Episode55
キィィイイン!!
フレイヤが目を開けるとそこには竜化したシュヴァルツが、フリッツの剣を手で受け止めている。
「貴女は...」
シュヴァルツはフリッツの剣を受け止めてない方の手で殴りつけへし折る。
パキィィィイン!!
「なんでやねん!!」
カーターは思わず声に出してしまう。
その光景にフレイヤもただ呆然としてしまう。
そのままフリッツはシュヴァルツに片手で捕まれ、エンツォが気を失っている方までぶん投げられる。
「えらい厳ついの出てきよったでぇ。」
カーターは少し距離を置くために後ろへ飛び退くが、シュヴァルツが逃がすまいと距離を詰め殴りかかる。
シュヴァルツの右手による大振りな攻撃は紙一重のところでかわされるが、その後にやって来る尻尾による追撃は避けることが出来ずに直撃してしまう。
「ぐはっ!!」
カーターの横腹は抉られ、おびただしい量の出血をしている。
「摩天楼Ⅷの実力はこの程度ですか? 先ほどのⅨもそうでしたが、あまりにも弱すぎる。」
「あんたが強すぎるだけやでぇ。バケモノやないか。」
「では死んでください。」
シュヴァルツが繰り出す右足による蹴りがカーターの頭部へ直撃し、はじけ飛ぶ。
首がない体はピクピクと痙攣しながら後ろへ倒れて、赤い水溜まりを作り動かなくなった。
「すごい...」
「フレイヤ、平気?」
フレイヤは目の前の光景に必死で、ノア一行が戻ってきている事に気が付いていなかったので、声をかけられて明らかに動揺したようすだ。
「あ、ありがとう。不死王」
「ノアでいいよ。エンツォとフリッツは今アリアちゃんが見てるし、ヒーラーの子はどこ?」
「こっちよ。きて。」
少し離れたところに転がるメイソンの体。
そこにエリザベスがやって来る。
「ノア様! あっちに冒険者の死体が多数発見いたしましたわ!」
「じゃあ、まとめてやるか。シュヴァルツ~魔族の体を消滅させといて。」
「承知いたしました。」
シュヴァルツは先ほど戦った魔族の死体に近づく。
「魔光」
魔気でガードしていない魔族の体は脆いもので、人間の体を何ら変わりないようにシュヴァルツの魔光によって消滅した。
「さて、始めようか。あれ、何かここでやるのデジャヴじゃない?
アルティメット・ヒーリング」
金色の魔法陣が術者を中心に、直径50メートル程広がり光を放つ。
魔法陣から金色の粒子が渦を巻き天高く昇る。
魔法陣が届くエリアに、究極範囲治癒魔法が発動する。
範囲内に居る者全ての傷は塞がり、部位欠損も傷跡なく完治した。
「リザレクション!」
白銀色の魔法陣が死んでいる者の各々の身体を中心に、直径1メートル程広がり光を放つ。
魔法陣から白銀色の粒子が渦を巻き、それぞれの身体に吸い込まれる。
術者の生命力を引き換えに発動する、禁忌魔法が発動する。
範囲内の死者は息を吹き返した。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!
ブックマークと下にある★★★★★を押して、やまうさの応援をお願いします。(*'ω'*)
既にブクマ、評価が済んでいる方は最高です!!凄く励みになっております( *´艸`)
感想やレビューも書いていただけると、非常に喜びます!
この作品を一緒に有名にしてください♪
次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。
【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa




