Episode32
ノア達は地下迷宮『ヘラ』へ向かっていた。
すると遠くで炎の柱が上がっているのが見える。
「あれは、ギガ・フレアか。フレイヤが苦戦しているようだね。」
「主、私が先行して一掃してきます。」
「うんお願い、アリアって子とフレイヤって子だけでも、守ってあげて。」
「承知しました。」
シュヴァルツは背中に竜の翼を竜化させ、飛び立つ。
「あの子、あんな格好で行ったら冒険者に攻撃されない?飛ぶ時ヘルムまで被ってたし。」
「あ。いや、あんなやばい奴にいきなり攻撃しないでしょ。流石に。」
「そう?」
ノアとレイナは少し足を急がせるのであった。
***
ノアたちの目の前に、シュヴァルツが降り立つ。血濡れた女を抱えている。
「主、フレイヤと言う女は無傷で生存しておりました。ですが、この者は既に事切れております。」
そう言うと地面にそっとアリアを降ろす。
「アリア!!」
すぐに駆け寄りアリアを抱き寄せるレイナ。
ノアは頭の中が真っ白になる。血の気が引いていくようだ。
何故アリアちゃんが死んでいる?あんなに人のために一生懸命になれる子が、何故犠牲にならなければならない?他のパーティーメンバーは何をやっている?なんでヒーラーであるアリアちゃんが死ぬんだ?ヒーラーが死ぬ時は、その他全てのパーティーメンバーが全滅したとしか考えられない。何があった?『ヘラ』はB級ではなかったのか?いや、フレイヤは無傷だとシュヴァルツは言っていた。無傷?ではなぜ、アリアちゃんだけが死んでいる?パーティーメンバーにハメられた?または、メンバーの連携が上手く行かなかった?違うな。そうか、メンバーが弱すぎて?そうだな。そもそも、あんな弱いパーティーに入ると言った時、止めればよかったのだ。そうだ、僕が悪いんだ。ずっと僕の傍に置いておけば良かったのだ。銀狼?今思えば糞雑魚パーティーじゃないか。そんなパーティーにアリアちゃんは相応しくなかったんだ。きっと、アリアちゃんの腕が良いから自分達が強くなったと錯覚して調子に乗って居たのだろう。ふざけんなよ。これで一人でも生き残って居たら、逃げ延びたメンバーが居たのなら。僕がこの手で、ぶち殺してやる。
「ノア!」
「ノア!!」
「しっかりしてノア!!!」
うるさいなぁ。
レイナが叫んでいる。
そうだね、先ずはアリアちゃんを戻そう。
「アルティメット・ヒール」
アリアの傷は瞬く間に塞がり、一切の傷跡を残さず回復した。
「リザレクション」
「んはーっ!!」
暫く呼吸が止まっていたので、肺に空気が無く苦しい目覚めとなったが、アリアが息を吹き返した。
「はーっはーっはーっ。」
「アリア大丈夫?痛い所とか無い?」
レイナは抱き寄せているアリアを心配している。
「レイ...ナさん!?」
「うん。アリアもう大丈夫、もう大丈夫だから。」
アリアは自分の置かれている状況が飲み込めていない。
確か、憶えている記憶ではミノタウロスの角で刺されて...
あ、私死んだんだ。そうか、死んでしまったのか。
「アリアちゃんおはよ!」
アリアは身体をお越し、優しく微笑むノアを見つめる。
「あぁ、師匠」
まただ、また私はこの人に救われたのだ。何度目だろう。いつもそうなのだ。どれだけ離れていようとも、私を助けてくれる救ってくれる。世界でただ一人の私だけの英雄。
沢山の感情が涙と一緒に溢れ出る。
「会いたかったよぉ、ししょおぅ。」
小さい子供に戻ったようにアリアは泣いた。
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