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Episode1

やまうさと申します。

ラノベやアニメが好きで私も書きたいっ!

そう思って書き始めましたが、実際に書くと本当に難しい;;

この作品が処女作となります。

お目汚しでございますが、よかったら読んでいただけると嬉しいです。


こちらの序章は本編より少しだけ未来の話。

本編はEpisode3より開始

破れた馬車のテントから、日が射し額には汗が滲む。

寝てしまったのか・・・

先程まで閉じられていた瞼は開き金色の虹彩が露わになる。


うっ...眩しい。

ぱっと見少女にしか見えないような姿をしている彼に向かって話しかける者が居る。


「おはよう、ノア。」


上から覗き込みながら彼女はノアに自分の髪が掛からないように押さえる。

この状況は? 膝枕? そうか、寝てしまっていたのか...


最高級の枕への名残惜しさを隠しつつ、日光を綺麗に反射する白色の髪をかき上げ身体を起こす。


固まった身体を背伸びをして解す。

その拍子にハラリと背中にフードが落ち、黒色のローブ背面に刺繡されたクラン家紋の黒い薔薇が隠れる。


彼女は僕の乱れた髪を手ぐしで整えている。

数分? あるいは数十分? どれくらい眠ってしまったのだろうか。


堅い馬車の荷台で寝てしまったせいか、身体の節々が少し痛い...

だが、常時発動スキル:自動治癒オートヒールで既に回復したようだ。


「ふぁ~良く寝た。おはよー。」


そう彼女へと返事をする。

僕が起きたことを確認した商人が、馬車の前席から振り返りながら親指を立てる。


「あと1時間ほど進めばシリウス王国に着きますよ旦那ぁ!」


「サンキューおっちゃん。」


僕の横から頻りと強烈なハグをしてくる、黒髪ロングの超絶美人さんだが、

実は見た目からは想像もつかない様な戦闘力を持ち合わせている。


黒薔薇ブラック・ローズレイナ・ブラックローズ 冒険者ランクSS


今回、冒険者ギルドからの強制依頼を達成する為に必要不可欠な存在であり、この世界の最大戦力の一人と数えられているうちのクランメンバーだ。


ノアのことを慕っており、いつどこへ行くのも付いて来てベッタリと絡みつき離れないのだが、いざ戦闘となるとたった一撃で国をも落としてしまうほどの力を秘めている。

きっとノアを敵に回すような愚行を犯す国が現れれば、即刻滅ぼしに出向くであろう。


革袋にはいった水を口に流し込みまた寝転がる。

膝枕もとい、太股枕は柔らかく非常に寝心地が良い。


「あ~すごい良い風景だなぁー下から見える大きなお山がふたーつ。」


フニフニと下からレイナの柔らかで豊満な胸を揉みしだく。

レイナは抵抗することなく、ノアの頭を撫でながら微笑む。


はぁ。帰ったら迷宮攻略か、それともまた何か困難な依頼を押し付けられるのだろうか...

休みたい休みたい、少しで良いからゆっくりしたい。10年くらいでいいから。

そう思いながら瞼を閉じるノア。


小さな石ころで激しく揺れる馬車。

正直、乗せてもらってる身分で言うのも悪いが 非常に乗り心地が悪い。


なるべくゆっくりと休暇の気分だけでも味わいたかったので、転移魔法を使わずにゆっくりと帰っているのだ。


あぁ~こんなことなら、柔らかなお布団でも持ってくれば良かったなぁ。


***


30分ほど進んだだろうか。

馬車が通れるように適度に舗装された道に 装飾のされた馬車が一台乗り捨てられている


「こりゃひでぇ!」


そう言うと商人は馬車を止める。鉄が混じったような生臭い臭いが鼻をつく。

僕は飛び起き前方を確認する。馬車の付近には既に息絶えている男女が数名視界に入る。


貴族の物と思われる馬車が何者かに襲撃されたみたいだ...


よし、進め。無視しろ! 僕には関係ない。

そう本当では言いたいのだけれど。


「ちょっと確認してくるから、おっちゃんは荷台に隠れてて。」


「おぉ、気を付けるんだぞぉ!」


生存者はいるだろうか...馬車を降り生存者を探す。

4人の騎士は既に事切れており、2人はまだ息があるようだ。


男の方は馬車の御者だろうか 肩から肘までの深手を負っている。

もう1人は侍女らしき服装の少女が腹部を切られており重症だ。


「アルティメット・ヒーリング」


金色の魔法陣が術者を中心に直径50メートル程広がり光を放つ。

魔法陣から金色の粒子が渦を巻き天高く昇る。


魔法陣が届くエリアに 究極範囲治癒魔法が発動する。 

まばたきする間もなく傷口は塞がり 傷跡もなく完治した。


「うっ、どうなって...?」


少女は目を覚ますが状況が飲み込めていないようだ。

その間に御者のおっさんに近付き問い掛ける。


「何があったのですか?」


おっさんは身体を起こし、既に無い傷口を探している。


「貴方達は致命傷を受けて倒れてたのですが、傷はもう治しました。状況を教えてください。」


少女は刺されていた腹部を触り傷がないことを確認する。


「あ、あ ありがとうございます。」


まだ少女は唖然としており、御者のおっさんは周りを見渡し何かを探している。


「メアリー様はどこに...?」


少女も自分の仕事を思い出したようで、小走りで装飾が付いた方の馬車に駆け寄り中を覗いている。


「何処にも居ません。もしかして盗賊に攫われてしまったのでしょうか?」


「なんてことだ、旦那様に何て報告すれば...」


「街に帰って捜索隊をだすしかあるめえ? 馬車を見るにどこぞの貴族様だろう? 報酬が良けりゃランクの高い冒険者にも依頼できると思うぜ。」


僕達と一緒に来た商人がいつの間にか自分の馬車から出てきている。


事切れている4人の騎士だが、先程の究極範囲治療魔法で傷は完治している。

その内の1人は肘から先が切り落とされていたが、既に再生済みである。


古い手首は地面に転がっているけどね。

何か、深く考えるとキモいよね。うん。


「リザレクション!」


白銀色の魔法陣が4人の身体を中心に直径1メートル程広がり光を放つ。

魔法陣から白銀色の粒子が渦を巻き4人の身体に吸い込まれる。


術者の生命力を引き換えに発動する禁忌魔法が発動する。

4人は直ぐに息を吹き返しお互いに顔を見合わせる。


「俺は、無事だったのか?」


「いやそんなはずはない!」


「落とされたはずの手が治っている!?」


「ヒィッ...この落ちている手首は俺の手なのかっ!?」


困惑している兵士達だったが次第に状況を飲み込み始め、1人の騎士が僕のローブの胸元に刻まれたクランの家紋を見て呟く。


「薔薇の家紋ってどこのクランだったか?」


「薔薇だと?何色だ?」


ヤバい!騒ぎになりたくない!

瞬時にプイっと小さな身体を後ろに向けた。


大丈夫後ろはフードで隠れてるからね。多分。


「薔薇って言ったら、あの黒薔薇かあぁ!!?」


「なに!?そんな方々が、こんな所に居られる訳無いだろう。」


「本当にその家紋は黒い薔薇だったのか?」


「いやぁ確かに薔薇だった気がするんだ」


視線がすごーく痛い。背中向けてるから見えてないけど。


確かに黒薔薇は転移スキル持ちが多い。

移動の時短になるので、積極的に使用している。


他のクランに比べると現地への移動が無い分、各段に露出が減るのだ。


冒険者はソロでもパーティーを組んでいる場合でも、冒険者ギルドに出向き依頼を選び 受注し、依頼内容をクリアした後 また冒険者ギルドへ出向き依頼達成の報告をするというのが一般的な流れだ。


それはクランも同じだ。個人やチームが団体になっただけで、担当者が依頼を複数まとめて受注し、メンバーが各自こなした依頼を各自達成報告するのだ。


だが、黒薔薇は違う。


創立以降、依頼の破棄・失敗0、達成率が100%

故に、達成報告が不要とされている。


シリウス王国にて 最大の武力を誇る集団 

黒薔薇ブラックローズ 通称:クロバラ と呼ばれているSSS級クラン。


依頼受注もギルド関係者自ら黒薔薇のクラン拠点に出向き、売れ残った依頼や危険度の高すぎる依頼を押しつけにくるのだ。


それも大量に、だ。


受け取った依頼を秘書のエミリーさんが整理し、担当者を割り当て決定する。


これらの情報は冒険者ギルド及びシリウス王国が連名で公式発表しており、街や迷宮で黒薔薇のメンバーを見かけても、その行動を妨害してはいけないという規則を、正式発表したほどである。


そう、あの大規模なスタンピード以降黒薔薇(ブラック・ローズ)は有名になり過ぎたのである。

あの大騒動の目撃者は数知れず、シリウス王国軍から王国騎士団、冒険者に王子至るまで...


目撃者によりそれ等の情報が信憑性を増し、王国がそれを肯定したことにより拍車がかかって瞬く間に広がったのだ。


冒険者で黒薔薇(ブラック・ローズ)を知らぬ者は『もぐり』と言われる程に、王国内では英雄ともてはやされるくらい有名になってしまったのだ。


正直ちょっとやり過ぎた。

最初はこんなはずでは無かったのだ。


わぁ、凄く見てくる。

騎士が4人共ノアのことを凝視している。


変顔しとこ。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!

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この作品を一緒に有名にしてください♪

次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。


【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa

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