Episode25
レイナが先程戦闘していた方からこちらへやって来る。
「ノア。数匹の逃げなかった赤竜は倒しておいた。」
「ありがとうレイナ。」
ペネロペはレイナを見つけパタパタと寄って来る。
「お姉さま!お久しぶりです。」
「うん。ペネロペ元気にしてた?」
「はい!お姉さまはまた強くなられて。」
実の所二人は同門であり、レイナはペネロペの姉弟子に当たるのだ。
先程のシュヴァルツに殺されそうになったときも、実はレイナを呼ぼうかと思っていたりしたのだが、エリザベスに先を越される形となってしまった。
二人は積もる話でもあるのだろう。少し離れたところで話し込んでいる。
「ところでノア様、実はある地下迷宮が暴走状態ですの。もうバーストしかけていましてよ。それの緊急依頼として、ギルマスから至急ノア様と向かうようにとのことで、転移魔法が使えるギルド職員とお迎えに来た次第ですわ!」
「何度かお見かけだけしております。クレアと申します。よろしくお願いいたします。」
エリザベスのよりは薄い金髪でミディアムボブが良く似合うクレアは綺麗にお辞儀する。
「へーそうなんだ。え、今から?まじで?人使い荒すぎない?過労死するよ?」
「ノア様はその程度では死ねませんわ!!」
「あ、うん。そうだけどね。」
「主私が行って迷宮ごと滅ぼしてきましょう。」
「やっぱりシュヴァルツ一人で行かせると、本当にそうなりそうだから一緒にいくよ...」
ノアは絶望した表情でエリザベスを睨む。
エリザベスは誤解して少し照れる。
「そうだ、そこら辺に落ちてる魔石は蒼天で分けたらいいよ。50個以上はあると思うし、赤竜の魔石はエリーの家に送ってくれると嬉しいかな。いつもお世話になってるからね。」
「あらノア様お優しい。わたくしの家の事まで!あぁ愛おしい。結婚してくださいませ!」
「無理。」
「あーん。いつもつれないですわー!!」
エリーはいつも元気だなーと思うノアだった。
***
その後洞窟へとみんなで移動し、王国まで村の避難民を送る算段つけたり、紅とカイ達に事の顛末を説明したりですっかり日も落ち夜になってしまった。
地下迷宮へは明日朝向かうことになったので、今晩はここでキャンプとなる。
焚火を数ヶ所に設置し、各々の場所で暖を取りながら食事をする。
蒼天が持って来た食料は、冒険者が良く遠征や迷宮で食べる干し肉とパンだけだったが、紅が付近で狩ってきたビックボアの肉もあるので、村人にも十分に行き渡っているようだ。
竜が谷の奥まで引っ込んだことで生態系が戻りつつあるのだろう。
ノアの居る焚火には、カイやレイナにペネロペとエリザベスにクレアが居る。
ゾーイとグレースは紅のメンバーと仲が良い様で横の焚火でワイワイやっている。
シュヴァルツはノアに横に来て座ったら?と言われたが、ノアの後ろで立って待機中だ。
「とりあえず、クラン作ろうと思うんだけど。」
「「ええ!!!」」
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