Episode21
コンコンコン
ドアをノックする音が響く。
「ギルドマスター。冒険者:蒼天の皆様がお越しです。」
「あぁ、通せ」
ギルド職員がドアを開けると入って来たのは4人の女性でSS級冒険者パーティーの蒼天だ。
リーダーのペネロペは水色のショートヘアが良く似合うシーフで双剣使いだ。
その後に、大楯を持ったタンクのゾーイやサモナーのグレース、ヒーラーのエリザベスと続く。
蒼天の4人が席に着くとギルドマスターのイザベラが沈黙を破る。
「さて諸君、調査結果を報告したまえ。」
その問いにペネロペが答える
「結論から申しますと、調査に向かった地下迷宮は暴走状態で地上にも魔物が溢れています」
「やはりか。先行した調査隊からも同じような報告が上がってきている。」
イザベラは頭を抱える。
「現在は迷宮入口と1階層にてランクS・A冒険者を総動員して対処していますが、出てくる魔物の強さもB級やC級が多く、皆疲弊してきております。
近くにキャンプを張りローテーションで防衛しておりますが、長期戦になればこちらが圧倒的に不利かと。」
「うむ。既にSS級冒険者パーティーの白夜が現地に向かっている。」
「おぉそれは心強いな、白夜には炎帝のフレイヤが居るからな」
筋骨隆々だが美人なゾーイは嬉しそうにガッツポーズをする。
「そうですわね。こちらにも二つ名持ちはいらしてよ。ねぇ、閃光のペネロペ」
金髪縦巻きツインと大きな胸を揺らしながら誇らしげに言うのはヒーラーのエリザベスだ。
「メイジと張り合うつもりはありません。」
「だけど、どっちにしろあの人の力が必要になるよねきっと」
前髪が長めで表情があまり見えないグレースは、エリザベスに話しかける。
「勿論ですわ!ノア様はヒーラーの中では英雄、いえ、神ですわ!!神無しでは今回の件は犠牲が出過ぎてしまいますのよ。」
「あぁ、分かっている。だが、不死王は今別件で竜の谷へ行ってもらってる。」
「「ええ!!」」
「まさか・・・」
「あぁそのまさかだ。S級の紅が消息を絶った」
蒼天のメンバーは同様を隠せないようだ。
なぜなら、今回の依頼を達成した暁には紅はSS級に昇格される予定だったのだ。
そう、既に彼らはSS級の実力を持ち合わせているとギルドが認めている。
勿論、同じ戦場に立った事がある蒼天もそれを認めており昇格が遅いと感じていたくらいだった。
「そうなると、赤竜1体ではなく複数だったか、若しくは別のナニカだったか。」
ゾーイの予想にペネロペも頷く。
「そうね、ただ全滅したとは考えにくいですね。何処かに身を潜めている可能性が高い。そう考えて不死王を送り込んだのですね。」
「あぁ、それと剣神レイナも同行している。」
「くー!!!ノア様と2人でデートなんて羨ましすぎますわ!!」
そう言ってエリザベスは隣に座るゾーイをポコポコ叩くのであった。
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