Episode42
シュヴァルツから戻された雷切を抜くレイナ。
「雷刃!」
前方からやって来るミノタウロスめがけて駆ける。
掴みかかって来るミノタウロスの左腕を下から切り上げ切断する。
悲鳴を上げるミノタウロスは既に縦に真っ二つになり、燃え尽き塵となっていく。
2体目のミノタウロスがレイナに迫る。
角での突き刺しを狙った突進のような攻撃だが、肝心のその角はバターのように簡単に切り落とされてしまう。
そして通り過ぎざまに首を刎ね飛ばした。
最後に3体目のミノタウロスは同族が目の前で瞬殺されたせいか、非常に怯んでおり攻撃してくる素振りが無く後退りしている。
ミノタウロス、いや、その後ろから強い魔気を感じたレイナは後方に飛び退く。
次の瞬間、ミノタウロスの頭が弾け飛んだ。
後ろから姿を現したのは高身長で短髪、筋肉質な男だ。
ノアの方を指差す男。
「それをよこせ。」
!?
赤く光る眼、浅黒い肌、そして禍々しい魔気。
「魔族・・・!?」
レイナの前から魔族は消え、ノアの前に現れる。
魔族は短距離転移が使えるようだ。
「グハッ!!」
だがそんな奇襲を見逃してくれるほど黒薔薇は温くは無い。
既に魔族の胸はシュヴァルツの右手よって貫かれ、致命傷を負っている。
そして首にはペネロペのダガーの刃が少し触れており、出血している。
伸ばしていたのであろう右手の肘から先は既に落ちており、その先にはレイナが雷刃状態の雷切を構えている。
その後ろにはノアや残りのメンバーがおり、黒天では動けたのはペネロペだけだったのだろう、他のメンバーは驚いた表情を浮かべる。
「何者?」
レイナが問う。
「ゴホッゴホッ!!」
シュヴァルツが胸から手を引き抜き振って血糊を飛ばす。
「魔族が何の用ですか?答えなければ死にますよ。」
シュヴァルツの問いを完全に無視する魔族。
だが、もうこれ以上は無理だと悟ったのか、魔力を一気に暴走させ自爆したのである。
ドゥォォォオオオン!!!!!
迷宮全体、いや、地上にまでも振動は伝わる。
土埃が少しずつ収まり、それぞれがお互いに生存確認をしている。
ノアは自分とクロエ、黒天を守るプロテクトシールドを咄嗟に張っており無事だった。
シュヴァルツはそのプロテクトシールドの前で更に翼を竜化させ、爆風を凌ぎノアを守ったようだ。
レイナは少し離れるのが遅かったようで、傷や軽い火傷を負っているがノアにより瞬時にかけられた、自動回復により既に完治している。
一番重症なのはペネロペだ。
全身が火傷で爛れており、右手右足は部位欠損までしていて虫の息だ。
「アルティメット・ヒール」
アリアがすぐに駆け寄り、治療をしている。
「魔族め、やってくれたな。」
「主、狙われる原因に心当たりはございますか?」
シュヴァルツに向かって首を竦めるノア。
「あり過ぎてどれか分からないな。でも今回は...」
「うん。十中八九クロエ。」
レイナの言葉にノアは頷いたのであった。
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