Episode47
ノア達は隠蔽結界を破壊し、その奥まで続く狭い道を歩いている。
「ん~...」
「お、起きたかクロエ。」
「のあ?」
「おはようクロエ」
「おはよ!!」
「飴ちゃん食べる?」
「たべゅ!」
ノアがポケットから飴を取り出しクロエの口に放り込む。
「ん~あまぃ!」
クロエはご機嫌になったようだ。
「マスター少し寒くないですか?」
「うん、そうだね少し気温が下がってきたね。」
アリアは両腕をさすりながらノアに話しかける。
「少しじゃないかも。」
レイナが自分の口を指差すと白い息が出ているのが見えた。
「ちょっとお待ちになって」
エリザベスが全員に変温魔法をかける。
「助かるぜ~」
「暖かい」
後方で震えていたゾーイとグレースが喜びの声を上げている。
「凄いですエリザベスさん!こんな魔法もいけちゃうんですね!」
「オーッホッホッホ!!私、補助魔法も得意でしてよ!!」
アリアに褒められて、いつもより得意気なエリザベスだった。
暫く進むと急に開けた場所に出る。
「わー凄いですねこれ!」
アリアが興奮気味に話すのも無理はない。
その場所はドーム状になっており、中心では天井まで約50メートル程あり、横幅も端から端まで100メートルくらいはあるのだ。
しかし、そこに驚いているのはアリアだけである。
その中心にある黒く大きなクリスタル、そしてその手前に居る魔族をノア達は警戒しているのだ。
「さっきの魔族より強い。」
レイナは既に刀を抜いている。
黒天も戦闘態勢に入っている。
「様子を見に来てみればなんだ貴様等?どうやってここに入った?」
魔族特有の浅黒い肌の男で、身長は2メートル程あり、先程の魔族と比べるとやや細身な印象を受ける。
特徴的なのは頬にⅩのタトゥーが刻まれていることだ。
「おい、魔族、そのクリスタルはなんだ?」
「クリスタル?なんだ、これを狙って来た訳ではないのか。」
「そう言われると気になっちゃうんだよね。」
ノアは肩をすくめる。
「はぁ、面倒なんだよな。強者を相手にするのはっ!!」
そう言って、ノアを真っ先に狙っい飛んできた来た魔族だったが、シュヴァルツの右手によってその拳は止められてしまう。
「お前、何者だ?」
シュヴァルツの無挙動で放たれる左手からの魔光を紙一重で避け、距離を開ける魔族。
「ほう、今のを避けますか。竜化!」
シュヴァルツが抑えていた魔気が露わになり、絶望的なプレッシャーが魔族を襲う。
黒い靄がシュヴァルツの身体に纏わりつき、黒い鎧へを変化する。
竜騎士。人型ではあるが、尻尾が付いておりそれを振るうだけで岩程度であれば真っ二つにするぐらいの威力がある。
また、指先や尾の先端などは逆鱗のような形状となっており、触れたものを全て切り裂いてしまうような鋭利な刃物のような仕様となっている。
シュヴァルツの竜化には段階がある。
一部分のみの竜化は瞬時に行う事が可能で、今回みたいな騎士の鎧のような形態は黒い靄で全身が包み込まれてからの変化となるようだ。
また、それ以上となると、この状態に竜の翼が足されるだけとなるが、空中戦闘も可能となり翼での防御も行えるようになる。
「さて、退屈していたところです。お相手して差し上げましょう。摩天楼の末端さん」
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