Episode34
「アルティメット・ヒール」
アリアはイライジャを治した。
「ひいぃいいい!!」
イライジャは走って逃げていくがその先には迷宮から出て来たミノタウロスの姿が。
「助けてくれえええ!」
ミノタウロスは両手を組み上に振りかざす。
このままではイライジャはミノタウロスに潰されるだろう。
白夜のメンバーは動かない。助ける気は無いのだ。
冒険者同士での裏切りはご法度である。その報いを奴は受けるべきなのだ。
誰しもがそう思ったその時、ミノタウロスが塵と化す。
レイナだ。レイナは雷切を鞘に納めるとイライジャに一言
「次は無い。」
「アリアちゃんもレイナも優しいなぁ。」
ノアはアリアの頭をクシュクシュと撫でながら呟いた。
おおよそ死者が散らばっている真ん中に立つノア。
「アルティメット・ヒーリング」
金色の魔法陣が術者を中心に、直径50メートル程広がり光を放つ。
魔法陣から金色の粒子が渦を巻き天高く昇る。
魔法陣が届くエリアに、究極範囲治癒魔法が発動する。
範囲内に居る者全ての傷は塞がり、部位欠損も傷跡なく完治した。
「リザレクション!」
白銀色の魔法陣が死んでいる者の各々の身体を中心に、直径1メートル程広がり光を放つ。
魔法陣から白銀色の粒子が渦を巻き、それぞれの身体に吸い込まれる。
術者の生命力を引き換えに発動する、禁忌魔法が発動する。
範囲内の死者は息を吹き返した。
「おぉ!すげぇ。神の御業だな。」
「これほどまでとは。凄過ぎるわね、言葉が出てこないわ」
「奇跡だ。」
「ヒーラーの極みがここに!!」
白夜のメンバーはやや興奮気味である。
そして
「素晴らしい、主は死すら超越しておられるのですね。」
「いつ見ても綺麗。」
「かっこいい...師匠流石です。」
こっちには、うっとりしている者が3人も居た。
「さて、僕等は中に入るけど、入口の防衛と冒険者達はこのまま白夜にお願いできるかな?」
「あぁ、問題ない。」
エンツォが答える。
「そうか、良かった。蒼天は中かな?」
「ええ、中よ。この感じだと蒼天も危ないかもしれないわね。上手く安全地帯へ退避出来ていたら良いのだけれども。」
「そうだな、途中からミノタウロスの出てくる数が増えた気がする。」
「確かに、何らかのトラブルでセーフティゾーンへ向かった可能性が高いね。」
フリッツとメイソンは同意見のようだ。
「分かった。一度安地へ向かって蒼天の無事を確認しよう。」
「師匠。私も一緒に行きたいです。」
アリアが置いて行かれてたまるか!とばかりに、食い気味で立候補する。
「うん、そのつもりだよ。なんなら多分シュヴァルツの近くが一番安全だからね。」
「お守りします。」
「あ、すみません。ありがとうございます。」
「フッ。」
シュヴァルツとは初対面のアリアだが、死んでいる状態の自分をノアの所まで運んでくれたと聞いているので、アリアは凄く腰を低く接しているのだ。
ノアからしたら少し可笑しい光景だった。
「では地下迷宮『ヘラ』へしゅぱーつ!」
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