Episode58
「ヘンリー。席に戻りなさい。」
「ッチ。わーったよ。」
セシルに怒られては反抗出来ないのか、ヘンリーはそそくさと席に戻る。
「しかし竜王を語るとは大きく出たものじゃのう。その事が本物の竜王の耳に入れば祖奴の命もそこまでじゃな。」
エイデンは白く伸ばした髭をスルスルと触りながら、開いているかも分からないような細い目を見開く。
「またお客さんじゃな。」
「どうでもいいが、魔王様が復活なされた時に摩天楼10人が揃ってないのは不味いのではないか?」
オリバーは組んでいる太い腕を組み替え、セシルを見る。
「私たち5人が揃って居ればそれで構わないわ。Ⅴ以下の雑魚など初めからカウントしていないもの。」
「ふむ。であれば良いが。」
「Ⅴの俺からしたら、その発言恐ろし過ぎ...」
ジャクソンは話すのを途中で辞め、ドアの方に視線を送る。
そこには黒く汚れてみすぼらしくも、片腕が切断され止血のみの状態のダルトンが立っている。
「ご助力をお願いしたく参りました...」
「あぁ? おめーもやられてノコノコと帰ってきたのか?」
ヘンリーがイスの後ろへ重心をかけ、テーブルに足を上げくつろぐ。
スカートがめくれ綺麗な太股があらわになる。
「まぁ待つのじゃヘンリーよ。どうなったのか話してみるのじゃ。」
エイデンはヘンリーのセクシーな体制に見向きもしないようだ。
「ベ、ベゼット? これはベゼットなのですか?」
「あぁ、お前もこうなりてぇーか?」
「い、いえ!!」
「いいからさっさと話せ。」
痺れを切らしたオリバーがダルトンに説明を急かす。
「は、はい。ベゼットから氷の女の運搬を手伝ってくれと言われていた私は、メニダを連れて指定された位置へ転移したところ、ベゼットが戦闘中だったので加勢しました。ベゼットに応援を呼びに行かせ、私とメニダはそのまま戦闘を続行したのですが、敵が思いの外強く苦戦を強いられました。敵には竜種も居りまして、メニダはそいつに殺され私も片腕を失い逃げ帰って来ました。」
いつの間にかダルトンの背後に立つオリバー。
「ヒィィィ!!」
振り向いた時にはもうダルトンの頭はオリバーの大きな手で鷲掴みにされており、片手で持ち上げられてしまう。
「許してください。許してください。助けて、助...」
ダルトンは命乞いを最後まですることさえ許されなかった。
オリバーによって鷲掴みにされたダルトンの頭部は、水風船が割れるかのように潰れ飛び散った。
首を失ったダルトンの胴体は少し痙攣した後、動かなくなった。
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