれない。


アリアと同じで小さい頃に出会い、レイナはそれからずっとそばに居る。


勝手に分かった気になっていたのだ。

今思えば時折無茶をするような子だった。


それはノアを守るときなどに顕著に表れるのだ。


彼女は魔剣グラムの副作用によって苦しむ僕の姿を一番近くで見てきた。

そのせいもあるかもしれない。


今回もそうだ、単独での魔族追跡。

これはノアでもやりたくない程に難易度が高い。


魔族は転移魔法を使える。

既に迷宮内には居ない可能性もあり、そして人数が増えている可能性もあるのだ。


前者はそれで済む話だが、後者になってしまうとレイナでは手に負えない。

両方でも無く、1対1で魔族に遭遇したとしてもかなり危険なのだ。


只の魔族ですら、自爆時にレイナは怪我を負った。

それが摩天楼だった場合、レイナは勝てない。


今のレイナでは確実に負けてしまうだろう。


最悪心臓を貫かれている程度だったり、欠損が激しくなければ蘇生出来るだろう。

だが、体自体を消滅させられてしまっている場合は蘇生の仕様が無いのだ。


「レイナ...」


分岐点を超えクロエが封印されていた巨大なドーム状の空間に出る。


!?


先ほどまでここで戦闘が行われていたのだろう。

魔族と思われる物とレイナの魔力残滓がより濃く残っている。


そして中央にはレイナの愛刀 妖刀:雷切(ライキリ)が地面に突き刺さっている。


「レイナァァァ!!!」


周囲を見渡すも居る気配が無い。


雷切(ライキリ)に近づいてみる。


「嘘だろ。」


雷切(ライキリ)付近にはレイナの物と思われる夥しい量の血痕が生々しくも残っている。


ノアは触って確認する。間違いないレイナの魔力残滓が血痕に残っている。しかも血痕が乾いていないのを見るに本当についさっきまでここに居たのだろう。


「シュヴァルツ」

「はい、主」


「魔界にはどうやって行く?」

「魔族を捕まえて転移魔法を使わせるのが手っ取り早いかと存じます。」


「では魔族を探せ。レイナはきっと生きている。生きて魔界へ連れ去られたに違いない。すぐにでも助けに行かないと。下手したらクロエの身代わりにされるかもしれない。俺の身内に手を出した報いは必ず受けてもらう。魔族は全て嬲り殺しにし、魔界を滅してやる。」


心ここにあらずといった状態だが、憎悪や憤怒といった感情が垣間見えるノアにシュヴァルツは戦慄する。


人間はこんなにも純粋な殺意を出せるものか。

背筋が凍り付く、全身の毛穴から脂汗が噴出しているのを感じる。鳥肌が収まらない。

自分に向けられたものではないと分かっているのに、足が竦んで動けない。


「しっ、承知しました。」

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