Episode46
「やりましたわ~!」
「流石サラマンダーのブレスは破壊力抜群だな!」
「タイミングが合ってよかった。」
ペネロペ以外の黒天のメンバーは勝利を喜び合っている。
SS級冒険者パーティーとしてはS級牛頭討伐は凄いことではないのだが、最終的にほぼ無傷で完封勝利とまで行くと話は別なのである。
「どうでしたかお姉さま?」
レイナの所まで寄って来るペネロペは褒めてもらいたくて目を輝かせている。
「うん。すごくよかった。しっかり牛頭の動きを先読み出来ていたね。」
頭を撫でられるペネロペはまたデレデレモードだ。
「凄い、凄かったです!エリザベスさんのプロテクトシールドの使い方上手で、とても勉強になりました。」
「いいえ、アリアさん。あのシールドの使い方はノア様のやり方を真似しているだけでしてよ!」
「え、そうなんですか?」
いつも自慢げに話すエリザベスだが、今回はアリアに褒められていることもあり、いつもより誇らしげだ。
「ええ、ノア様でしたら、もっと上手く敵の動きを誘導していると思いますわ!」
「やっぱりマスターは凄いんですね!」
「ええ、そうでしてよ!」
アリアとエリザベスがノアの方に視線を送ると、ノアとシュヴァルツは既に先に進んでいる。
「どうしたんですかマスター?」
アリアはボス部屋の最奥でシュヴァルツと何か話しているノアに近づく。
「ここだな。」
「はい、ここだけ迷宮の魔力が不自然です。」
「どういうことですの?」
「分からないです。」
アリアは全く状況が理解できていない。
そこにエリザベスも合流し、お互い顔を見合わせている。
「この奥にまだナニカがあるかもってことかな。」
「ええ!隠し部屋ですの?」
「こんな高度な隠蔽魔法どうやって・・・」
「シュヴァルツ破壊して。」
「承知しました。」
「え、こんな高度な結界、そんな簡単に...」
シュヴァルツは思い切り振りかぶり、怪しい壁を殴りつける。
ドッォォォオオオンン!!!!
「え?なに!?」
「地震か!?」
牛頭の魔石を拾っていたゾーイとグレースが驚いている。
ピキッピキピキッ!
結界にひびが入っていく
パリィィィイインン!!!
ガラスのように砕け散る結界。その向こう側には迷宮が続いている。
「噓、でしょ・・・」
アリアは呆気に取られてしまう。
「さて、行ってみようか。」
「はい。」
何事もなかったかのように歩き出すノアとシュヴァルツを見て、黒天はヤバいクランに入ってしまったと思ったのであった。
通常結界は物理的に破壊するのは難しい。
今先程まで張られていた結界は超高度な結界であり、尚のこと破壊は難しいのだ。
それを殴っただけで破壊してしまうシュヴァルツは本当に規格外であり、バケモノなのだと改めて実感した黒天とアリアだった。
「行くよ。」
レイナの言葉に黒天とアリアも動き出す。
「待ってくださいよ~マスター!!」
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