Episode40
「実は私達蒼天も、ノア様の作ったクランに参加したいとお願いしに行ったのですわ。」
「そうなんですね!よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いしますわ!!」
適度な挨拶を交わした蒼天とアリアだが、次の瞬間現実に引き戻される事となった。
「しかし、ここの中ボスといい、ミノタウロスといい、なぜこんなに強いんだろうな?」
ゾーイの言ったことはみんな等しく感じていたことなのだ。
「そういえばここの中ボスはどんな魔物だったんです?」
アリアはノアと共に中ボスが消滅した後を通って来ているのでどんな魔物だったのか知らない。
「馬でしたわ。」
「馬だったな。」
「うん。馬だった。」
戦った3人は口をそろえて馬と言っている。
「馬・・・なんですね。」
蒼天が戦った中ボスの名前は馬頭。
ミノタウロスの馬バージョンで、サイズは倍ほどある。
ミノタウロスで約3メートル、馬頭で5~6メートルほどだろう。
鉄の棍棒のような打撃武器を持っており、大きなそれを軽々と振り回してくるのだ。
蒼天が普通のパーティーであれば苦戦したであろう相手だ。
だが、蒼天には閃光のペネロペとサモナーのグレースが居る。
グレースの召喚した水の精霊で馬頭をかく乱し、ペネロペか少しずつ体力を削り倒したのだ。
「馬も、とんでもない強さでしたわね。」
「うん。でも相性が良かった。」
「あぁ、グレース様様だった!」
ゾーイはエリザベスの護衛として、待機してたがこちらに攻撃が来るまでに勝敗が決したのだ。
「でも、何かが起こっていることは間違いなさそう。」
「用心する事に越したことはないですわ。」
「うん。」
真面目な話をしている蒼天とは裏腹に、幼女に目がないノアと肩車してもらっているクロエだけは上機嫌だ。
ペネロペがノアの横まで速足でやって来る。
少しシュヴァルツが反応したが、敵意が無いことを確認し警戒を緩める。
「ノアさん、歩きながら少し良いでしょうか?」
「ん?どうしたの?」
「実はアリアさんから伺ったのですが、ノアさんのクランに入ったと。」
「うん、そういえばペネロペとエリザベスも入りたいって言ってたね。」
「はい、実はゾーイとグレースを含めた蒼天ごとお世話になりたいのです。」
「そうなんだ。一気に賑やかになるね。」
「では!クランに入っても良いのですか?」
「うん、でも条件が1つあるかな。」
「なんでしょう。はっ!まさか、お姉さまだけでは飽き足らず私の身体までも・・・」
「いらんわ。ってペネロペってそんなキャラなの?凄く面白いんだけどっ!?」
「お褒めいただき、光栄です。」
「急に戻るじゃん!えっと、クラン名は黒薔薇。カラーは黒なんだけど、蒼天だとカラーは青?」
「はい、チームカラーは青でやってきました。」
「クランに所属するなら、黒色にできる?」
「勿論です。」
「じゃあ条件はそれだけだよ。」
「では、今後黒薔薇傘下の黒天と名乗ります。」
「うん。いいね!ルールは無いから好きにやってよ。」
「御意」
本人達は歩きながらサクッと決めた内容であったが、クラン:黒薔薇に冒険者パーティー:黒天が所属したことは、SS級冒険者パーティーが一人の冒険者の傘下に加わるという世界的にも前代未聞で衝撃的な大事件であった。
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