Episode59
「あーぁ、殺っちゃたよ。仲間の頭を片手で握りつぶすかね?普通。」
ジャクソンはため息をつきながら、肩を竦めた。
「そういえば、カーターとマシューは何をしているのじゃ?」
「知らなーい。もう死んでたりして~。」
エイデンの問いかけに興味が無さそうなヘンリー。
「奴らが死んでようがどうでも良い。魔王様に相応しい器を探すのだ。」
「あぁ。」
「だね~。」
「そうじゃの。」
「了解。」
摩天楼は動き出す。
***
マシューは地下迷宮内を全力疾走していた。
「ヤバいヤバいヤバい。」
カーターを倒した黒い鎧はヤバかった。
禍々しい魔気は今でも感じ取れる程に覚えており、夢にまで出てきそうな勢いだ。
摩天楼と比べても正直、ⅣのエイデンやⅤのジャクソンでは敵わないだろう。
ヘンリーと良い勝負ではないだろうか。
そう言ってもヘンリーはかなりのバケモノだ。
オリバーやセシルと比べるとやや劣るというだけで、実際ヘンリーはかの有名な最古の竜と互角に殺りあって引き分けた過去があるのだ。
竜種とはこの世で最強とされる一柱である。それと互角に引き分けるなどと、考えただけでも恐ろしい。
もう、こうなったら魔王様の体となる女だけでも回収して帰ろう。
あの光景を見た時、マシューは一瞬でその判断を下し地下迷宮へ逃げ込んだのだ。
だがこれは英断である。あのまま黒い鎧と対峙していれば間違いなく殺されていただろう。
カーターと共闘し、黒い鎧に立ち向かったとしても無理だっただろう。
何故なら明らかにヤバいのが、もう二人も居たのだ。
一人は見るからに剣士だったが、只者ではないと感じた。
マシューの見立てでは自分と互角かそれ以下という判断であった。
その判断は概ね正しいものであった。
もう一人は間違いなくあの3人の中では一番と思われる魔気を誇り、関われば呪われてしまいそうな、そんな深く濃い闇を感じたのだ。
視界が開ける。
ここに...!?
そう、マシューの視線の先には、只の広いドーム状の空間が広がっているだけで聞いていた話のクリスタルのような、氷の結晶に封印されているはずの女の姿は無かったのだ。
「どういうことだ!」
既に持ち出された? いや...
まさか、あの3人の中の一人がここに封印されていた女だったと言うのか...?
マシューは考える。
誰だ? あの3人の中で誰が封印されていた?
黒い鎧の奴は氷なんて物理的に破壊して出てきそうだ。
大人しく封印されているなんて、そんなタマじゃないだろう。
魔気がヤバいあの女はそもそも封印なんてされないだろう。
きっとメイジか何かで魔法を得意とするはずだ。
と、なると消去法で残ったのは...
「やっと見つけた。」
!?
マシューが振り返るとそこにはレイナが立っていた。
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