Episode38
ノアを見つけたエリザベスは小走りで寄って来る。
「エリーどうしたの?安地で休憩って訳じゃないんだろう?」
「それが、思わぬトラブルが発生しまして...」
そう言うとエリザベスは、少し奥に居る蒼天のメンバーの方を向く。
ペネロペとグレースに、ゾーイ?が抱いているのは小さい女の子?
「え、なにそれ。」
「えっと...ゾーイ。連れて来てくださいまし。」
ゾーイが片腕に抱いて連れて来たのは、黒髪ロングで目のクリっとした黒のワンピースを着た5歳くらいの女の子だった。
「わぁ!幼女だぁかわいいなぁ~!レイナの子供の頃を思い出すよ。お名前はなんて言うのかなぁ?」
ノア機嫌が最高潮達し、デレデレで幼女に話しかけている。
「ちょっと!マスターキモいです!いつものことながらキモいですぅ!!」
背負われているアリアが、背中をポコポコ叩いてくるのでノアは両手を放す。
「ぃぎゃん!?」
急に地面へ落とされたアリアは、変な悲鳴を上げてお尻を押さえている。
「ほ~らおいで~怖くないよ~ぉ」
ノアは幼女に向かって手を伸ばす。
「お、おい良いのか?エリザベス。なんかこの男興奮しててヤバい気がするんだが。」
動揺するゾーイ。
「はぁ、ノア様は小さくてかわいい女の子を見るとこうなるのですわ。昔は私の事も抱っこやスリスリしてくれたのに...」
エリザベスは頭を抱えている。
幼女はおいでと手を差し伸べるノアに、自ら乗り移り抱き着く。
「なにこの子めっちゃかわいいんだけど。持って帰る。ウチの子にしようそうしよう。」
幼女に露骨に嫌な顔をされているのにも関わらず、ほっぺすりすりやクンカクンカをしているノア。
「それがですね、その子記憶喪失みたいで何も覚えてないって言うのです。」
ゾーイの後ろからやって来たペネロペはこの安地でこの女の子を見つけ保護していたのだと言う。
「主、それは、」
「うんうん可愛いから何でも良いんだよぉ。お名前は言えるかな?」
シュヴァルツの言葉を遮り幼女に話しかけるノア。
「クロエ!」
「そっかぁ!クロエって言うんだねぇ!僕はノア。ノアお兄ちゃんって呼んでね!」
「のあ!」
「そうそうお兄ちゃんってほらお兄ちゃんって呼んでみよっか!」
「のあ!」
「お兄ちゃんって!」
「のあ!」
「やめーい!」
あまりにもしつこいので流石にアリアのツッコミが入ったのであった。
「私の時はパパって呼ばせようとしてた。」
「ブフーーーッ!!」
レイナの言葉に水を飲んでいたペネロペが噴き出している。
「私の時もにぃにって呼ばせようとしてましたね。」
「主様、私がお兄ちゃ」
「却下で。」
アリアの言葉にピンときたのか、我こそがと身を乗り出したシュヴァルツの言葉はまた却下される。
グレースは途中までは何かを言いたそうにしていたが、後半は笑いを堪えるのに必死であった。
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