Episode53
「ってか、クロエ」
「はぁい?」
ノアにベタベタしていたクロエだったが、この後の一言で一変する。
「僕さ、小さいクロエが良いんだけど。」
「え?」
しっかりと場が凍り付く。
「小さいクロエはどこに行ったの? 僕のミニクロエを返して。」
「いや、この姿が本物で...」
駄々をこねるノアにレイナも冗談で便乗する。
「小さいはクロエ可愛かった。」
「えぇ! ちょっとレイナさんまで?」
普通にショックを受けるクロエ。
「呼び捨てで構わない。大きいクロエも もう仲間。」
「クロエさんはもう少し露出を少なめにしてくださいね?」
「クランの戦力的にはメイジは欲しいところですね。」
レイナの仲間発言に感動するクロエ。
アリアには注意されつつも、シュヴァルツには戦力として認められたようだ。
「レイナ、アリアにシュヴァルツもよろしくねぇ。」
そこに黒天が近づいてくる。
「おいおいどうなってんだ。」
「その人があの小さかったクロエなの?」
頭をポリポリと搔きながら近づくゾーイと、ダガーをしまいながらペネロペもやって来る。
「クロエは精霊だった。多分気付いたのはノアさんとシュヴァルツさんくらい。」
「そうでしたの?グレースも気が付いていたのだったら教えてくださいまし!」
更にグレースとエリザベスもやって来るが、何やらグレースは初めから気づいていたようだ。
「ごめん。何か言い出しにくくて。」
「黒天のみんなもよろしくねぇ~」
ヒラヒラと手を振って挨拶するクロエに恥ずかしそうに手を振り返すグレース。
「よしじゃあとりあえず外に出ようか。」
「ボス部屋奥に地上への転移陣があると思いますわ!」
「じゃあそこまで行こっか。」
エリザベスの提案で転移陣まで向かうノア一行であった。
***
「はぁ~暇ね。」
ため息をつき、日陰で座り込んでしまっているのは炎帝フレイヤだ。
「良い事じゃないか。あれだけ出てきていたミノタウロスも、不死王たちが中に入ってから一切出てこなくなったんだし、他の冒険者の被害もあれ以降出ていないしね。」
冒険者パーティー:白夜のリーダーフリッツは話しながらも洞窟から目を離さない。
「にしてもよぉ、あの黒い奴。あいつはマジでやべぇ。この世の終わりかと思ったぜ。」
「そうだね、僕も死んだなって思ったよ。」
エンツォの言葉に激しく同意するヒーラーのメイソン。
「まぁ一番ヤバいのはその黒いのと剣神レイナまでも従える不死王なんだよね。」
「確かにな、死んでも生き返るんだから不死の軍勢ってか?」
フリッツと同意見のエンツォだったが、今日という日が来るまでは正直死者が生き返るなんておとぎ話を聞かされているかのようで半信半疑だったのだ。
聖女が生き返った事や、この場の冒険者が実際に目の前で蘇生されたので疑いようもない事実だと認識はしたが、今でも半分騙されているような気分であった。
「そうね、剣神だったりあの黒いナニカだったり突出して戦闘力が高いメンバーもいるし世界でもトップ3のパーティーに入るんじゃないかしら。」
「そうだね。帝国の勇者率いる冒険者パーティーがSSS級になったとか聞いたけど、下手したらそこよりも強いかもしれないね。」
その時上空にゲートが開き、魔族が2体出現した...
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